巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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傾国子女

2013-02-14 21:42:21 | 日記
皆さま、こんばんは。

「作家的生活」とかぶちあげておきながら、実は半月の間、筆を止めている小杉です(汗...)。
その間、いろんな本を読んだりしながらインプットに努めてきたのですが、島田雅彦先生の「傾国子女」が一番印象に残っています。


http://hon.bunshun.jp/sp/keikoku

島田先生の著書とは20年の付き合いになります、もっとも浮気していた時期も結構ありましたが...。ただ文学の道に舞い戻ってきた今、一番フィットするのが島田先生なのです。で、島田先生ご本人も読者もあまりココを挙げられないのですが、私的には224ページの以下が中盤に迎えるクライマックスかと。


私は白い洋式便器の前にかがみ込みながら、ああ、これは自分にそっくりだと思いました。用がない時は蓋をされ、見向きもされない。いつもお尻の穴や尿道と向き合い、都合よく欲望の捌け口にされるだけの人の形をした便器......それが私です。この夜ほど便器との友情に深く感じ入ったことはありませんでした。


こういう表現手法は島田先生ならではというか他の作家には見られないものだと思います。ただ単に美しい文章をお書きになる作家はいくらでもいらっしゃいます。これぞ島田文学の真骨頂かと。

後半に入り、主人公である白草千春のその後の転落、不条理、悲運、老いがなんともせつなかったです。
終盤文中に「心が弱い人はハッピーエンドを求めるのよね」とあるのですが、まさに私射抜かれました。でも、島田先生はそんな読者を「珍しく」裏切りません。このエンディングは島田本愛好家としてはかなり意外なものでした。

という訳で「傾国子女」オススメです。

と、本物の「巨匠」の話を今日はしてみました!
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2 コメント

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意外な新展開をうみだせる (茂平)
2013-05-04 23:45:30
「傾国子女」を読んで、この新展開は惹かれますね。

ちなみに島田さんの作品でググってたら、
http://www.birthday-energy.co.jp/
というところで論評しているのを見つけました。
状況や環境により、巧みに自己の有り様を変貌させる才能を
お持ちらしいです。
こんな面白い作品を書ける・・・理由がなんか分かった気がします。
コメントありがとうございました! (cosgy)
2013-05-05 12:24:13
リンク先、拝見しました。
なかなか興味深いですね。
やはりちょっと、というか、かなり常人とは違うお方なんだと思います。まあそもそも常人とは何?と問われると答えられませんが(笑)。

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