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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリアやイラクを,話題にすることについて

2007-04-12 20:33:10 | ソマリア関連
 とあるblogを見て,いろいろ疲れ,怒りを抱くところがあったので追記。

 ソマリアの現状について話をする,ということは,ソマリアの現状について話をする,ということだ。アメリカの悪口をするための枕じゃない。ソマリアの苦痛は,アメリカの悪口を言うための話の切り出しじゃない。

 それはソマリア人の物語だ。

 まあ今はエチオピアが相当足を踏み入れているし,エリトリアが動きを見せもしたし,UIC指導者が姿をあらわしもしたし,ウガンダが兵員を入れているし,AUがなんとか平和維持に努力しようとしてもいるが(まだ平和維持軍の後続がきたという話は聞きませんねそういえば)。

 宿題をしているところに砲撃がやってきて,足を切り飛ばされた少年がいる。家族団欒の場を爆破されてしまった一家もいる。避難先で,木陰で休もうとしたら料金を請求された者もいる。家族離散は並みのことだ。戦闘で殺され,死体を引きずりまわされた兵もいる。悲劇の数は多すぎて,だから数字で表される。12万4千人が避難しました…だとか。

 けれど,ところで,彼ら(彼女ら)は,名を持つソマリア人(ないしエチオピア人)なのだ,それぞれの人生を持つ。

 いつぞや,イラクでクルド人集団墓地の発掘調査をしている人々の記事を読んだ…もはや,集団墓地の件がニュースにならなくなったころか。大国の偉い人たちは,フセイン政権のクルド人虐殺の動かぬ証拠を握って,でそのあとは興味を失ったようだ! というわけ。
 誰も見向きもしなくなっても,学者らは地道に調査を続ける。玩具を握ったままの子供の骨を発掘したり,子供を抱いたままの女性の骨を発掘したり。で訴追側はいうわけだ,「これぞフセイン政権の非道の証し!」

 一体,どれほどが埋まっているのか。
 彼らはどこから来たのか。彼らは誰なのか。
 そうした事を,もはや偉い人たちは気にかけない。予算の行く末も怪しそうな,そんな中で,一部の人々だけがそうした事を追い続ける。

 ねえ。そこで私は思うんだ。ソマリアなり,イラクなりの悲劇に言及し,「なんとアメリカの悪辣な事か!」と悲憤慷慨する人たちは,なんてアメリカにそっくりなんだろう,と。

 時々でいいですから,想い起こしてあげてくださいな。彼らは辛く,辛く,辛いのだと。あるいは,辛いと感じる事さえできないのだと。彼らは,彼ら自身の人生を,社会を,生きたいのだと。あるいは,生きたかったのだと。

 時々でいいですから,ひたすらに彼ら自身のことを,想ってみてはもらえませんか。
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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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でしゃばり (toshiki)
2007-04-13 22:33:36
大歓迎でござるよ。どんどんやってくだされ。
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