チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
地味に更新中^^;

起きていることはすべて正しい

2008-11-30 13:00:01 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「起きていることはすべて正しい」勝間和代著 ダイヤモンド社刊です

勝間さんが初めて書き下ろした自己啓発書ということで、
早速買いに本屋に行ったら2軒はまだ置いてなくて、
一駅移動して手に入れました。
フー。

さて、この本のテーマですが、
運を実力にすることを「メンタル筋力」と定義し、
そのメンタル筋力をどうやれば身につけることができるのかを
書き下ろしたものだそうです。

そしてメンタル筋力が高まれば、偶然の中から幸運を発見できる、
セレンディピティが起こるようになる。

と、こういう風に書いてくると、
何やら抽象的な精神論というように感じるかもしれませんが、
勝間さんの違うところは、具体例を出して述べていることです。

私が本書を読んでいて、なるほどなぁと思ったところを何カ所か抜き出してみると‥

○相手が言ったことをやるかどうか。
 言ったことを期限までにやるかどうかで口だけ調子のいい人かわかる。

○完璧主義を捨てる。

○自分がしたくないことはしない。
 どうやったら自分がしたくないことをしないようになれるのかを
 人生の目標の1つとする。

○オーバーポジティブは危険。
 叱られたり、蹴飛ばされたりしたら、蹴飛ばし返して去る。

○できる人とできない人との差は自分の力を
 どれだけ等身大で正しく評価できているか。

○物事を決断するときに大事なことは、なるべくたくさんの選択肢を用意する。

○新卒1社目に入った会社の社員教育が、
 その人の後々の人生を決める大きな要素の1つになる。

勝間さんのほんとに言いたいことが
このあたりにあるのかどうかは大いに疑問ですが(笑)

私個人の話をすると、私が新卒で入った会社は教育制度が充実していましたが、
私は全然就職先が決まらなくて、はっきり言ってイヤイヤその会社に勤めてました。

でも最近つくづく思うのは、
この会社で教育されたことは私の中で今でも生きている。

そう思うと勝間さんの
「起きていることはすべて、自分に対するメッセージ、
あるいは何らかのチャンスとして受け止めよう」
という言葉はスンナリ自分の中に入ってくるように思いました。

レインツリーの国

2008-11-29 15:57:25 | 小説 単行本
今回ご紹介するのは「レインツリーの国」有川浩著 新潮社刊です

ストーリーは…

向坂伸行は中学生の頃に読んだライトノベルの感想をネットで検索し、
ひとみという女性のブログを見つける。
伸行は勇気を出し、ひとみにメールをするのだが…

メールのラリーが続き、程よく煮詰まったところで、
伸行はひとみに会いたいと切り出すのだが、
ひとみの方からあまり良い返事は貰えず…

ここまで読んでああ、ベタ甘ストーリーだと思った方、
まさしくそのとおりでございます(笑)

しかし、ひとみの会いたくない理由というのが、
実は聴覚障害が理由とくれば少し読み方が変わるのではないかと思います。

聴覚障害とひとくちで言っても様々な種類があり、
そのあたりのこともちゃんとこの小説に書いてありますので、
お読みいただく方がいいと思います。

この小説ではお互い立場の違う人間同士が
どういう風に恋愛を育てていくのかというのがテーマ。

世の中には「好き」というだけでは乗り越えられない壁はいっぱいあり、
相手を理解したいと努力してもかえって傷つけてしまうことはたくさんあります。

そこでクタクタになって、恋愛から下りてしまうのか、
突き進むのか…
果たして2人の出した結論は?

とうに忘れてしまった(?)青春のほろ苦さと甘さが思い出される作品です。

付け足しですが、有川さんの「図書館内乱」に
この「レインツリーの国」が登場しているのです。
あちらのお話も、私、好きでした

内藤忍の「好き」を極める仕事術

2008-11-28 10:58:43 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「内藤忍の「好き」を極める仕事術」内藤忍著 講談社刊です

著者の内藤さんについて簡単に説明すると‥

マネックス証券の創業に参加。
現在、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役。
個人投資家への情報提供とアドバイスを続けているとあります。

さて、この本ですが、はっきり言って至極真っ当なことが書いてあります。

例えば、本当の好きを見つけようとか、
資格や肩書で勝負するなとか、少しずつ継続しようとか。

特に目新しいことが書いてあるわけではありません。
しかし、意外と普段見過ごしているというか、
考えていないことを突かれているような気がします。

本当に好きなことって?
意外に自分の本当の好きをとことん考えたことのある人は少ない。

人付き合いは悪いほうがいい。
100人知り合いがいたら、一人しかいない人に比べると、
悪いことに巻き込まれるリスクが100倍ある。
なんて考えてもみなかった。
顔が広いって普通褒め言葉ですよね。

「できる人」のマネをしてはいけない。
これはビジネス本の勉強法を単純にマネするなということ。
これ、私もそのとおりだと思います。
どんなことでもそうですが、参考にするのはわかるけど、
それをそのまま実践するだけではつまんないじゃないですかね。
そこに自分のオリジナリティを足すとかしないと。

こうあげてみると、この本に書いてあるのは本当に普通のことなんだけど、
改めて考えてみるといろいろ見えてくるものがあるのでは?

螺鈿迷宮(上)(下)

2008-11-27 00:01:27 | 小説 文庫本
今回ご紹介するのは「螺鈿迷宮(上)(下)」海堂尊著 角川文庫です

ストーリーは…

医学生、天馬大吉はあることから桜宮病院に潜入することになる。
桜宮病院は終末医療の先端施設として注目を浴びていたが、実態は謎だった。

「バチスタ」「ナイチンゲール」と海堂さんの作品は2作品読みましたが、
私のツボではありませんでした。

理由は、不必要な登場人物が多い、
伏線がうまく処理されていないがあげられます。

なので、海堂さんの作品はもう読まないつもりでした。
しかし本屋で見て薄いから読んでみようかとレジに持って行ったら
上下巻だと教えられ、えっーとなった私。
親切な店員さんでした。

まあ、それはともかく、今回のこの作品は、
登場人物が絞れていて読みやすかったです。

それでですね、今回読んでて思ったのですが、
ミステリーと思って読むから、好みじゃないと感じるのではないかと。

バチスタは犯人は誰か?というのは大きな謎だったのですが、
今回のこの作品は別に犯人探しをしてるわけでもないし、
びっくりするようなどんでん返しがあるとかそういう話でもないんですよね。

それよりも今の医療制度やシステムに対して、
海堂さんが訴えたいことが詰まっている小説として読めばスッキリするのかと。

だとしたら厚労省のお役人の白鳥や姫宮の存在もスンナリ受け入れられし、
面白いなぁと思いながら読みました。

ただ、白鳥って、奥田英朗の精神科医の伊良部とダブってしまうのは、
私だけでしょうか?

正直書評。

2008-11-25 23:38:00 | その他 全般
今回ご紹介するのは「正直書評。」豊崎由美著 Gakken刊です

書評家って大変な商売ですね。
面白くなかった作品でも、
面白くなかったとはストレートに言いにくいでしょうね。
狭い世界でしょうから、作家を変に貶したりしたら、
あとが怖そうだし‥と勝手な妄想をしておりますが、
そんな私の勝手な妄想を吹き飛ばしてくれる書評家が豊崎由美さん。

まあ、タイトルが「正直書評。」だもんなぁ(笑)
おわりにでは豊崎さん自身が、
書評家だって本当のことが書けないことはあるって書かれてますしね。
「でもなるべくしたくないの、そんな疲れること」とも。

そういう正直な豊崎さんのこの本の評価基準は
「金の斧」「銀の斧」「鉄の斧」で判定されています。

ちゃんと数えたわけではありませんが、圧倒的に金が多いような感じがします。
これはちょっと意外?!

金の中には何作か私も読んだ作品があったので、共感する部分も多々。

さて、豊崎さんの鉄の評価の作品ですが、
なんと私は一作品も読んだ作品がありませんでした。

なので、ほんとにその作品がつまんないかどうかはわかりませんが、
実を言うとですねぇ、読もうと思わない作品ばかりなんですよね、
はっきり言うと。
だから今まで手が伸びなかったんだと思うんですよね。

で、果たして豊崎さんの評価を実証するために
読んでみようかという気にもならないのです。

読まないでいい、悪いを言うのは反則だとは思いますが、
多分この先も読まないだろうな‥と。

ファミリーポートレイト

2008-11-24 18:18:41 | 小説 単行本
今回ご紹介するのは「ファミリーポートレイト」桜庭一樹著 講談社刊です

ストーリーは…

コマコは5歳。
コマコの美しい母、マコは25歳。
マコとコマコはひたすら逃げ続けていた‥

マコは多分人を刺し(これは推測)コマコを連れ逃げ続けます。
第一部は逃げた先でのマコとコマコの生活模様が、
第二部は17歳になったコマコが大人になっていく記録です。

またまた桜庭ワールド全開です。

コマコはひたすら母のマコのことが好きで‥と、
ここがこの作品の底辺ですが、私の読みが浅いのか?
何故、コマコがこの母をそんなに愛してしまうのか理解に苦しみます。

マコの行為は母親として褒められる行為ではないと思ってしまう、
私がおかしいのか?
第一部は私にとっては退屈でした。

第二部でようやく物語が動き出す感じがします。
ただ、ストーリーは平凡な気が。

本ばかり読んでた少女が作家になり、
やがて権威ある文学賞を受賞するというストーリー。

この辺は実際の桜庭さんのような気がしつつ読みました。

私がこの小説の中で1番好きなのはこのあたりで、
桜庭さんの考える小説とはどういうもので、
作家とはこういうものだという想いを感じました。

「自分がつくったものが、誰かの孤独な夜に滑りこんでいるかもしれない、
作り手が死んだ後も、本だけが残って未来の誰かを救うことがあるかもしれない。
よくもわるくもなにかを変化させてしまうかもしれない」

この言葉にグッとなってしまう私がいました。

ラストはかなり好きです。
かなりいい。
でも全体としてここまで長くなくてもいいのでは?とも。



    ☆週刊ブックレビュー見ました。
     桜庭さんやっぱりかわいらしい人ですねー。

頭がよくなる超読書法

2008-11-23 12:15:09 | 新書
今回ご紹介するのは
「頭がよくなる超読書法」佐々木豊文著 PHPビジネス新書です

読書法というタイトルですが、
著者は「速読脳開発プログラム」なるトレーニングプログラムを確立し、
20年にわたって速読法を指導されてきたということで、
速読法に興味のある方は本書を読んでいただきたいと思います。

私自身は今のところ、速読法を学ぼうという考えはないので、
速読法以外について書かれている箇所について書きたいと思います。

私は以前から本嫌いな人は別に無理をして本を読む必要はないのではないか?
と思っています。
読書も嗜好のひとつなので、嫌いな人に勧めても仕方ないと思います。

ただ、よくビジネス書の類は読むけど、
小説は読まないということを書いている人がいます。
はっきり言うと小説なんか読んでもしょうがないと思っているのでしょう。
これに対して私は?という感じなのです。

本書に「知識の読書」と「感性の読書」のバランスを取ろうとあります。
知識の読書とは論理的思考に発展するもので、左脳を使うものです。
それに対して感性の読書は右脳を使う読書なのです。

要するに知識の読書ばかりに偏っていると、
感性が発達しないということになるのですね。

右脳を使うことによって精神の安定だけでなく、
健康の維持にもつながるそうです。

そして受験勉強では左脳の能力が要求されるが、
実際の社会の中で円滑に仕事を進めていくには、
右脳をも使う理解力が要求されるという言葉に深く納得したのでした。

夜の光

2008-11-21 22:18:04 | 小説 単行本
今回ご紹介するのは「夜の光」坂木司著 新潮社刊です

ストーリーは…

天文部に所属する寡黙な美少女のジョー、ギャルのギィ、
芸術家きどりのゲージ、大男のブッチ。
彼らはスパイ、そして戦場にいた…

一体なんだ?
このストーリーは?と思った方は是非この小説をお読み下さい。
と、言ってもスパイ小説ではなく、青春小説ですが。

この小説は一編ずつ語り手が変わる連作集の形を取っています。

そもそも4人とも天文学が好きだとか、星に興味があってというわけではなく、
天文部は顧問も緩いし、活動もラクそうだという理由で入部します。
部員は4人のみ。
活動は月1回の学校の屋上での観測会のみと天国のような部活です。

さて彼らが何故スパイなのか?というのは彼らがそれぞれ闘っているからです。
闘う相手はズバリ家族。

ジョーは、女は幸せな結婚をするのがいちばんと言う両親と。
ギィはDVの父親と見て見ぬふりの母親と。
ブッチは自分を目の敵にしてくる祖父と。

それぞれが家族に理不尽な思いを感じながらもその理不尽さと闘っているのです。
しかし、この登場人物たちはお互いもたれあうような関係ではなく、
自分のことは自分の中で処理をし、闘っています。
そして高校を卒業したら、自立できる道を探っているのです。

ベタベタした友情物語にはなってなく、読んでてすごく気持ちのいい小説でした。
ちょっとしたミステリーの要素も混ぜられているのですが、
その辺よりも4人のキャラの勝利!という感じがします

でも、人間は皆、闘っているのだよ、もちろん私も‥

元職員

2008-11-20 23:17:10 | 小説 単行本
今回ご紹介するのは「元職員」吉田修一著 講談社刊です

吉田修一さん、雑誌で何度か見ましたが、かっこいいですねぇ。

さて、ストーリーは…

片桐はひとりでタイのバンコクに旅行中に津田武志という若い男に出会う。
片桐は武志にミントという娼婦を紹介されるのだが…

タイの蒸し暑くもわぁっとした雰囲気が全編漂っている小説です。

片桐はある秘密を抱えてタイにやってきている設定です。
て、いうかのんびりタイに旅行してる場合か?と突っ込みを入れたくなります。

その片桐の秘密と心の葛藤とは別にこの小説には、
日本人男性がアジアに出かけ、
平気に買春に走る問題点もついているように思うのです。

買春は象徴的な話で、日本人が決して経済的には豊かとは言えない国に行って、
急に上から物を見る目線みたいなものに吉田さんは批判的なのでしょう。

片桐にしても、ミントはもちろんのこと、
タイに来て3年という武志に対しても警戒心を緩めてはいないのです。
そしてそのあたりのことが武志をイライラさせるのです。

武志の言った「嘘って、つくほうが嘘か本当か決めるもんじゃなくて、
つかれたほうが決めるんですよ」という言葉にも
自分の行動は卑しいくせに、相手には嘘をつくなと暗に言っている
片桐に対して思わず出た言葉だったのでしょう。

吉田さんの元々の作風は明るくはなく、
今回のこの小説もかなり暗いものがありました。

小説自体がすごくうまくて、リアリティがあるので、
そこがかえって私は読んでいてすごくしんどかった。

寿司屋のカラクリ

2008-11-19 22:52:51 | 新書
今回ご紹介するのは「寿司屋のカラクリ」大久保一彦著 ちくま新書です

寿司大好物です。
ほんと大好き

自分ではもちろん高級な寿司は食べられませんが、
昔、知り合いの人に高い寿司屋さんに連れて行ってもらったときのことです。

「あそこはおいしいけど大将が気難しいので、心して食べるように」と言われました。
カウンターに座り「お飲物は?」と聞かれたときに
「コーラ」と私が答えたときのその場の空気の凍り付いたこと
多分連れの人はこんな奴を連れてくるんじゃなかったと後悔したことでしょう。

しかし、大将からは罵声が飛んでくることもなく、
「今の若い子はこういう食べ方もするんだねぇ」と言われただけでした。

あのときのウニは確かにおいしかったけど、
値段もまた目玉が飛び出るような金額でした

さて、本書の著者はフードコンサルタントということで、
いろんな寿司屋の業態を紹介しています。
回転寿司から高級寿司店まで。
それぞれの店の値段の決まり方が解説されていて興味深く読みました。

私は寿司が大好きなので、スーパーでもよく買いますが、
おいしくないことも多いのです。

この本によると、寿司というのは、ネタよりもしゃりでおいしさが決まり、
しゃりの温度管理が重要というのを読んでなるほどと思いました。
と、いうのもハワイで食べた寿司は異常にまずかったのです‥

今や寿司業界も回転寿司と高級寿司店との二極化が進み、
個人の大将がやっている店というのはどんどんなくなっていっているそうです。

私が子供の頃はご馳走を食べようと思ったら両親に
そういう個人の大将の店に連れて行ってもらいました。
先日たまたまそのあたりを通ったら、その寿司屋はありませんでした。

回転寿司も気軽に寿司が食べられるのでいいのですが、
やっぱり明朗会計でカウンターに座って
食べたいものを注文する寿司屋というのが淘汰されていくのは残念でなりません