巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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掌編小説 『午睡』

2016-07-03 12:23:22 | 小説
即興掌編小説『午睡』

またまた突貫工事ですがリリースしました!
http://p.booklog.jp/book/108153/read



筆欲がそろそろ湧いてきたかな~!


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午睡

2016-07-03 11:34:29 | 小説
昼下がりのベッド
僕達は幼児のように午睡を貪る
彼女の髪を優しく撫でながら
うなじのあたりで切っ先の数センチをくるっと回す
その生え際のあたりに女性美を感じながら
周囲に立ち込める香水と汗の入り混じった匂いを嗅ぐ
僕はそんな瞬間が好きだ
完全に無防備な彼女と常に臨戦態勢の僕

上体を少しだけ起こし髪をいじくるのと逆の手を
彼女の頬に回そうとしたとき玄関のベルが鳴った
僕はそれを恨めしく思いながらも、ちょっといいことを思い付く
「どっちが出るかジャンケンしようか」
「あなたの家なんだから、あなたが出てよ」
「まあ、そう言わずに」

僕は彼女の耳元に笑みを浮かべた口を近付け
小声で「最初はグー」と囁くと
彼女の眼前に握った拳を見せた
「もうしょうがないわねぇ」
しぶしぶジャンケンに応じた彼女と
僕はガチで勝負を挑む

勝負は一発では決まらず
あいこが三度続き、四度目に僕がチョキで勝った

「マジ? こういうの本当ウザいんだけど!」
「早く! 急がないと間に合わないよ」
彼女は気怠げな雰囲気を保ったまま
両脚をばたつかせながら上体を起こそうとした
僕はそんな彼女の所作が可愛くて
起き上がる寸前の彼女の両肩を背後から思わず引っ張った
再びベッドの上に大の字になった彼女
「やめてよ、何考えてんの!」
「いいじゃん、もうどうせ誰も待ってなんかいないよ」
僕の言葉に渋々同意しながら彼女はタオルケットを引き寄せて
ベッド上で半身になり僕に背を向けた

彼女の猫背になった背中が憤りを示さなくなるまで僕は丁寧にさすった
二人きりのこの時間と空間は誰にも邪魔させない
もしまた邪魔が入ったとしても今回みたいにゲームに変えてしまえばいい

「ふぁーあ!」
彼女が大あくびをしながら身体を仰向けに直し虚空を見つめる
「あのね」
「なんだい?」
彼女は今度は僕のほうに向き直し、頬から顎のあたりを優しく撫でたかと思うと
今日まだ剃っていない無精髭を親指と人指し指の長い爪で抜こうとする
「痛っ!」
彼女は僕のそんな反応を楽しみながら、これでもか、これでもか、とわずか5ミリ程度の髭を弄ぶ

「こういうの嫌いじゃないよ、私」
毛抜きの手を止めずに彼女が不意につぶやいた言葉をちゃんと聞き取れず、
いや、真意をはかりかね、僕は彼女にもう一度聞き返した
彼女は毛抜きの手をようやく止めて
「だから、髭くらい剃りなさいよね。だらしない」
何を言ってるんだ、この日曜日に僕達は目を覚ましてから一度もベッドから起き出していない
新聞も取りに行ってなければ、テレビだってつけていない
「君だって同じようなものじゃないか」
「そうかしら」
僕達は顔を見合わせて笑った

こういうのが幸せというものなのかもしれない
彼女の笑顔は水族館で大好きなイルカに出会ったときよりも幸せそうに僕の目には映った

「あ、もうこんな時間。そろそろ起きる?」
そんなに急がなくたっていいじゃないか
この広い世界、いま僕達を待ち構えている人などいない
君と僕、二人きりの世界を心ゆくまで楽しみたい
僕は彼女の胸元に頬を埋め、身体を密着させた
「もうしょうがないわね」
満更でもない表情で彼女は僕の心と身体を受け止めた

昨夜から開け放しの窓を通って優しい風が入る
窓の外に見える初夏の空はとても穏やかで、僕達の自堕落な生活を赦してくれるようだ

僕達はいつまでも眠るでもなく、ベッドで二人戯れ合った
こんな幸せな時間が永遠に続くことを信じながら
そう、永遠を信じて
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神成の落日(小杉匠)

2016-05-22 17:15:45 | 小説
創作意欲の湧かない今日この頃
「神成の落日」 pubooにて公開
振り返ると、多少変えてみたいところあれど
執筆当時としてはこれが限界

こちらのリンク先からどうぞ!

http://p.booklog.jp/book/107177/read
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理想像

2016-04-29 16:31:27 | 小説
黄金週間到来‼️

帰省の電車車中で読書しています。



宮下奈都さんの「羊と鋼の森」。



帯に書いてある「村上春樹のドライさと湿り気。小川洋子の明るさと不穏。二人の先行作家の魅力を併せ持った作品」というフレーズに素直に頷けます。

良書は人を育てますね。

私もどういう作家になりたいのかもっと真剣に考えるべきなのかもしれません。
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公開しました、「神成の落日」

2016-04-26 02:25:29 | 小説
しばらく静観しようかと思っていたのですが、ふと思い立って「カクヨム」に投稿しました。

「神成の落日」(小杉匠)

皆様よろしくお願いします。

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