トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

暴走

2006-10-29 18:31:34 | 子供
「ただいま」と元気のない声で息子が帰ってきた
ソファにドサッと倒れこむように転がってテレビを見出す

今日も友達はゲームを返してくれなかったんだなと思った

「あーーーー。ゲーム戻ってこないよー」と大きな独り言を呟く
あーちゃんが「兄ちゃんあそぼ!あそぼ!」と纏わりついている事も
煩そうに押しのける

あーちゃんがぎゃーぎゃーと「あそぼう!あそぼう!」と叫ぶ
「うるさい!」と部屋が揺れるほど大声で怒鳴って部屋に閉じこもる

あれからいろいろ試してみた
でも相手が認めない以上待つより他なかった

息子のこの様子を見ているうちに私はあっという間に息子と一体化してしまった

息子の苦しみが私の苦しみとなり、最初は息子と考えていた作戦を
いつしか私が主導権を握って
「今日はあーしてみなよ。」「今度はこうやって言って脅かしてやれ」とせっつくようになっていった

そしてセーブしていた共依存の癖が出て相手の男の子をコントロールしようと
しだした
こうやって追い詰めれば白状するんじゃないか
こうやってやれば反省するんじゃないか

もう私の暴走は止まらなくなってしまった

そんな私の息子への進入が息子を追い詰めているとは全然気がついていなかった

毎日家の空気が暗くて荒んでいる事が私には耐えられなかった
ちょっと待つと言う事が苦手ですぐに結果が出ないと満足できなかった

息子の荒れた様子もゲームが戻ってくれば解決するんだという思い込みに取り付かれてしまった

本当に私の回復はあっという間にスリップしてしまう

遂に息子は「あの子もあいつと遊んでいて盗られたって言ってた」
「4年生のあの子も盗られたって言ってた」と言い出した

最初は「やっぱりそういう実績があったのか!」と息子と2人して鼻息荒く
その子の事を話していたが途中から話がかみ合わなくなってしまった

おかしいな?と感じて「ねえ。その話は本当の話?お兄ちゃん作り話してるんじゃないの?」と聞いた
「嘘じゃないよ!本当なんだ!それに隣のクラスにも噂が広まってもうみんな知ってるんだから!」と言う

「お兄ちゃんがみんなに言いふらしたんじゃないの?」
「違うよ。みんなが言ってたんだ。みんな!!」

ドキドキと心臓が鳴って止まらない
私は大きな間違いを犯してしまったんじゃないか・・・

急に不安になってしまった
冷静に聞くと息子はあっさりと「他の子も被害にあっていると言うのは嘘・・・」と言った

「お兄ちゃんはありもしない事を他の子に言ったんじゃないでしょうね。事実に嘘をつけて話を作ったら本当の事も信じて貰えなくなってしまうんだよ」

「うん。」しょんぼりして息子が頷く
懇々と説教をすると息子は物も言わずにそのまま疲れたように布団をかぶって寝てしまった

がっくりして子育て掲示板に相談してみた
「あなたがお子さんの気持ちを増長していませんか?子供と同じ土俵に降りていませんか?」と指摘を受けた

頭から水を浴びせられたように目が覚めた
私がする事は息子の怒りを逃してやることだったんじゃないか

「はぁぁぁぁぁ」やってしまった。全く何をやっているのだろう
猛反省である。

次の日の朝息子が夫に「あの子の家に電話して」と頼んでいた
夫も息子と一体化しているから「よし!怒鳴りつけてやる!」と意気込んでいる

「ちょっと待って・・・。もうあちらのお母さんにも話したしこれ以上は待つしかないんだと思う」

「何言ってんだ!あいつが盗んだ事は明白だろう」と夫はイライラとしながら言った
「でもね。証拠がないんだよね。盗んだ所を見たわけじゃない。あの子の他にも
友達が来ていたんだし、相手に濡れ衣だ!泥棒扱いされたと騒がれたら傷つくのは
お兄ちゃんなんだよ。こうやって毎日、お兄ちゃんがこの事に囚われて怒りに
押しつぶされそうになっている事の方が私には心配なんだ。」

「そんな野放しで良いのかよ」

「だって毎日あの子に会うのはお兄ちゃんなんだよ。これ以上騒いでお兄ちゃんが二重に傷つくほうが心配だよ」

夫は納得行かないようだったがそれ以上は言わなかった

お兄ちゃんが黙って聞いていた
私は「お兄ちゃん。事実はあの子と遊んでいてゲームがなくなった。それしかないんだよ。盗んだ所を見たわけじゃないし、あの子の家から見つかったわけでもない

お母さん、お兄ちゃんが話を作ってまでもゲームを取り返したかった気持ちよく分かったから。お兄ちゃんがゲームがなくなって悔しい気持ちも良く分かったから
でもこれ以上深追いしたら反動でお兄ちゃんも傷つくことになると思う

ゲームはまたお小遣いを貯めれば買う事もできると思う
どうする?どうしたい?」

じっと私の目を見つめていた息子は
「わかった。お小遣いを貯めてもう一度買う」と静かに言った

息子はその後全くゲームの事を口にしなくなった
吹っ切れたようにあーちゃんと転げまわって遊んでいる

私の回復は行ったり来たり。
反省。反省。の週末だった

今日も聞いてくれてありがとう







知りたくない

2006-10-26 20:12:08 | 元夫婦
ある朝 夫が仕事に出かけている間に友達と趣味の手作りをしていた
すると電話がなった

出てみると低い声の男の人で「○○さんはいますか?」と夫の名前を言った
男の人の後ろでは同じように電話を掛けている声が聞こえた

心が凍りついたように痛くなった
「今、仕事に行ってます」
「仕事ですかぁ。分かりました」と電話が切れた

異変に気がついて友達が「どうした?」と聞いた

「わかんない。男の人がお父さんいますかだって・・・」
「借金取りか?」と鋭い指摘をする
「まさか!」と言葉を濁した

昼を過ぎてまた同じ男の人から掛かってきた
「○○さんいますか?」
「さっきの方ですね。どちら様ですか?」
「■会社です」聞いたことのない会社だ
「どういうご用件ですか?」
「いえ。またかけます」と切れた

心が震えて止まらなかった
友達が「また同じ人?」と心配そうに聞いた
「うん。恐い。なんだろう。■会社だって」思わず本音を漏らしてしまった

友達は痺れを切らしたように「パソコンで調べてみなよ」と言った
友達に背中を押されるようにパソコンに名前を入れて検索してみた
金融会社だったら。怪しい会社だったら。。。
祈るように画面を見つめた

ヒットした
なんとセキュリティー兼用の探偵みたいな会社だった
「なにこれ?お父さん探偵でも雇ったのかな。ちっこ疑われてるの?」と友達

冗談!疑っているのは私の方だよと心で叫んだ
「なんだろうね。。。意味わかんないね」途方に暮れた
「旦那に聞いたほうが早いよ」と友達は笑いながら言った

そうだね。と言って夫にメールした
夫から電話が来て「あー!!ずっと前に探偵会社独立しませんかの資料請求したんだよ。今頃かよ!!」と大笑いで答えた

へなへなと緊張が緩んでいった

夫が研修で地方に出かけて行った
夫がいつもタバコを吸っている部屋を掃除していた
新聞を纏めていると一枚のメモが出てきた

チラッとみると見慣れない会社の名前と車の修理だと言って持って行った
お金と同じ代金が書いてあった

心臓が早鐘のようになって苦しくなった
車の修理はもう絶対嘘だと分かっていた
こうしてはっきりと疑惑が現れると私は平静を保てない

うろうろと家の中を歩き回り意を決してまたパソコンに会社の名前を入れてみた

ヒットした。
そこにはファッション会社の名前が書かれていた
そのホームページを良く見ると夫が行っている場所で営業スキルアップの講習会の案内が書かれていた

夫は自分のフランチャイズの講習会の他に別の講習会も受けるつもりだったのだろうか?
それならなぜ?修理代などと嘘をついたのだろうか?
本当にそのためのお金なのだろうか?

意味不明。。。
真実は夫のみが知っている
確かめる気がしなかった

昨日、電話が鳴った
ナンバーディスプレイに見慣れないナンバーがでた
私は鳴り続ける電話を見つめたまま受話器をとる事が出来なかった

「もう。何も知りたくない」そう思った

何も知らなければ心は穏やかでいられる
夫のタバコの部屋ももう入りたくなかった
用事があっても必要な物だけ取ったら急いで部屋をでた

何かを知ってもう振り回されたくない
何かを知ればたとえ小さなメモでも一喜一憂して私は心が潰れそうになる

もう耐えられない
それなら何も知らないほうがいい

知らずにいれば夫に笑顔で「お帰りなさい」も言える
怯えに負けて子供に当り散らす事もない

私はまだ強くない
知らずにいる事で何かが悪い方向に向かっていくのかもしれない
でも知ったとしても物事がいい方向に向かうとも思えない

私は知らずに流れるままに行き着くことを選ぶことにした
心穏やかに自立を目指したいと思った

今日も聞いてくれてありがとう






付き合うよ 2

2006-10-23 11:27:41 | 子供
お友達は息を切らせてやってきた
「いやー。まだないの?俺も今帰ってきて母さんに聞いて探しに来たんだ」
そう言って息子の部屋に入ると探し始めました

「○○君は最後何処に置いたか覚えているかな」
「えーっと。この辺かな?」

「この辺って机のところ?」
「いやー。机って言うか・・・この辺」
「じゃあ。この棚かもしれない?」

「いやー。机の・・・・この辺」と何度も机の天井を指差してぐるぐると手を回してしどろもどろに説明しだす。

「そうだ!机の裏に落ちてるんじゃない。一緒に机をどかしてみよう」
「うん!そうだね!そうしよう」と息子は友達が来てくれた事を心底喜び
きっと見つかると信じているようだった

2人で重い机をガタガタとずらし始めた
「あのね・・・。みんなが帰った直後にもうなかったの。だから机の後ろにはないんだよね」

「そうですか・・・・。でも探してみます」

もしかしたら隠して持ってきてこっそり置くつもりなのかもしれないと
そのまま2人にさせて様子を見ることにした

暫くしてもう一度部屋へ行って見るとまだ必死に探していた
「ところで○○君。朝お兄ちゃんが電話してすぐ来るって言ってから
今まで何処にいたの?おばさん心配したんだよ」と言うと

「へ?電話なんて来てませんけど」ときょとんとした顔をした

突然息子が慌てたように
「もしかしたら間違え電話掛けちゃったかもしれない」
「え?朝電話して○○君でたって言ってたじゃない。ゲームの事聞いたら
すぐ来るって言ったんでしょ」

「えー?僕の母さんの携帯しかないから、朝はお母さん電話にでないんだよね。
その声僕の声だった?」急に生き生きと息子に詰め寄る○○君

私も訳が分からず「どういうこと?」と聞くと
「あれは間違い電話だった。間違ってかけっちゃったんだ」と焦りまくっている

私はまた違う問題が表れたんだと悟った
○○君に「今日はもう遅いから、お母さん心配してるしもう良いよ」と言った

○○君は「じゃあ。また明日探しに来るよ。明日はあの時いた■■君の所にも行ってみよう。」そう言って丁寧にお辞儀をして帰って行った

○○君のお母さんに見つからなかったこと、今帰ったことを伝えて電話を切ると
息子がいつの間にか側に来て
「怒ってる?」と聞いた

「何を?」
「電話に出たって嘘ついたこと・・・」

「電話に出た事も嘘だったの?なんでそんな嘘を・・・・。だってお兄ちゃんの話じゃ○○君が電話に出てあったのに嘘ついたみたいに言ったじゃない
その上来るって言って来ないなんてなったら益々○○君が怪しくなってしまうんだよ。おまけに帰って来ないとなったらお母さんだって心配してそれで○○君のおうちまで電話して・・・・・

お兄ちゃんこの嘘は本当についちゃ駄目な嘘だよ
お兄ちゃんが先に嘘ついちゃったら、もう○○君には本当の事を聞くことができないよ。
ゲームも帰ってこないよ。
いったいどうしてそんな嘘をついたの?お母さん理解不能だよ」

「だって。。。。怒られるのが恐かったんだ!!お父さんが電話したか!?
電話したか!?通じるまでかけろ!!ってまた通じなかったらどうしようって思ったら恐かったんだ」と泣きだした

あの朝の夫の興奮状態だと息子の恐かった気持ちが良く分かった

自分で起こした問題は自分で責任負わなくちゃいけない
嘘をつくとどうなるかは息子も身をもって知らなくちゃいけないだろう
そう思った

「お父さんも○○君が来ると思って逃げたと思い込んでるよ
お兄ちゃん自分のついた嘘の尻拭いは自分でしなくちゃね。
お父さんに自分で言いなさいよ」

息子は真っ青な顔をして大きな目から涙をポロポロと流して
「またつまみ出されちゃうかな・・・恐いよ・・・」と泣いた

「仕方ないよ。自分のした事は自分に返って来るんだよ」
「うん。うん。」とがっくりと首を垂れて頷いた

じっと息子を見ていた
怒鳴り散らす夫に怯えながらどうか電話がつながりますようにと
祈るように何度も電話を掛け続けた息子の姿が目に浮かんだ

ふっと肩の力が抜けるような気がした

「お母さんさ。そんなにお兄ちゃんを恐がらせていたなんて、悪かったなって今思ったよ。ごめんね。分かった!!お父さんに電話の事は黙っていよう」

「え?良いの?そしたらお母さんも悪くなっちゃうよ!」信じられないという顔をして私を見る

「良い!!お母さんはお兄ちゃんの嘘に付き合うよ。2人で内緒にしよう」

夫は仕事から帰って「あいつ来るって行って来ないで何やってたんだ!?」とカンカンだった
「忘れてたんだって」とごまかした

夫は「益々あいつ怪しいな・・・」とか言っていたが
私が「○○君のお母さんとも話したし、これからは気をつけて見てくれるだろうしこれで少し様子を見てみるよ」と言うと元々ゴタゴタが嫌いな性格だから
納得してくれた

それから息子とお友達からどうしたらゲームを返して貰えるか作戦を考えている

話せば話すほど○○君が持っていってしまったんだと思った
息子は落ち着かないらしく何度も何度も私に作戦を考えようとせがむ

「良いよ。何度も考えよう。でもね○○君も此処まで嘘ついて隠し続けたら
ごめんねって言って返すのに時間が掛かるよ。お兄ちゃんが嘘ついていた事を
恐くて言えなかった様に○○君も恐くて言えないんだよ

本当に困らないとごめんねして返そうっと思わないかもしれない。」

「じゃあ。俺はどうしたら良いの?」
「一緒に考えよう。お母さん付き合うから。お兄ちゃんのゲームがどうしたら帰ってくるか。○○君がごめんなさいがどうしたら言えるか一緒に考えよう」

今朝も息子はため息付きながら学校へ行った
今日はあの日の2人を連れてきて一緒に探してもらおうという作戦を
遂行する事にした

見つかるまでどれ位掛かるか分からないけれど、いつもは面倒くさくなったり
問題が大きくなったりするのが嫌だったり、いつまでもグズグズいう息子に

家の雰囲気や夫の機嫌が悪くなるのが嫌で
「うるさい!!あんたも悪いんでしょ!
そんなもんいつでも買ってやる。もうその子達と遊ぶな!」と言って
問題をすぐ解決しようとしていた

今回はじっくり見つかるまで粘ってみようと思う
息子と作戦を考えるのもなかなか楽しい

お兄ちゃんは1人じゃないよ。大丈夫!!元気出せ!!

今日も聞いてくれてありがとう

付き合うよ

2006-10-21 21:12:05 | 子供
「お母さん。僕のDS知らない?」

「知らないよ。自分で仕舞ってから習い物に行ったんじゃないの?」

「行ってない・・・ないよ!!ない!」

まただ・・・・
息子が習い物に行く前に友達にDSを貸して遊んでいた

習い物に行く時間になってみんなでぞろぞろと帰って行った
その後すぐあーちゃんがDSで遊びたいと息子の部屋を覗いたが
DSは何処にもなかったのだ

私は息子が隠して行ったのだと思っていた
息子が帰ってくるまで誰も息子の部屋には入らなかった

と言う事は。。。
今日来た誰かが持っていってしまったのだ。

一応部屋を探したけれど当然見つからない
息子にいろいろ聞いたけれど、最後に貸していた友達がどこに置いたか
記憶にないと言うのだ

いつもはあーちゃんがどこかへ隠してしまったんじゃないかとか疑ってみるけれど
今回だけは誰かが持っていったとしか思えない

今日来た友達は一ヶ月くらい前から毎日うちにくるようになった
2人組みの友達だった

とりあえず最後に使っていたお友達に間違って持っていっていないか
電話してみた
その子は「知らない」と言った

息子に「明日、うちに来てもらって一緒に探してと声をかけてみてごらん」と言った

もう1人の子にも電話してみたが「わからない。自分はずっと違うゲームで遊んでいたから」と言う

聞けば聞くほど最後まで使っていたお友達が怪しい。
とにかく明日まで待とうとなった

今日は私は朝から資格講習で出かけなければならない
ゲーム機がなくなった事を夫に伝えておかないといけなかった

夫に友達が持っていってしまったらしいと告げると
案の定もの凄い形相で怒り出した

「お前がちゃんと持ち物を管理していないからだ!いますぐ呼べ!二人を呼べ!
同罪だ!俺が聞いてやる!!」と朝の7時から怒鳴り散らした


だから言うのが嫌なのだ
夫はとにかく人から害を及ぼされるともの凄い攻撃を始める
レストランでもメニューを間違えた店員をまるで鬼の首を取ったかのように
攻め立てて結局その店に2度といけなくなった事も1度や2度じゃない

「ちょっと。落ち着いてよ。子供だからそんな風に追い詰めたら返せるものも
返せなくなっちゃうよ」

「そんな甘い事言ってるから駄目なんだ!兄ちゃん!今から電話しろ!」

「こんな朝早くからしなくてもいいでしょ。どっちかが持っていったとしても
どっちかは持っていっていないんだから」

「まったくお前の連れてくる友達はそんな奴ばっかりだ。土日でも連れてきやがって、休む事も出来ないじゃないか。お前もなんで良く見てねーのよ。何万もして買ったばっかりの奴じゃないか!!」
興奮して手がつけられない

「とにかく落ち着いてよ。お兄ちゃんと今日は遊ぶ約束になっているんだから
3人で最後に何処に置いたか話しているうちに返してくれるかもしれないよ」

夫は渋々朝の9時まで待つといってまた寝た

息子は夫の姿にすっかり怯えていた
そんな息子に後ろ髪を引かれながら
「とにかくお父さんと相談して、お友達とも一緒に探してとお願いして
家に来てもらいなさい。」と言って家をでた

勉強中も落ち着かなかった
途中メールが入っていた。

「1人が今すぐ行くといってまだ来ない。もう1人は喘息になったと言って
来ない。怪しくないか?」

はあああ。凄く憂鬱だ

重い足取りで家に着いた
夫は急に仕事が入って出て行ったばかりだった

息子に「どうだった?来るって言ったお友達は来たの?」と聞くと

「来ない。。昼に会いに行ったらお母さんが出てきてまだ帰ってきてませんって、
もう1人のお友達のところにも行ったら友達が出てきて探したけどなかったって言われた」

「そうか。。。来るって言ったお友達は自分の鞄の中にもなかったって言ってたの?」

すると息子が突然
「あいつ、怪しいんだ。ゲームあった?って聞いても全然返事しないんだ
嘘ついてるのバレバレなんだ。すぐ来るって言っておいてまだ来ないし!」と興奮しだした

それは怪しいと私も思った
もう一度電話してみた
するともう五時近くなのにまだ帰っていないと言う

もしかしたら返すのが恐くなって帰れないんじゃないだろうかと
違う不安がもたげてきた
息子に電話を変わってもらいその子のお母さんと話をした

「昨日うちに来てみんなでDSのゲームで遊んでいたのですが、みんなが帰った後に無くなってしまいまして、息子の持ち物の管理が悪くてお恥ずかしいんですが
もしかしたら間違ってお子さんの方に入っていないかと思って朝電話をしたら
すぐ来るよと言ったまままだ来ないんです
それでちょっと心配になって電話をしたんです」

「そうですか・・・。まだ帰ってないんです。帰ったら電話させます」
「本当にすいません。もし良かったらお母さんも一緒に見てあげて貰えませんか
お手を煩わせてすいません」

「はいはい。判りました」と言ってくれた

それから1時間ほどして
「息子が帰ってきて2人で探しましたがうちにはありませんでした。
これから息子をそちらに向かわせましたのでそちらでも聞いて見てください」

丁寧に詫びて電話を切った
はっきりお宅の子が盗ったとは言えないしもう1人も来ていたし・・・
こういう状況は本当に嫌だ

息子は今までにも何度も物を盗られている
息子も友達のカードを盗ってしまった事があったけれど、それ以上に
盗られる事も多い

夫が息子の選ぶ友達が悪いというのも判るのだ
でも最初っから怪しんでいたのでは誰とも友達になれないじゃないかと思っていた

類は友を呼ぶなのか・・・・

そして玄関のチャイムがなってそのお友達がやってきた
(続く)

悲しいかな

2006-10-19 20:34:00 | 元夫婦
夫からメールが来た

「お母さん。いつも遅くまで帰れなくてごめんね。あーちゃんの誕生日には時間を
作るから。いつもありがとう。頼りにしてるからね!お母さん」

「お父さんもいつも遅くまで大変だね。私も頼りにしているよ」と返事を送った

悲しいかな・・
このメールに私の心は動かない

夫は家を出る時に友達の修理代だといってお金を持っていった

借金発覚前にも何かでお金を持ち出す時決まって夫はこう言った
「お母さん。ありがとう。お母さん大好き。お母さんがいるからこの家は
安泰なんだよ。お母さんが頑張っているおかげだよ。本当にありがとう」

私はいつも思った
きっと、夫は今度こそ私の気持ちをわかってくれたはずだ
きっと、もう嘘をついたり、家族を苦しめたりしないはずだ

こんなに私に感謝してくれているのだから・・・

でも私の期待はいつも裏切られた

もう夫のどんな言葉にも心が反応しなくなってしまった
そんな風に思う自分を恥じた事もあった
でも今はそれでも良いのかなと感じている

全てを信じられなくなったわけじゃない
夫は毎日深夜まで準備に追われている

どんなに疲れていても、眠くても息子が行く時間には起きて
息子が学校へ行く前に必ず一言でも声をかけてからまた寝る

お金を渡す時に私は何も言わなかった

夫が「また貯金が減っちゃったね」と言った
「うん。そうだね。私は凄く不安だよ。」とだけ言った

「研修が終わったらバリバリ稼がなくちゃなぁ」と独り言を言っていた

夫が貯金の事を心配するなんて今までには絶対無かった事

いつでもお金は空から降ってきて、私がなんとかすると思い込んでいた人

私は夫が貯金や家計を気にするようになったその事に心が動く
嬉しいと感じられる

悲しいかな私達
でもそれが私達夫婦の形

私は夫が時々ポトリ。ポトリと落とす希望を一つずつ拾い集める

でもそれでポケットをいっぱいにはしないんだ
夫の事は左のポケット
自分の事は右のポケット

信用半分
愛情半分

そうやってその先がどうなるかはわからない
ただ夫婦としてまだ暫くやっていくだけ

まずはあそこまで行って見よう。
次はあの角まで行って見よう。

ずーっと先までは夢見れない夫婦
それが私達なんだと思った・・・

今日も聞いてくれてありがとう


気を抜けない

2006-10-17 15:51:10 | 元夫婦
「あーちゃん幼稚園に行く姿も見たいよね。」

「何で?願書を受け付ける当日になってそんな事言うのかな?」

「いや・・・。仕事しなくちゃって思っていて行かせてあげられないなら
可哀想かなと思ってさ。俺が仕事頑張るからさ」

「当日に言われてもね。もう何度も悩んだし、今やっている事もいける所まで
行ってみたいしねぇ。
もし、どうしても幼稚園に行かせてあげたいと思った時にはまた相談するよ」

「いやいや。良いんだ。お母さんに一任するからさ」

久々に腹が立った

夫はこうやって何かを決断する時、いかにも私に賛成しているかのように
振舞っていて、土壇場になって必ず「でも。」「だけど」とか
俺は一応反対もしたってスタイルをとるんだ

そして物事が上手くいかなくなった時の逃げ道をしっかり用意する
「俺は反対したんだから。」とか
「だから俺はこうしても良いよって言ったよね。」と・・・
そして最後の決断はお前がしたんだからと責任を押し付ける

なんて巧妙なんだろう

結局願書は受け取りに行かなかった

後ろめたさが残った
「本当に良いの?」とこの何日か悩んでいた

昨日夫が珍しく朝起きて話しかけてきた
「友達がさ、車を2年リースで借りられるって言うんだ。400万位のが200万位でリースできるって言うんだ。
400万の車に乗れるんだよ。うちもやってみない?」

「はあ?今年買ったばかりの車はどうするの?2年リースで借りたらその後はどうなるの?」

「買ったばかりの車は下取りしてもらう事もできるんだよ。2年たったらまた違う車をリースできるんだって。2年ごとに新しい車に乗れるんだよ」

「私はそんなリースなんてしたくない。あの車は大切に乗りたいんだよね。あれはお兄ちゃんの貯金も全て崩して買った車だから・・・」

もっともっと言いたかったけれど止めた

夫はそれ以上は言わなかった

そして今日夫は朝からやたらと甘えてきた
怪しいと思っていたら案の定
「実はお母さんに謝らないといけない事が。。。友達の車を動かして後ろのバンパー擦っちゃって弁償しなくちゃいけないかも」

「いくら?」
「まだ請求きてから」だって。

すぐ私の思考がこれは嘘か真かとすばやく反応する
でも、これも止めた

嘘でも真でももうどうでも良いや
そんな事に振り回されたくない

準備だ。準備を進めなくちゃ
絶対試験に受かって自立の道を見つけなくっちゃ
そう心に固く!固く!誓ったのだった

今日も聞いてくれてありがとう






父の記憶

2006-10-13 20:12:12 | 
「俺も忘れられない事がある」

黙ってチビチビお酒を飲んでいた実父が突然言った

週末実家に帰っていた
弟夫婦も泊まりに来ていて、お嫁さんと2人で飲んで楽しく話していた

実家の猫がなかなか懐かないねと話していた時
お嫁さんが
「私、小さい時に猫を拾ったんです。そしたらお爺ちゃんが凄く怒って
初めて殴られたんです。その時の痛さが未だに忘れられないんです」と言った

「えー!!お爺ちゃんが?恐いお爺ちゃんだね」
「それが、後にも先にもその時だけだったんです。ちょっと恐いくらいで
殴られる事はなかったんですけど。よほど猫がきらいだったんでしょうね。
忘れられないです」

「へえ。」と2人でビールを飲みながら話していると
突然父が横から話し出したのだ

「俺の祖母さん。ちっこのひい祖母さんだな。そのお祖母さんは町で1番綺麗だって言われるほどの美人だったんだが気性が激しくて、近寄りがたい存在だったんだ
その祖母さんに6歳くらいの頃理由が分からないんだが突然殴られたんだ

此処からあっちの端まで飛んでいくほど殴られた
そして叔父さんって言うのがまた気性が荒くて、羊が頭を摺り寄せてくる事に腹を立てて鉈で殴り殺してしまったんだ

そりゃー恐ろしい想いをしてきたんだ。
今でも何であの時祖母さんに殴られたのか分からないんだ。
忘れられないなぁ」とお嫁さんに語りだした

父は私には滅多に話をしないけれど、お嫁さんの前だと本当に
よく喋る

父のこの話も私が初めて聞く話だった

私は聞いているうちに気持ちが悪くなってしまった

74歳になった父が「なんで殴られたか分からないけれど、忘れられない」と言ったからだ

なんで殴られたのか分からない・・・

私は何であんたにあんなに無視されて、なんであんなに怒られたのか今でも分からないよ・・・と心の中で呟いた

そしてなんであんたが私達には話さないような事をお嫁さんにベラベラと喋るのかも分からない

父は遠い。
いつも遠い

父はいつも自分の事で手一杯だ
何か家族の中で問題が起きても父は絶対に母の話も、私達子供の話も聞かない

父が信頼しているのは自分の兄弟だけなのだ
父は母と話し合うということをしない
弟が引きこもりになった時も父は母とは相談せずに親戚達と相談していた

そしてただ「困った。困った。あの人があー言った。この人がこうしろと言った」としか言わなかった

自分の子供の事なのに母や私達の話など全く聞いていなかった
自分の進路の時も父は親戚に相談に行っていた
母と相談して私に話すことはなかった

父の意見を聞く事はなかった
父が私達にどうして欲しかったのか未だに分からない

前に母に話したことがある
「父との関係が薄すぎて、父に対して何も感じない。」と。。。
母は嬉しそうに笑っていた

父はやっぱりACだったのかと思った
けれど父の話を聞いてもやっぱり私はテレビのニュースやラジオを聴くよりも
何も感じなかった

だからなんだ?としか思えなかった

今まで父に対してなんの感情も持った事がなかった
嫌いだとか憎いという感情すら湧いた事がない

父の「何で殴られたか分からないけれど忘れられない」と言った言葉が
いつまでも頭にこびりついて離れない

とても苦いものを食べたような気持ちがする

今日も聞いてくれてありがとう





心配性

2006-10-12 19:44:06 | 子供
母はとても心配性だ。
息子が産まれた時
「あんた。絶対子供から目を離すんじゃないよ。家事なんて後回しで良いんだから。寝てからやれば良いんだから。
起きているからって放って置いたら駄目なんだよ。
何をするか分からないんだからね。死んだらあんたのせいだよ
絶対に泣かせっぱなしにしたり子供の事を後回しにしたりしちゃ駄目だよ」

母に言われるとどんな悪い事も的中するような気がして、
私は息子から目を離すことが出来なくなった

目を開けてじっと天井を見ているときも一人遊びをしている時も
私は息子から目を離すことが出来なかった
ただ息子が寝てくれるのをじっと待っていた

赤ちゃんだってある程度たつとそんなに寝てばかりはいられない
2時間や3時間だって起きていることもある
そんな時はイライラと寝てくれるのを待っていた

産後鬱になっていた私は息子を寝かせなければ何も出来ないと思い込み
眠らない息子にイライラとしてますます鬱が酷くなっていった

少し大きくなって来ると母は
「息子から絶対目を離すな」と電話をして来ては何度も何度も言った

「昼寝しているからって買い物なんか行っちゃ絶対駄目だよ。火事になって
死んだらあんたのせいだよ」
そう言われると恐ろしくて息子が起きるのを何時間でも待って買い物に出かけた

とにかく母は目を離しているうちの事故を凄く心配した
怪我などしようものなら
「あんたが目を離したせいだ。あんなに目を離すなと言ったのに」と責めた

「だって。もう3歳になったら1人遊びもするし、ちょっと目を放した隙に転んだりする事だってあるよ」と言っても
「友達と話しに夢中になってるからだ」と聞いてくれない

母に家に来てもらって子供と留守番をしてもらう時、外出から帰ると
ビックリするほど家が汚れている

食べたものもゴミもそのまま床に散乱していて本当に子供だけを目の前に置いて
後は何もしていない状態だった

去年の夏に弟のお嫁さんがお産で入院中上の子を母が預かっていた

お嫁さんの病院が我が家の近くで見舞いに来た帰りに家によった
母の姿を見てビックリした
母は孫から目を離す事が出来ず、ご飯も食べずにトイレも行かずずっと孫を抱き続けているのだという

膀胱炎になりかけて、腰も悲鳴を上げているようだった
疲れ果ててボロボロになっていた
見かねて一週間泊り込みで手伝いに行った

「少しくらい目を離していても大丈夫だよ。1人で遊んだりするのだって大事なんだからさ」といくら言っても
「目を離してなにかあったら私の責任だ。入院している間だけの子守なんだから
ご飯くらい食べなくたって平気だ」と言い張った

まぁ。お嫁さんから預かっている子供なんだから余計だったんだとは思うんだけれど・・・
それでも母の心配性は凄い

今は私の講習会の時の子供の留守番を心配している
「子供だけで留守番させるんじゃないよ。絶対駄目だよ」と言う

最初は夫が仕事の時はあーちゃんだけでも保育園に預けるつもりでいた

でも夫は土曜の予定はその日にならないと分からないという
都合を聞けばいつも
「呼び出し待ち」としか言わない

母は「あーちゃんくらいなら前の日にうちに置いていけば見ていてあげる」と言う
母は息子が苦手でいつも
「お兄ちゃんは何を考えてるのか分からん。大丈夫なのか?」と聞く

お兄ちゃんは普通の5年生らしく、声もでかくて、動きも激しく、姉の家の
子供が大人しい分、うちの子はめちゃくちゃに見えるらしい

お兄ちゃんは確かに1人でも留守番できるだろうけれど
「なんで?あーちゃんだけおばあちゃんちで俺だけ留守番なの?
俺、あーちゃんと留守番したい」と言う


そりゃそうだ。

「お兄ちゃんはあーちゃんと留守番したいって言うんだよね。だからそっちにあーちゃんだけは連れて行けない」と言うと
「じゃあ、お兄ちゃんも連れておいで」と言ってくれた
どうしても2人の留守番が心配らしい

私の資格試験に母まで巻き込みたくないと思っていたが
「今のところお父さんは休みらしいから、何かの時はお願いするね」と言っておいた

夫はと言うと
「そんな・・・全くお前の親は心配性だな。俺なんか7歳から夜10時まで毎日留守番してたぞ。昼間の4、5時間くらい2人で出来るだろう」と言う

私も出来ると思うけど・・・
母に言われると本当に予期できない恐い事が起こりそうな気がして
やっぱり母に預けた方が良いだろうかと悩むのだった・・・

11歳と4歳の留守番。
できる?できない?

今日も聞いてくれてありがとう


やり辛い

2006-10-10 17:19:38 | 元夫婦
夫が帰ってきてすぐ嬉しそうに私を手招きして部屋に連れて行った

「なに?」と聞くと
「1本だって」と指を一本立てた

「何が?1本なの?」と聞くと
「今日、弁護士の任意整理の話で電話があって、整理したらお金が戻ってくるって言うんだ。とりあえず今整理できた分、1本銀行に先に振り込みますってさ」

お金が戻ってくると聞いていたけれど10万とか20万とかそんなもんだろう
と思っていた
「100万だよ」と言う
「100万あったら少し生活の足しになる?」と聞いてきた

「うん。助かるよ。辞めてからいろいろかかってもう退職金200は使っちゃったからさ」と言うと
「えー!!!200万も使っちゃったの?」

「そうだよ、毎月に20万以上は掛かってるし、他にもいろいろあって・・・
お父さんに言えなかったけどちょっと困ってたんだ」

「他って俺の友達の支払いとか、弁護士とか入れて?」
「まあね・・・」

「そうか。それを入れて200万ね。それなら納得。生活だけで200も掛かったのかと思ったよ」とホッとしたように笑って慌てて
「あー。ごめんごめん。俺のせいなんだよね。でもこれで少し安心だね」

「うん。ありがとね。お父さんが頑張ったからだよ」

「頑張ったんだか何なんだかなぁ・・・・」とちょっと複雑そうに考えている

「だって払わなくて良いお金をせっせと払ってたんだからな・・・。払いすぎた利息が戻ってきたんだからさ・・・」

「そうだねぇ。要するにそれ以上の利息を払い続けていたって事だから・・・。グレーゾーンっていう金利がいかに高いかって事だよね。それに任意整理をした事でリスクも背負った事だし・・」

「そうだな。もうそのリスクで痛い目にあっちゃったしな」(保険会社の就職の事を言っているらしい)

こういう話は最近本当に苦手になった
前は鼻息荒く持論を展開していかに夫が無駄な事をしているかを話して
良い気分になっていたけれど、今はなんだかそういう気分になれない

長く話せば話すほど夫をコントロールしたくなってしまうのだ

今回の借金の問題は夫が自分で解決したんだと思って欲しいのだ
苦労して調べて足を運んで、この借金の問題で嫌な思いもしたんだと
胸に刻んで欲しい

そして手柄も夫が立てたのだと思って欲しい
そう思いながら話すからなんとも歯切れの悪い尻切れトンボの会話が続く

かといって「まぁ!100万も!?ラッキー!」とはしゃぐ気分にもなれない

あの辛かった日々を忘れる事はできないし、騙され続けた日々を水に流す事も出来ない

だから「お父さんが頑張ったからだね」としか言葉にならない

夫は「もしお金が振り込まれたら外食しようよ」と言う
「そうだね。ずっと外食してないもんね」

そしてまた2人で無言・・・・・・

「ほんとにごめん」と夫が謝った

「うん。もうこりごりだよ。」
それが精一杯の本音。

もうやらないでね。とかもう2度としないでね。とか
家族のためにとか。そんな言葉はなんの役に立たないことを私は骨身に沁みてしまった

本当はもっと喜んであげれば良かったのかもしれないけれど
硬くなった心はなかなかほぐれない。

でもお金が入ったら自分の古くなった靴を買い換えようとひそかに思うのだった
だってボロボロなんだもん

今日も聞いてくれてありがとう

会いたくない

2006-10-06 12:07:43 | 元夫婦
久しぶりにお昼ご飯を食べにフラッと帰ってきた夫

「めずらしいね。今日はお手伝いなかったの?」と聞くと

「午前中は別行動になったから」と言った

一緒にお昼ご飯を食べていると
「今日さー。あの○○さんの所へ行ってきたよ。ほらあの借りていたお金を返して来たから」と何でもない事のように言った

○○さんとは私のOL時代の友人
○○さんのご主人は夫の学生時代の友人

お互いが友人同士なので結婚してからは家族ぐるみで付き合っていた

ある時○○さんのご主人が自宅から馬券を買える権利を貰ったと言った
申し込みで抽選で選ばれるそうだ

「だから家からいつでも好きな時に買えるんだ」と自慢していた

○○さんのご主人も競馬ファンでよく私達は競馬場にも一緒に遊びに行っていた

道営競馬が始まると子供の遊び場も充実していてお弁当を持っていけば
大人も子供も遊べる良い娯楽施設だった

私はずっと夫の金銭トラブルには悩んでいたけれど、ギャンブルとは無縁だと
思っていたので競馬場へ行く事はなんの違和感もなかった

だから夫がたまに電話で○○さんのご主人に「悪い。今日のレースひとつ買っておいて」と電話を掛けるときもそれ程心配していなかった

ある日○○さんから電話が来た
「ちっこちゃん。うちの夫が小遣い足りなくなったから立て替えた馬券代
早く返してねって言ってたんだ。伝えてくれる?」と言われた

「え?まだ返してないの?分かった言っとくね」と慌てて電話を切った
恥ずかしくて本当に腹が立った

夫が帰ってきて
「○○さんが早く立て替えたお金返してって言ってたよ。早く返しなよ」と言うと
夫は
「うるせーな!返しに行ったら留守でいなかったんだよ!返しに行ったのに
いないやつが悪いんだ!」と言った

それからは何度か「あれ返した?」と聞いても
「だから返しに行ったけれどいなかったんだって!」と逆切れされる
もう何も言いたくなくなって放っておいた

○○さん夫婦ともそれっきり付き合いも途切れた

今春に夫の借金が発覚した時に私は怒りに任せて夫に言った事がある
「あなたは○○さんや他の友達からもお金を借りたでしょう。
それを結局返していない。あなたにとっては何でもない事でも貸した方は
返さないあなたを軽蔑していると思う
そういう事に平気な事事態、あなたの感覚は病んでいる」

夫は別れたくない一身からなのかとにかく全てを綺麗にすると言い出し
会社で借りた人や友達にも全てお金を返して回った
唯一残ったのが○○さんのとこだった

それを夫はようやく返しに行く決心がついたのだろう
○○さんは返しに来た夫を快く受け入れてくれて
「またこれを期にお付き合いを始めましょう」言ってくれたと嬉しそうに報告した

夫は早速今度の連休にご飯を一緒に食べようと計画しているらしい
私に「○○さんの都合を聞いてみて」と言う

「会いたくないな」と思った
夫にとっては返してすっきりって感じだろうけれど
私はなんだか会いたくない・・・・

最近私は昔の同僚や学生時代の頃の友達に会う事が
苦痛で仕方がない

今のママともには全く素の自分でいられるのに、なぜか昔の友達と
会うと過去の自分が引き出されて息苦しくなってしまうのだ

他にも転勤していた友達が帰ってきたけれどその友達にも会えずじまいでいる

どうしてそう感じるのか分からない
会わなきゃ。連絡しなきゃって思えば思うほど気が重くなっていく

友人が嫌いなわけじゃない
懐かしい気持ちもある

でもこのざわざわ感はなんだろう
夫に説明したくてもどう説明して良いか分からない

なんか良い断り方法はないだろうか・・・・

友達へのメールを書いては消して。消しては書いて。

今日も聞いてくれてありがとう