巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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今日の24時、明日の0時

2017-01-31 23:59:16 | 
黄金色の月が嘲笑する
お前は一体どこへ行くのかと
黒の無意識が全世界を覆う
偏見に満ちた強者達が
強靭な精神力で弱者を裁く

嗚呼、此の世に生まれて良かったと
心の底から思えるのはいつなのか
薔薇色の時代はとうに過ぎ去った
身体中に流れる赤い液体
僕の生の証を吸血鬼が狙う
一輪の薔薇の花をくわえて

疲労を通り越して慰労
自分で自分自身を励まして
思い切り歯を食いしばって
笑顔を保って、心で涙して
誰かに八つ当たりしても仕方ない

時代を忌避し、孤立を深める
でも結局、僕達は何かを創る
君は旋律を、僕は言霊を
そこには何の意図もなく
ただ創るという慰みの行為

虚しさを一瞬忘れるために
僕達は心を無にして
モノづくり、コトづくりに励む
今日も24時、明日の0時を迎える
僅かな休息を挟んで、僕達は蠢く

48番目の自分

2017-01-31 00:36:47 | 
神は万能
子供の頃から
そう教えられてきたけど
貴方は未来を最適化できるのか

君は凡人
僕はそう思わない
誰しも自分の個性を持ち
皆で力合わせて難局を乗り切る

僕は旅人
力不足は痛感するけど
卑下するほど酷くはないはず
君とともに力強く立ち上がりたい

同じ国に生まれたはずが
異世界の住人に取り囲まれ
このままじゃ気が変になる
ホントはこんなこと
やりたい訳じゃないのに

これも仕事のうちと割り切ればいいの?

僕達にとって
生まれ故郷とはなんだ
等しく一括りにされ
47に仕分けられるけど
僕は48番目でいい

決して仲間外れじゃなく
村八分に遭った訳じゃなく
誰かが造った既成の枠に捉われず
同じ未来を夢見る仲間と生きたい

48番目の聖地で

自分!自分!じゃなく静かに傾聴せよ
僕だけでなく、君だけでもなく
誰もが自由でいたいから
誰もが自由になりたいから

それでいい、君はそのままでいい

天上から投げやりな言葉が聞こえる
僕は結局、全知全能の神に操られる
もうそれでいい、すべて受け入れる
我が家に帰る夜道には誰もいないから

凡人、千里を走れず

2017-01-30 00:02:35 | 
今まで過ごしてきた
幾千もの日々を
僕は走馬灯のように
思い出すことができる

墓場まで持参する麗しい幸せ
記憶の片隅に封じ込めた過ち

僕達は、
日増しに増えていく思い出とともに
生長し、成熟し、そして老衰する

銀の光沢が金に変わる
僕はこの目でしっかり捉えた
貴方が天に召される瞬間を
生というものの終わりに
必ずしも畏怖心はないのだと
少しばかりの安堵を覚えた

ならば、僕達はこうしよう

この世界の終わりに
眠れない一夜を過ごそう
誰も経験したことのない
とんでもない悪事を働こう

チューインガムを道端に吐いて
タバコを路上で吸いながら
歩きスマホで株式操作
有名人のスキャンダルをリーク

ああ、何も思い付かない
こんな低脳卑劣な行為で
社会から糾弾されるのは御免
今宵も千里を走れない始末

凡人には悪党の生き様を
真似することなど不可能
だから僕は今を実直に生きる
神に見放されないように

僕は神の奴隷
命尽きるまで万能の神の掌で踊らされる

偽りの世界の支配者

2017-01-29 22:11:36 | 
モノクロの世界に包み込まれる
今にも窒息しそうな息苦しさ
僕だけでなく、君も、そこの君も
溝の中を泳ぐホオジロザメのよう

昔はこうじゃなかった
僕たち人間の生活圏は秩序正しく
僕らを乗せた地球という宇宙船も
人間存在を赦し認めてくれていた

今はもう人間が弱ってきている
その兆候は既に見えていた
母なる大地が穢され
穏やかな海が荒れ
我らを包む大気が燃えた
空はじきに消滅する

出血しながらも耐える臓器は
僕たちを消化しきれなくなっている

この弱い存在が世界の支配者
そんな誤解があちこちに蔓延る
僕は総ての誤りを正すために謳う

いつの日か、
世界中がパニックに陥らないよう

もし今を、未来を肯定して生きられれば
そんな気楽なことはない
ネガティブな僕だっていい夢を見たい
もし君に夢で会えたら踊ろう
一緒にステップを踏もう
どこまでも広がる大地を踏みしめよう

問われる僕の信条

2017-01-29 02:35:49 | 
僕は放射化される
焔の中に熔け込んでゆく
もうすぐメルトダウン
だめだ、このままじゃダメだ

溶け出して
抜け出して
逃げ出して
駆け出して

もう止まらない勢いで
迫り来る不吉な未来
僕は掌を返すように
真反対の生き様を晒す

信条に従い生きる
信条に背き生きる

一体どうしたいんだ、お前は
所詮は守銭奴か、堕天使か

人工衛星から送られる地球の画像
僕達の存在は点よりもちっぽけなもの
まるで見えない、存在しないのと同じ

けれど、
この世界に、この地球に
この時代に、このタイミングで
この場所に、この大地に
生まれ落ちたことは
決して偶然ではないはず

街行く人とすれ違うのも
交差点で信号待ちする人も
駅のホームで電車を待つ人も
きっと必然的な一期一会

君は決して孤独じゃないから
俯くことなく周囲を見渡して
絶好のチャンスを逃さないで
一度きりの人生を自分らしく