チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
地味に更新中^^;

ラクをしないと成果は出ない

2009-02-28 12:28:01 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「ラクをしないと成果は出ない」日垣隆著 大和書房刊です

仕事の鉄則100ということで、100項目が10章にまとめられています。

100項目もあれば、なるほどなぁと思う項目もあれば、
いやそれはちょっとなぁと思う箇所もありましたが、
私が深く納得したのは、仕事の依頼の仕方と受け方のあたりでしょうか。

「お願いした場合は「いつでも」と言う」
これは相手に対して、
他のすべての約束より優先しますのでお願いしますという姿勢を示すことです。

お願いする場合自分の予定よりも
相手の予定を優先するのは当たり前のことですが、
意外とこれができていない人も多いのでは?

「依頼には即決で答える」
「出された問題はすべてその場で解決の方向と、「いつまでに」を明確にする」は
スピード性を重視せよということですが、
自分が仕事を依頼したときに即答してもらえると気持ちがいいものです。

お願いした依頼に期限を決め対応してもらえると、
依頼した側もスケジュールに無駄がなくなります。

こうして見てくると、仕事の依頼の仕方や受け方というのは、
時間の節約と同時にコミュニケーション能力、
つまり人間性も試されると思うのですが、どうでしょうか?

ジウⅢ

2009-02-27 23:03:13 | 小説 文庫本
今回ご紹介するのは
「ジウⅢ」誉田哲也著 中公文庫です

ストーリーは…

新宿で街頭演説を行っていた総理大臣が拉致され、
歌舞伎町は封鎖されパニックに。
伊崎基子がこの事件に係わっていることがわかり、動揺する警察組織。
果たして犯人の目的は?
そして黒幕はいったい?

シリーズの「ジウ」もいよいよ完結編。

私的にはⅠの導入部は面白く読めたのですが、Ⅱはかなりテンションが下がり、
Ⅲで盛り返したかなぁという印象。

伊崎基子や門倉美咲には相変わらず魅力は感じなかったのですが、
今回はストーリー展開の勝利。

ここにもあそこにも裏切り者がいたり、
罠があったりとミステリーの面白さが満載。
警察組織のお互いの腹の探り合いも楽しめました。

ラストの数ページにジウが何故、
誘拐事件を次々起こしたかの動機が明らかになりますが。
著者の誉田さんはこの動機を特に書きたかったのではと思います。
ジウの人生の哀しみ、自分という存在の意味。
ここは胸にジンと響きます。

トータルで考えると面白い作品だったとは思うのですが、
3冊同時に刊行して欲しかった。
記憶力が悪いので、ストーリーがところどころ思い出せなくなっていて苦労しました

非モテ!

2009-02-26 21:46:04 | 新書
今回ご紹介するのは
「非モテ!」三浦展著 文春新書です

「非モテ」とはもちろんモテないという意味ですが、
本書は男性の非モテについての考察。

読みながら私は、始めはニンマリ、段々疲れが増してきました。

最近の若い男性はモテる、モテないを過剰に気にする。
モテも「格差」になってしまったそうなのです。

私は知らなかったのですが、
最近は女性が結婚相手に求める「三低」なる言葉もあるそうで、
この「三低」とは低姿勢・低依存・低リスク。

つまり、女性に対して威張らず、家事や身の回りのことを妻に頼らず、
危険に巻き込まれることの少ない職業に就いていることだそう。

三浦さんは「三高」にプラス「三低」が加わったと思っているそうで、
ここまでくると、
女性の男性に対する要望があまりにも厳しすぎるのではないか?と
女の私ですら思ってしまいます。

女性はどんどん男性に対する条件が厳しくなり、
男性は高嶺の花の女性には近づかないという行動になるようです。

男性がここまで弱気になってしまったのは非正規社員が多くなったことも
関係があるのではないかというのも本書の推論です。

しかし、人を好きになるのに理屈などいるのでしょうか?
もっと本能に忠実になって恋愛を楽しんでもいいのでは?
恋せよ若者

クルマは家電量販店で買え!

2009-02-25 22:37:37 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「クルマは家電量販店で買え!」吉本佳生著 ダイヤモンド社刊です

昨日ご紹介した「スタバではグランデを買え!」の続編です。

前半は「スタバ…」のおさらいという感じで、価格差別についての見方です。

後半は「裁定」や「囚人のジレンマ」についての話題が満載です。

著者の吉本さんはエコノミストですが、
定説を覆す吉本さんの解説を私は興味深く読みました。

例えばCMでお馴染みの「ジェネリック医薬品」。
吉本さんはこのジェネリックが先発薬よりも安い理由は、
「ジェネリックは研究開発コストがほとんどかからないので、製造コストが安く、
価格を安くできる」という説明はまちがっているとの見解です。

この問題はコストの面から説明するのはまちがいだそうです。
これはジェネリック側から見るのではなく、
先発薬のメーカー側から見ると説明が付きます。

先発のメーカーが安さでジェネリックに対抗しようとすると、
大幅な値下げが必要になりますが、そのわりには販売数量を増やす効果が小さい。
このような分析になるそうです。

こう説明されるとそうなのかぁと納得してしまう単純な私です。

「スタバ…」に比べると本書は吉本さんの提案が散りばめられています。

大学の授業料の高騰や地球温暖化の問題など。
そういうやり方もあるのか‥と新たな発見があるかも知れません。

スタバではグランデを買え!

2009-02-24 19:13:34 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「スタバではグランデを買え!」吉本佳生著 ダイヤモンド社刊です

タイトルが面白いので記憶に残っている方も多くいることでしょう。

一言で言えば本書は「生活の経済学」について書かれた本です。

私が本書でああと感じたのは「価格差別」についてです。
「価格差別」とは「高くても買う客にはできるだけ高く売りながら、
一方で、安くならないと買わない客には安く売る」作戦のこと。

この企業側の戦略は消費者の側にはあまりにも当たり前すぎて
普段は意識もしていません。

例えば映画のDVDは時間が経つにつれどんどん安くなることや、
洋服のバーゲンなどは典型的。
専門用語としては、時間を通じての価格差別と呼ぶそうです。

他にも価格差別の典型的なものとしては、
携帯電話の料金が上げられます。

料金体系について言うと
①定期的に自分の使用状況をチェックしてその都度料金プランを変更する
②使用状況をチェックしないで最初に決めた料金プランをそのままにしている

①は価格変化に敏感な消費者
②は価格変化に鈍感で少々高くても気にしない消費者

なのでここでも価格差別が行われているわけです。

そしてこの背景には、携帯電話会社は複雑な料金体系を用意しておけば、
自動的に価格差別ができるという戦略があるわけです。

他にも、広告は消費者にとって不利な情報は読みにくい字で書かれています。
ここをきちんと読んで理解するかどうかも賢い消費者か
そうでないかの分かれ目。

知らず知らずのうちに篩いにかけられている私たち消費者。
賢くならなくては

ラスト・イニング

2009-02-23 18:01:09 | 小説 文庫本
今回ご紹介するのは
「ラスト・イニング」あさのあつこ著 角川文庫です

「バッテリー」のその後の物語。

ストーリーは…

横手二中の瑞垣は高校生になって野球を辞めた。
門脇は巧と対戦することを希望し、決まっていた高校を辞退し、
地元の高校に入学するのだが‥

今回は瑞垣が主役。
瑞垣と門脇にスポットが当てられています。

高校生になり野球を辞めたことで瑞垣は、
天才スラッガー・門脇秀吾の呪縛から逃れ
高校生活を謳歌できると考えていましたが、
今ひとつ生活の張りがありません。

一方、門脇は推薦で決まっていた高校を辞退したことで
周囲から非難を受けますが、
巧と対戦したい信念は揺らぎません。

瑞垣は門脇の信念を目の当たりにし、
やがて自分のどこか歪んだ考えに気づくのです。

野球に取り付かれた門脇、瑞垣。

もちろん巧と豪のバッテリーもそれは同じ。

少年たちの勝負はまだこれからも続きます。

この「ラスト・イニング」で「バッテリーⅥ」での
新田東中と横手二中の試合結果が明らかになりますので、
Ⅵで消化不良だった方は是非「ラスト・イニング」も
お読み下さい。




「知の衰退」からいかに脱出するか?

2009-02-22 12:49:46 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「「知の衰退」からいかに脱出するか?」大前研一著 光文社刊です

「本書は、ここ数年日本で起こっているさまざまな現象についての私の見解を、
「集団知」というフィルターを通して述べたものだ。
言わば、私流の「21世紀の日本人論」である」とあります。

政治・経済・ネット社会・教育改革などテーマは多彩。

やはりこの中で今最大の問題だと思うのは、政治(政局)です。

大前さんは「日本が明らかに「知の衰退」期に入ったのは、
小泉政権が誕生してからではないかと思う」と書いています。

それがどうかは私にはわかりませんが、
あの小泉政権が誕生してからのワイドショーなどのフィーバーぶりは
私の目には異常に映りました。

私自身もそうですが、あの頃小泉さんの政策をきちんと理解してた人は
どれぐらいいたでしょうか?
大前さんは郵政民営化の何が核心なのかは、
最後までわからずじまいと書いています。

さて、その2年後今度は民主党が大勝します。
このときも私は一体この現象はなんだろう?と疑問でした。

どちらの選挙も争点が絞られていて(郵政民営化と年金問題)
国民にとってはわかりやすかったし、
政党もメディアもそれを狙っていたのでしょうが、
「国民はバカだから複雑なことは考えられない。
単純なことしか通用しない」と
2つの選挙で証明されてしまったという大前さんの言葉は、
政治家の思うツボにハマってしまった国民にどう響くのでしょうか?

断る力

2009-02-21 15:16:22 | 新書
今回ご紹介するのは
「断る力」勝間和代著 文春新書です

勝間さんの新刊です。

仕事や人間関係において、断るといった行為は勇気がいるもの。
その「断る」ことをいい方向に変えていこうという提言です。

最初に勝間さんの最悪の経験、
アシスタントがパソコンに勝間さんの悪口を延々綴っていた話が出てきます。
ここを読んで私も嫌な記憶を思い出しました。

職場でもプライベートでも自分の思っていることを
言葉に出して言わない人は厄介だし、怖い。
こちらの意見に反対なのに表面上は従っているフリをする。

こういう人たちのように断らないことのメリットは
「モノを深く考えないで済む」ことだそう。

私自身も面倒なのでテキトーに従っておこうとした思い当たる節あり。
多分どんな人にもあるのではないでしょうか?

しかし初めに書いたように「断る」行為というのは難しいのです。
では、どうすればいいのか?

「どこまでを許容範囲と捉え、
どこからが「嫌われる」というリスクをおかしても断らなくてはいけないのか、
明確な基準を作る」とあります。

誰でも思うことですが、断って相手が気分を害さないか、嫌われないか、
ここが気になるところでしょう。

しかし、勝間さんは
「断らなくても嫌われることはゼロに出来ない」と書いています。
それならば勇気を持って断る力を身につけた方が賢い。

そのためには、自分の揺るぎない軸と信念、自己責任がなければなりません。

実力があるから断れる。
断ることができるように実力をつける。

これに尽きるでしょう。

心理学者が教える「超」勉強術

2009-02-20 21:51:39 | その他 全般
今回ご紹介するのは
「心理学者が教える「超」勉強術」内藤誼人著 KKベストセラーズ刊です

はじめにのところに
「勉強などしたくはないが、それでもちょっとくらいは勉強しようと考えている、
ごくごく普通の人に向けて書かれている」とあります。
私を含め大半の人(?)に向けてのメッセージ。

まず、勉強を習慣化することが大事とあります。
そのためには考えることをやめてしまう。
とにかく始めて毎日やり続けること。

私のような面倒くさがりの人間には次のような慰めの言葉が。
「面倒くさい」のは問題意識の表れ。
面倒くさいと感じたら、面倒くさくない手段を考えればいいとあります。
私もこの面倒くさくない手段を考えはするのですが、
かえって手間がかかってしまうということが多々あります。
これは私個人の課題です。

さて、勉強は継続が大事ですが、
なかなかモチベーションが維持できないということが問題です。
これについては、検定やテストを受けて自分の能力を知ることとあります。
資格取得などでは模試を受けることはオススメです。
やはりやってきたことの成果が見えるのはすごく励みになります。
(これは私も体験済)。

あとがきに著者の内藤さんが、
「私が勉強するというプロセスにおいて養ったのは、知識でも教養でもなく、
気力と根性だと思っている。それが最高の宝物だとさえ思っている」
というのはきちんと努力した人だから言えるセリフなんでしょうね

凸凹デイズ

2009-02-19 11:49:29 | 小説 文庫本
今回ご紹介するのは
「凸凹デイズ」山本幸久著 文春文庫です

ストーリーは…

弱小デザイン事務所「凹組」は黒川と大滝と新米の凪海の3人で
細々と仕事をこなしていた。
そんなある日遊園地のリニューアルに際し、
凪海の描いたキャラクターが採用されることになるのだが‥

山本さん定番のオシゴト系小説。

今回は男2人と女1人のデザイン事務所が舞台。
元々は黒川と大滝と醐宮という女性の3人で立ち上げた事務所だったのが、
醐宮は独立して今は自分で事務所を立ち上げた女社長。
しかし、黒川・大滝と醐宮にはわだかまりがあるよう。

物語は凪海の視点から書かれたものと、
大滝の視点から書かれたものとが交互に進んでいきます。

大滝の視点は昔の回顧録。
大滝は昔、醐宮に恋していたのです。

この小説は醐宮の存在がかなりの比重を締めています。
大滝のあこがれの存在だった醐宮、
今や女を武器に仕事をバリバリ獲得する醐宮。
凪海はそんな醐宮に圧倒されながらも醐宮のことが嫌いではありません。

山本さんの作品はいつも明るく、ユーモラス。

今回のこの作品も黒川にしろ、醐宮にしろ強烈な個性の持ち主。
でも頼れる仕事仲間。

こういう信頼できてバカもやれる仕事仲間と呼べる人たちがいるのは
なんとも羨ましい!と思わせる作品でした。