自分にがっかり。

メールが送られてきた日。

気持ちを書きなぐっているうちに涙が止まらなくなり
洗面所でタオルを噛んで声を殺して泣いた。

結婚していた頃もこんな風によく泣いたな。なんて思っているうちに
落ち着いてきた。

無性にメールの返事を書きたくなって
『面会はこちらから連絡するまで待って欲しい事。
養育費はできるだけ払って欲しいと思っていること。
舅にこれからも連絡する気はないけど、そっちも舅が来ないように
最善の努力をして欲しい事。

そして金銭トラブルの話は私にとって辛い出来事を思い出させるので
もう、して欲しくないと思っていること』を書いて送った。

すぐに
『嫌な事を思い出させて悪かった。
ただ養育を放棄したと思われたくなくて状況を説明しただけなんだけど
もう金輪際２度としません。

子供達の事を宜しくお願いします。」と返事が来た。

いったん落ち着いたような気分だったけれど
次の日は離婚した当初のように何をみても涙がでた。

娘の一言に。
母からのメールに。
道行く人に。

いろんなものに慰められるような想いだった。
離婚して自分には沢山のものが残った。
仕事も与えられた。
仕事場でも優しい言葉をかけてくれる仲間が増えた。

自分はなんと恵まれているのだろう。
そう感じるたびに涙がこぼれた。

あの人のは全て自業自得なのだ。
どうして、幸せになってくれないのだ。

このまま放っておいてくれた方がどれほど良かったか。
養育費などもう欲しくなどない。
そう思っては泣けた。

お風呂から上がるとメールが鳴っていた。
また、元夫からだった。

『先日は俺の誕生日だった。毎年、みんなで祝ってもらっていたのに
今年は１人なんだなって思った。これから正月もクリスマスも１人なんだなって思ったら寂しくなった。慣れなきゃな。』

読まなきゃ良いのに読んだ自分にがっかりした。
お人よしな私。
愚かな私。

今日一日、私はとっても辛かったって言うのに
あの人にも辛い出来事を思い出した。って書いたのに。。。

全然分かってないんだなって思った。

あんなメールの次の日にもう全てが許されたと思って
書いてくる無神経さ。

この人に振り回されるのは真っ平だってなんども思うのに
こうやって振り回されている。

本当に自分の甘さにがっかり。
『もう、用件以外のメールはお断りです』って言える強さが欲しいな。
いったい私は何を恐れているのだろう。

あーー。本当にがっかりだ。

何を泣く

生皮剥がされた我が心は

流れる雲に慰められる

流れる涙の意味も分からず

カサカサと舞う

落ち葉の音に励まされる。

嫌だ。

嫌だ。嫌だ。嫌だ。

何度も元夫から聞かされた金銭トラブル。

最初に聞かされたのが友達にカードを盗まれて使い込まれて
３０万借金を背負ったという話だった。

それから、鞄を盗まれた２回。
会社の金を落としたこと３回。
会社のミスでボーナスが支払われなくなった。

免許証を盗まれて１００万使われた。

何度も何度も襲ってくる金銭トラブル。
最初は友達に裏切られるなんてなんて可哀想なんだって思った。

でもその後からも何度も何度も何度も。
元夫が悲痛な顔で「騙されたんだ。」「盗まれたんだ」「運が悪かったんだ」
そう告白されるたびに私は訝しがった。

すると元夫は
「疑うなら電話でもして確かめれば良いんだ。
俺は本当の事しか言ってないんだ。
信じる信じないはお前の勝手だから。
どうせ何を言っても信じないんだろ。」


信じないお前が悪い。
信じられないならお前の好きにすれば良い。
嫌なら出てけば良い。
俺は本当の事しか言ってないんだから。

信じなければ家族崩壊しかまっていない。
真実を突き詰めれば離婚しか残っていない。

家族でいたければ嘘も真と思わなければいけなかった。

沢山飲み込んだ言葉。
沢山飲み込んだ怒り。

トラブルに巻き込まれたかわいそうな夫を
私は慰めなければならなかった。

「手足がとられた訳じゃないんだから。またお金は貯めれば良いんだから。
今度から気をつければ良いんだから」

「ごめんね。迷惑かけちゃって。頑張って働いて埋め合わせするから」

どす黒い気持ちを抱えたまま私は心の扉を幾つも閉めた。
家族を壊したくなかったから。
手放せなかったから。

離婚してもまだそんな話を私に聞かせるのか
鬼だ。
あんたは鬼だ。

私になんて返事しろって言うんだ。

嫌だ。嫌だ。何もかもが嫌だ。
気が狂いそうだ。

気分が悪い

うーーー。気分が悪い。

『集金のお金を預けた社員に使い込みされ、９月いっぱいで辞めました。
人が信じられなくなりました。立ち直るのに２ヶ月かかりました。
凄く疲れました。
決して親の義務を放棄したわけではありません。
まだ暮らしていたらまた迷惑をかけるところでした。

もう少しでまた駄目な奴に戻るところでした。

先週から新しい会社に勤め始めました。
頑張ってやっていくよ。
休みが決まってないけれど都合がついたら早めに連絡をくれたら
シフトを入れるのでお願いします。

舅達に俺の住所を教えてくれてかまいません。
好きなようにしてください。』

凄く気分が悪い。
吐きそうだ。

大満足

その日は寝る前から鼻水が出て止まらなかった。
夜中に呼吸困難で目が覚めた。

鼻が岩のように固くなって吸うこともはくことも出来なくなっていた。

お湯で温めたり、マッサージをしたり色々やったけど全然駄目で
朝まで苦しい思いで過ごした。

それからは鼻水がでるわ。でるわ。
会社にいても下を向いていられない。
耳鼻科に行って薬をもらって飲んだので、夜は眠れるようになったけど
３日もたつとイライラして嫌になった。

息子は幼稚園の頃、滲出中耳炎にかかり、気がついたときには
両耳が殆ど聞こえない状態になっていた。

それからはアレルギー性鼻炎との闘いだった。
最近はますます酷くなり、夜中に咳やくしゃみ、鼻水が止まらず
朝まで眠れないほど苦しむ日が増えた。

アレルギーの検査をすると、ハウスダストとダニの数値が５段階中４レベルだった。
遂に、ステロイドを飲むほど発作が起こるようになった。

最近は短気でですぐ怒ることも増えた。
いつも口をあけてボーっとしている事も多いし疲れやすく
すぐゴロゴロと横になりたがっていた。

私は思春期特有のものなのかなとか思っていたけど
自分が鼻が悪くなってどれほど息子が辛かったかよーーーく分かった。

薬は増えるばかり。。
どうしたら良いのだろうとネットを検索してみた。

すると空気清浄機が良いと出ていた。

空気清浄機はたばこを吸う家の人が使うものと決め付けていた。
でも今の清浄機はホコリからハウスダスト、ウイルスまで吸ってくれると
書いてある。

『これだ！！！』なんで早く気がつかなかったんだろう。

その日のうちに会社の帰りに電気屋により８キロもある清浄機を
自分で運んで帰った。

家に着いて早速点けてみると『ボボボボーーーーーーー』っと凄い勢いで
動き出した。

いつも、朝はホコリを拭いていかないとテレビも机も真っ白になってしまうのに
その日は全然大丈夫だった。

うちはカーペットが敷いてあって、古くなって異常にホコリがたってしまう様になっていた。このカーペットが駄目なんだろうと
気がついていたけれどフローリングにリフォームできるはずもなく
仕方ないんだと諦めていた。

ふと閃いた。そうだフローリング調のビニールカーペットはどうだろう。

今日は家の家具を全て片付けて、ダニアースをカーペットに吹きかけ
ホームセンターに買いに出かけた。
ホームセンターの人に部屋の間取りを見てもらって、ぴったりのサイズにカットしてもらえた。

居間全体なので、かなりの大きさになった。
家に帰り、お兄ちゃんと２人で必死にやった。

部屋は、見違えるようにきれいになった。
元夫が置いていった壊れた馬鹿でかいコンポも物置にしまった。
元夫が貼っていたお気に入りのポスターもみんな外した。

すっっっっきり！。
フローリングもどきの床に買ったばかりの座椅子をふたつ。

元夫と暮らしていた頃、物を買うことが恐かった。
いつ借金がでてお金を持っていかれるかわからないから
余分に使ってはいけないと思い込んでいた。

だから電気製品もマット一つ買うのも凄く悩み、結局諦める事も
当たり前の事になっていた。

でももう誰も無断でお金を持ち出す人はいなくなった。
自分で使える分を予定できる。

そう思ったら清浄機もカーペットも予算で満足いくものを手に入れることが
できた。
買い物をする事に罪悪感も感じられなかった。

あー良かった。
模様替えは楽しいって初めて感じた。

カーテンも素敵なのが売ってたなぁ

これで少しでもお兄ちゃんのハウスダストアレルギーが治まると良いな。

引き金

『養育費の支払いが数ヶ月分遅れてすみません。
なるべく早く払うのでもうしばらく待ってください。
ここ数ヶ月いろんな事があり精神的に参っているので
面会はしばらくお休みさせてください。』

。。。。。。って、いっつもいろんな事が起こるんだね。
私は離婚してから子供が熱を出したくらいの事しか起こってないけどね。

今でも一緒にいたらそのいろーんな事に巻き込まれていたのかなって思ったら
ぞっとした。

今年の初め、まだ私は離婚に踏み切れずにいた。
去年の年末にしかもクリスマスパーティを始めようっていう直前に
またまた車を担保に借金をした事を告白されたにもかかわらず
私は元夫に「離婚」の二文字を突きつけることができなかった。

いつもそうだった。
元夫にこっぴどく裏切られるたびに、もう駄目だって心は悲鳴をあげて
いるのに別れを考えると生身を引き裂かれるほど辛いと感じて、
恐くて、いろんな理由をつけては許す逃げ道を探していた。

許すとまた猜疑心と怒りの生活が始まり
『なんで、あの時別れるって言わなかったんだろう』と後悔していた。
『また、何か問題を起こしてくれないだろうか。その時こそ別れるんだ』と心の中で固く誓うのに問題が起きるとまた同じループに嵌ってしまうのだった。



「そうだ。お前ら母子家庭になれば良いんだ」

あの時元夫はそう言った。
フランチャイズが上手くいかず私も働きに出ることに決めた。
あーちゃんを市の保育園に入れようとしたら、元夫は友達と雇用契約を結んでいないし、フランチャイズの権利も買っていないから無職なので、市の保育園に申し込みは出来ないと言われた。

私は元夫にそれなら友達と雇用契約を結んで欲しいと頼んだ。
すると元夫は「友達に一度断られているから駄目だ」と全く取り合ってくれなかった。

そしてのんきに「フランチャイズの１００万でも払うか」と言ったのだ。
そのときはすでにやる気もなくなっていて、雨が降ったと言っては休み、
風邪を引いたみたいだと言っては家でゴロゴロしていた。

そんな状態でまだフランチャイズをやるのか？
今、あーちゃんを保育園に申し込む為にフランチャイズは休んで
仕事を探してはくれないか。と聞いた

すると「また、頭下げて探すのかぁ？困ったなぁ。いい方法がないなぁ。そうだ！お前ら母子家庭になれ」と言ったのだ。

この人は子供１人保育園に入れる為の努力すらしてくれないのか。
自分は何一つ考えもやりもせず、私達を犠牲に逃げ道を探そうと言うのか。

この人はいつも家族を守るとか家族が全てと言っていながら
全てを私に背負えというのか、しかも子供にまで背負えと言うのか。

頭の中で何かが弾けたような。
心の防波堤が壊れて水が溢れるように
「もう、良いよ。別れましょう」と言葉になったのだった。

その瞬間の爽快感と言うかお腹の中に何かが芽生え始めたような
感覚を今も忘れる事はできない。

友達に『なんで、離婚したの？』って聞かれると
『お前ら、母子家庭になれって言われたから』と応えるとみんな変な顔をする。

他の人にはわからないかもしれない。
でもあの一言がなかったらきっと私はまだ一緒にいたような気がする。

最後の引き金を引いてくれた元夫に私は感謝している。
別れてくれてありがとうと。。。

何だかねぇ

いつも、同じこと言ってるんだけど
またまた電話の解除通知が届いた。

また送り返すかと思ったんだけど
どうして電話会社に電話して住所変更しないんだろう。

また私から連絡が来るから良いとか思ってるんだろうか。

結局、これも尻拭いなのかなって思った。

お兄ちゃんに「最近お父さんに会ってないけどどうする」って聞いたら
「考えとく」って言ったままなぜか返事がない。

会いたいって言わないからそのままになっちゃってるんだけど。。。
養育費も滞納されたまま請求する気にもなれず。

養育費も、最初はもらうつもりがなかった。
離婚するとき元夫は無職だったし、なんだか元夫には払えないだろうって
決め付けちゃってた。

相談員の人に言ったら
「お母さん！無職だから払えないって事はないでしょ。養育費は払うものなんだって認識してもらって、少し多すぎるくらい要求してそこから減額して行けばいいんだから。」と叱られた。

そうだなぁ。って思って１番高い金額を元夫に提示してみた。
すると元夫は「その金額でうんって言わないと納得しないんでしょ」と言って
元夫は協議書に一番高い金額で判を押した。

最初の２ヶ月は順調に払ってたけど、就職した会社が給料が滞納されているとか
潰れそうだからとか言って滞納し始めた。

やっぱりって言うかこの金額じゃ無理がありすぎるって思っていた。
いつも元夫は言われた通りにしか行動しない。

私が「こうして」と言えば
「じゃあ。そうするか」と言う。
「出来るの？」と聞けば
「やるしかないだろ！あんたがやれって言ったんだ！」と怒鳴り散らす。

そうして簡単に受け入れてやり遂げられた事がない。

私が悪いのかな？
私が元夫にやれない事をやるように仕向けているんだろうか。

友達が「その金額じゃ今の元夫さんには無理でしょう。自分の暮らしもあるんだし。」

「でもね、この金額が払えないなら払えるだけでも入れようとか
今はこの金額じゃ無理だから少し下げて欲しいとか言ってくるもんじゃないの？
この金額が払えなきゃ、ゼロっていうのが分からない。」

「私の男友達も離婚して養育費払ってるけど、決めた金額が払えそうもない時は
入金しないって言ってた。プライドがあるから減額してとか決めた金額より少なくいれるとか出来ないんだって。元夫さんもきっとそうだよ。
ちっこさんから減額しようかって声かけてあげたら良いんだよ。
全然入らないより、少しでも入ったほうが良いんだからさ。」

「私から言うの？あの人はいつだって安受けあいして何でもほったらかし。
結局周りからどうするの？って声かけるまで何にもしないんだよ。
そして私が減額する？この金額にする？って聞くと
じゃあ、そうするか？お前が言ったんだからって言うんだ。

結局私に最後の決断をさせて、責任はお前だって押し付けるんだよ。
それが凄く悔しいし、嫌だ。前とちっとも変わってない。」

「なるほどねぇ。でもこのままじゃ、ちっこさんだって困るでしょ？
バイトだと思ってさ。声かけてみたら」

友達の言う事はすごく良く分かる。
割り切っちゃえば良いんだとかって思う。

でもねぇ。なんだかもう元夫と話し合うとか
メールで長々とやりとりするとか気力が湧かないんだよね。

離婚するときはまだご飯くらいならたまになら食べられるかなって思ってたんだけど、今は会うことも声を聞くことも苦痛に感じちゃうんだよね。

どうしちゃったんだろ。私。。。

希望

悩むって事は

希望があるって事だよね。

秋雨

紅葉の葉を揺らしながら

パラパラと雨が降っている。

地面にできた水溜りが

どんよりと曇った空を映し出す。

ベランダの窓におでこをつけて、外を眺めていたあーちゃんが

「あ！お父さんと同じ車だ。うふふ。お父さん、だーい好き」と呟いた。

あーちゃんの誕生日に届いたのは携帯から５歳だねっていうメールだけ。

あの人にはきっと聞こえないだろう。
あの人にはきっと見えはしないだろう。

父を想い窓の外を眺める小さな背中など。。。

外はパラパラと雨が降っている。

冬が近づいている。

勉強しなさい

「勉強しなさい」って子供に言いたくない。

息子は一年生になってから毎日勉強している方だと思う。
こ○ちゃれんじもずっとやっていて、テストだって欠かさず
提出して、もらったシールを集めて時計や鞄だってもらった。

でもテストに結果が現れた事はない。

最初は結構うるさく勉強、勉強と言っていたけれど
自分からやる気にならないと駄目だなと感じて
１日１回「今日は何時から始めるの？」と聞いて
本人が「○時から」と言えばその時間まで黙ってみていて
「○時だよ」と声をかけると勉強をする。

本人も自分の決めた時間だから苦もなく机に座れるようで
ずっとこれで上手くいっていた。

たまに答えを丸まる写している時もあるけれど
それでも毎日机に座って、分からないところは私も教えたりしてきた。

５年生を過ぎた頃から難しくなって息子もだんだんやる気を失っていった。

声をかけてもなかなか机に座らない。
テストも溜まって「○れんじ止める？」と聞くと
「違うのをやりたい」という。

塾は？と聞いたが
「塾だけは絶対に嫌だ」と言う。

ドラ○ミにするというので取り寄せて始めたけれど
最初からペースも遅くテストも溜まるばかり。

それでも毎日はそれなりに机に向かっているけれど
やっぱりテストに結果は出てこなかった。

どうしてこんなに頑張っているのに結果に現れないのだろう。
ずっと考えていた。

勉強にも向き不向きがあるのだろうか。

私は勉強が出来なかった。
勉強をしなさいとも言われなかった。

通信簿も見せても何も言わずいつも机に置きっぱなしだった。

勉強をしないからどんどん遅れて授業も分からない。
分からないと退屈。
テストもいまいち。

結局私は新学校より商業高校を選んで早く働く道を選んだ。
今でも商業を目指し就職できた事は良かったと思っている。

そう思えば息子だって勉強だけが全てじゃないとか思えるけど
この成績のまま中学へ行って良いんだろうかと悩む。

最近は特にやる気がない。
テレビやゲームをダラダラとやっている。
外でも遊ばない。

今日で５日間なにも言わずに我慢してたけど
プールさぼって友達と遊んで、それでダラダラとテレビを見ている息子をみて
久しぶりに「もう！やる事しないなら、友達とも遊ぶの禁止。今の範囲まで
問題集追いつくまでゲームも禁止！」って言っちゃった。

あーあ。
勉強しろって言いたくない。。。
ジレンマだーー。