チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
地味に更新中^^;

ビジネス・ゲーム

2009-01-15 22:50:59 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「ビジネス・ゲーム」ベティ・L・ハラガン著 福沢恵子 水野谷悦子共訳
光文社知恵の森文庫です

勝間和代さん推薦の本書。

読み始めてまず思ったのは、適切な表現ではありませんが、
面白い、コレ!でした。
翻訳書なのに読みやすいのです。
これはきっと訳が見事なんでしょう。

さて、本書は女性が企業社会で生き抜くコツというテーマで書かれています。
多分仕事をしているワーキングウーマンなら常日頃薄々感じてることが、
はっきりと赤裸々に述べられているのです。

まず会社とは軍隊である。
その組織のピラミッドを「命令の鎖」と呼んでいる。
組織の中では、権威に向かって口答えすることはなく、
従順に行動しなくてはならない。

このピラミッドの中枢部分に入れるのは
「ライン」という営業や生産に直接関係したお金を儲ける部門。

ラインの他に「スタッフ」という部門がありますが、
こちらはピラミッドの飾りのような存在で
こちら側にいる限りトップになることはできません。

スタッフ部門とは、人事・法務・会計・広報など
一般的に女性にふさわしいとされる部署が多い。
ほんとに出世しようと考えるのならスタッフにとどまっていてはいけない。
スタッフ部門ではスペシャリストで終わってしまう。
これなどビシッと現状を書いていますよね。

往々にして女性は「やりがい」に重きを置いて、
生活の糧を得るという方面には目を背けがち。

ハラガンは「女性の中にはその部分は夫に負担してもらい、
自分は純粋にやりがいのためだけに仕事をしたいという人もいるようですが、
このような人は、本書の読者対象として想定していません」
と言い切っているところも小気味がいいのです。

そして女性は必要以上に仕事をしょいこみ、
会社につけこまれるというのもなるほどと思うところです。

ほんとはもっともっと紹介したいところですが、
本書は是非女性の方に読んでいただきたい。
ああなるほどと思うところ満載ですので。

この本がアメリカで出版されたのは1977年。
ハラガンの了解を得て、日本の状況に対応するようにまとめたらしいのですが、
30年も前に書かれた内容が今、納得できてしまうというのは、
日本という国はやはり女性の働き方という点で遅れていると思ったのが
正直なところです




      ☆天童荒太さん、直木賞おめでとうございます