巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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生き抜く覚悟

2016-12-31 00:24:43 | 
これで終わり
すべて終わり

都会の薄汚れた夜空の星を数え上げながら
僕達の他愛ない日常はこんな風に終わってく

僕達は無為に過ごす時の速さに辟易し
再び生を繋ぐ準備に慌てて取り掛かる

僕達を包む空気も、風も空も大地も
幾千年と変わることはないから
安心してこの自然に身を委ねよう
病める人も、健やかなる人も

彼等は残されたあと僅かな時間を
どんな風に生きればいいのだろう
放っておいても過ぎ去っていく時間に
少しでも多くを詰め込もうと彼等は焦る

街のくだらないお祭り騒ぎに
僕は冷笑を浴びせながら
ただひとり、時と時の狭間で
僕が分裂する瞬間を待つ

僕はいつまでもかつての僕ではなくて
もはや僕ではない僕の影を消そうとする
誰もが時に抗い、変化を怖れるときに
僕は敢えて過去の自分を棄て去るのだ

何が正しいかも解らぬこの世界の中で
思い出に縋って生きる自分に別れを告げ
燃え盛る炎に身を投じる覚悟で
今日に、明日に、明後日に挑むのだ

ほらご覧、東の空がうっすらと輝いてきた
何も変わらない新たな一日が今生まれる
変わるべきは自分自身であることを
僕以外の誰もきっと知らない

振り返るな、前だけを見つめよ

これが始まり
すべての始まり
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人生の総決算

2016-12-30 12:24:51 | 
朝日が夜の帳を溶かすように
夕闇が明と暗を切り替えるように
この世は毎日がパレードさ
生きることがバカバカしくなる

今日の僕は昨日の僕を否定する
明日の僕は今日の僕を否定する

そうやって生き永らえてきたんだ
昨日も、今日も、いつの日も

振り返るとすべてがほろ苦い思い出
君みたいに強く生きられればいいな
しっかり目の前を見据えて
周りの誰かのことなど気にせず

僕が持てる力すべて
今この瞬間にぶつけよう
心地よい疲労感を胸に
僕は脱力して昏倒する

すべての時の終わりに
空高く放物線を描こう
周回遅れの人生だけど
僕の最高スピードで時を刻む
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Time Goes By

2016-12-29 14:00:57 | 
今日が最後だなんて誰が信じよう
悲しいニュースが昨日もまたひとつ
僕は心を空っぽにして、しばし虚空を見つめる
あの空の向こう、彼は笑顔でいるのだろうか
僕は傷付いた同志に無言のエールを送る

無為を決め込みソファーに寝転がると
昨日までの戦いがまるで嘘のように
こうして時がゆっくりと穏やかに過ぎ
いつかは我が身も朽ち果てるのだなと
午後の陽射しを浴びてはそこはかとなく感じる

僕は君が一歩づつ大人に近付くのを見守る
我が子が育つだけ、我が身は老いる
当たり前の現実に抗おうとはしない
ただひととき仄かな哀愁が漂うだけ
この疲れ切った心身を労わってやりたい

時を駆け抜ける爽快さ
明日など気にせぬ無謀さ
僕が通り過ぎてきた平坦じゃない道程を
今を生きる君にいつか教えてあげたい
そしてそれが決して無意味ではなかったことを
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年越しの朝

2016-12-28 22:56:59 | 
澄み切った青空の破片を
僕は知らない
この透き通る空気を胸一杯に吸って

この煌めく地平線の彼方を
君は知らない
蒼の深さに溶け込むように

朝日が舞い降りて、今年360回目の朝が来た
さあ、君も眼を覚まして
シャキッとコートの襟を立てて
もう一度自分を奮い立たせよう

頭の中はいつも音楽世界
欠かさず綴る即興詩に
今日も曲を付けて奏でる道化者
僕は挑戦者のように受けて立つ

駅に急ぐ人達が寒さに身を縮め
我先にと足早に歩を進める中
僕は意気揚々と目の前の道を闊歩する

ねえ、心の底から笑って
飛びっ切りの笑顔で世界を鎮めて
思い悩んだ日々はもう捨て去ってしまおう
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時代の寵児を悼む

2016-12-27 20:46:06 | 
僕はいつまで君を追いかければいい
もう手の届かない場所へ行ってしまった君を

君は時代から愛され、そして時代を憎んだ
時代を弄ぶ君はまさに時代の寵児だった
君は他の総てに反逆する代わりに
音楽の可能性だけを頑なに信じた
内に秘めた自分を表舞台に出した君は無敵
ステージに響く君の透き通る歌声は
僕達を魅了する魔法の呪文のようだった

君に出会った頃、僕はまだ子供で
ブラウン管から飛び出してきそうな
躍動感溢れる君を眩しく眺めていた
目標とするには遥か遠すぎて
理想とするには気高すぎる存在
それが憧れだと気付かず君を追いかけるうち
君はいつしか見知らぬ僕の一部になっていた

君はあまりにも刺激的な存在
今にも破裂しそうな時限爆弾のよう
はたけばはたくほど埃にまみれ
僕達はとても放っておけなかった
でもひとたびステージに上がれば
君は誰もが認める真のアーティスト
君の声音は高価なベルベットのよう
甘く纏わり付き、その質感が堪らない
いかなる時も自分らしさを貫き通した君

君の代名詞だったクリスマスに眠るなんて
いくらなんでもドラマチック過ぎるよ
君を悼む間にもうすぐ今年も終わる
来年のクリスマスまで誰もが君を忘れ
一年に一度、過去の人となった君の歌声を聴く
でも君は僕の記憶の中で永遠に生き続ける
僕が此の世に留まり続ける限り
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