ヴェールと報道の向こう側：ソマリア

　ソマリア暫定政府軍がモガディシュ市中で女性のフェイスヴェールを奪い焼却，というニュースですが，ニュースソースはロイターとBBC，SomaliNetが水源なのかなと思えます：

Garowe Online　Somalia forces veil ban　9 May 9, 2007 - 10:37:45 AM
　はロイターの記事によっています。他方，
Kenya Broadcasting Corporation　Anger at Somali face veil burning　Written By:Muthoni Kariuki/bbc, Posted: Thu, May 10, 2007
　はご覧のとおり，BBCによるようです。何件か他社記事見ましたけど，あとは省略。同じ人の同じコメントを何度も見るのは，ちょっと。

　ロイター発ニュースはsenior police officerのAli Nur氏の発言を引用，ヴェール没収は当局よりの命令と言うわけです。BBCは兵がヴェール没収しているのを上官が止めさせたといいます。SomaliNetはヴェール没収の記事を掲載した一日後，最上級司令部としてはそんな命令を出していないと声明したと伝えます。

　シナリオは幾つかありえます。何れにせよ，少なくとも，反政府勢力の逃亡やテロ行為を防ぐため，チェックを厳しくせよと指示があったのは確実かと思われますが―
　ヴェール没収についてはMr. Dhereはあずかり知らず，現場の弾力的運用によるものであったというのが一つ。
　本当はヴェール没収はモガディシュ市長Mr. Dhereのお墨付きだったが，否定的報道に接して慌てて撤回したというのが一つ。分岐として，上級指導部の命令には反するものの，政治的に優れた目を持つ中級指導者が自己の判断で自己の管轄区域での行動をやめさせた可能性。

　…これだから現在進行中のニュースについて語るのは好きじゃないんだと，久しぶりに自分本来の好みを思い出した次第。

　この件に関するロイターの記事紹介，さらに興味深い現地写真の分析については：news Somaliland ソマリア治安部隊がイスラム女性のベールを剥がして燃やす-ソマリアの不可触民問題 (2007-05-10)を参照。

　おまけ：ソマリアでの活動を称賛されるウガンダ軍（New Vision Online　Uganda praised on Somalia mission　Wednesday, 9th May, 2007）。