こころの窓

心療内科、精神科を標榜する開業医です。 日常の診察のなかで感じたことや気になる話題 を書いてみました。

AI(人工知能)による診断

2016-04-26 | 健康・病気

4月も下旬。

震災のため熊本からこちらで受診される方も散見されています。
通院中の方でも不安や不眠が悪化したという訴えもよく聞かれ精神面での影響も少なくないようです。

AI(人工知能)。

囲碁の世界チャンピオンに勝ち越した話もありました。

精神医療の分野ではAIを自閉症の診断に活用するニュースがありました。

自閉症の方に特徴的な脳の画像パターンを診断として利用するそうです。

医師の問診だけにたよらず客観的なデータを集積することで診断に活用するのは悪くはない話です。

近未来はロボット医師なども誕生するのでしょうか。

手術などはだいぶ進歩して正確にこなすとは思いますがそれでも人間が活躍する場所は失いたくないと感じます。


なおゴールデンウィーク中はカレンダー通りで日曜・祝日が休診となります。

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「ストーカー」の治療

2016-04-19 | 健康・病気

先週の熊本地震。

北九州でも大きな揺れを感じました。
みなさまからも不安で眠れなくなったとの声がたくさん聞かれました。
熊本と縁のある患者さんのことが頭に浮かびます。

余震の恐怖もあるなか少しずつでも日常が取り戻せたらと願うばかりです。

ストーカー。

警察が「治療」につなげようとしている動きが報道されていました。

ストーカーする人自体は社会的に問題があってもいわゆる精神科でいう
病気に当てはまる人は多くはありません。

執着してしまう考えや行動を修正しようとする認知的な働きかけをしてい
こうといったことを「治療」と呼んでいるんだと思います。

精神科領域では社会からに要請にも応えていかなければならない側面もあります。

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認知症と薬

2016-04-12 | 健康・病気

4月も半ば。

新しい環境で生活している方も少なくないかと思います。
慣れないことも少しずつ時間とともに慣れていくことがほとんどです。

ただやはりつらいなぁ、きついなぁと感じたら家族や友人など身近な方と話をしてみてください。
人に話すだけでも意外と楽に慣れるものです。

最近ニュースで認知症の方への向精神薬の使用への配慮があらためて報道されました。

副作用を避けてなるべく薬は使わないこと。

まずは医師自身が気をつけなくてはなりません。

現場で介護をしていらっしゃる施設のスタッフのみなさんは本当に大変かと思います。

ダンス、ペット、ゲームなど遊びの要素も取り入れたりと心理的なアプローチがさかんになってきています。

個性的な介護施設もでてきていますが国の後押しをうけて充実した施設が増えていくと認知症の方が穏やかに過ごせることも多くなりそうです。

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治療の3段階

2016-04-04 | 健康・病気

新年度になりました。

平成17年4月1日に開院して11年が経ち今年で12年目となります。
新しく心理士の先生にも来ていただきました。

みなさまの心の健康にお手伝いできるように今後も治療に取り組んでまいります。

治療はその場だけでなく将来を見据えて末永く安定した状態を維持していただくことだと考えます。

治療を3段階にわけると

①不安、うつなどの症状を改善すること。

まずは少しでも楽にならないとその先に進むことは難しいと考えます。

②安定して日常生活を送れること。

食事、睡眠がとれて日常生活が満足とはいかなくても過ごせると少し自分のことを考える余裕が生まれるかと思います。

③自分の希望や目標をもててそれに向かっていけること。

目標があると充実して生きているといった実感が湧くかと思います。

簡単ではないですが治療というのは将来にわたる生活活動を視野にいれていくことが不可欠なものと考えます。

 

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