田川市石炭・歴史博物館のブログ

〒825-0002 福岡県田川市大字伊田2734番地1
TEL/FAX 0947-44-5745

10年前の記憶

2021年02月26日 | 日記

今から10年前の2011年は、博物館にとって激動の年でした。

その年の5月22~25日、英国のマンチェスターで開催されたユネスコ「世界の記憶」の国際諮問委員会(IAC)にて、「山本作兵衛コレクション」の審議がなされました。

日本とマンチェスターは9時間の時差があるため、田川市役所の職員は深夜まで結果を待ちました。

日付が変わった頃から、ホームページ等の情報で、「山本作兵衛コレクション」が日本で初めて「世界の記憶」に登録される見込みであることがわかり、深夜2時頃から、臨時の記者会見を行いました。

翌日、博物館には大勢の観覧者とマスコミが押し寄せ、展示室の前には行列ができるほどでした。

博物館では、急遽、原画展を開催し、その年の入館者は年間約15万人、例年の7倍強の入館者数を記録しました。

まさにこの2011年は、ユネスコ「世界の記憶」を所蔵する館として、博物館の運命を変えた転換点となりました。

あれから10年の時間が経過した今年は、「山本作兵衛コレクション」が、日本で初めて、ユネスコ「世界の記憶」に登録されてから、10周年の節目の年を迎えます。

博物館では、登録10周年を記念して、2021年に様々なイベントを計画しています。詳細については、このブログでも随時お知らせしていきたいと思います。

写真は、2011年5月25日付けでIrina Bokova氏(当時のユネスコ事務局長)名で「世界の記憶」に登録されたことを証する登録証を日本語訳したレプリカです。

※写真の無断転載等はご遠慮ください

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大浦池のこと

2021年02月20日 | 日記

みなさん、こんにちは
もうすぐひな祭りですね本当に月日の経つのは早いものです。
一日も早くコロナを心配しないで♪春の弥生のこのよき日~♪と
歌いたいものです。


さて、今回はご存じの方も多いとは思いますが、
大浦池のことについて話してみましょう

時は延宝年間(1673~81)、4代将軍徳川家綱の時代のことです。
田川地方では長い間雨が降らず、水が枯れることが頻繁に起こったそうです。
そこで、途方に暮れた弓削田村の農民たちは対策を話し合いました。
その結果、土地を潤すには大きなため池を掘る以外にない
ということになり、3年の月日をかけてため池を完成させたのですが、
どのような大雨が降っても全くといっていいほど、
ため池には水がたまりませんでした

そこで、頭を痛めた村人たちが話し合って出した結論が、
おそらく龍神様の祟りに違いないから人柱を立てて
龍神様の怒りを鎮めようということになったのです。




 大浦池

人柱には清純な乙女をということになったのですが、
当然ながら自分から進んで人柱になるという娘はいませんでした。
結局はくじ引きで決める以外に方法がないということで、
村中の娘が両親に付き添われて庄屋の家に集まりました。

くじを引く時間になったとき、庄屋から
「私の家には幼い時から実の子のようにして育ててきた、
お浦という娘がいます。
その娘が言うには、今まで育ててもらったお礼に、
村の人たちのために人柱に立ちたいと言ってきたので、
哀れに思うがさきほど承知した。」との話がありました。

 

村人たちは、お浦の真心にうたれて、涙ながらにお浦に手を
合わせたということです
その日の日暮れころ、お浦は白無垢姿で庄屋に手を引かれて
池のほとりまで行き、村人たちが合掌して念仏を唱える中、
池の底深くに掘られた穴に身を沈めていきました。

翌日、早朝から池のほとりに集まった村人たちは、
目の前の光景にとても驚いたそうです
今までどのような大雨が降っても水がたまらなかった池が、
水をたたえていたからです。
そして、どんどん水かさが増し、満水になったそうです。

村人たちはあまりの出来事に狂喜し、人柱に立ってくれた
お浦に感謝して厚く霊を弔うとともに池の名を「お浦池」としたそうです。


これからのち、お浦池の水は弓削田村の田を潤し、
村が干ばつで悩まされることもなくなったということです
これが現在の大浦池と伝えられています

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第5・6回 子ども学芸員育成講座

2021年02月13日 | 日記

みなさんこんにちは
本日も田川市石炭・歴史博物館のブログをご覧いただきありがとうございます

前回に引き続き、今回は1/23(土)と1/30(土)に開催された
第5・6回 子ども学芸員育成講座の様子をお伝えします


第5回のテーマは「史跡をはかろう(測量チャレンジ)」ということで
外部の方を講師にお招きし、詳しくわかりやすく教えていただきました。

天気はあいにくの雨でしたが、傘をさしながらみんなで協力して、
公園内にある二本煙突の間の距離などを計測していきます。


 雨の中頑張りました

ついでに煙突がまっすぐ垂直に建っているのか、水平器を使って確認してみると…
なんと… バッチリ垂直でした!
よかったと安心しつつ、明治時代の丁寧で精巧な技術に一同感心

その後屋根のある場所で、測量の歴史を学び、最後に自分たちが測量した地点を
図面に記録していきました。


 初めてみる道具にみんな興味深々!


 定規と鉛筆の使い方にもコツがあるそうです

普段何気なく目にしている地図が、こんなにも地道な作業の繰り返しによって
作られたものだと知った子どもたち。今後地図を見る目が少し変わりますね。


続いて、第6回の様子です。
今回も外部の方を講師にお招きし、レクチャーしていただきました。

テーマは「石炭記念公園マップをつくろう」ということで、3人の目の前に置かれたのは、
1枚の大きな石炭記念公園の白地図。
この白地図に、昭和39年までこの場所にあった三井田川鉱業所伊田坑の施設を重ねていきます。
そして炭坑が描かれた絵を「仕事」「生活」に分け、白地図の上に貼っていきます。


 人にわかりやすく伝えるためのポイントを確認中

この時注意しなければいけないのが、"炭坑があった時代、この絵のテーマと同じ場所"を
探して貼っていきます!
当然今の白地図には昔あった建物の跡などは記されていません。
みんなその場で質問したり、以前聞いた学芸員の説明を思い出しながら作業を進めていきます。


 「この絵はこうかな?」とお互いに相談しながら作業をすすめます


 もくもくと作業中…

貼り付ける絵には、見る人が分かりやすいよう「絵のタイトル」と「絵の説明」、
そして絵の人物になりきって「この絵の人の気持ち」を1枚1枚書き込んでいきます。


 さぁ、最後の仕上げ作業!

こうして「石炭記念公園マップ」改め「炭坑の人マップ」が無事完成しました!
誰が見ても見やすいように、こちらの伝えたいことが伝わるように、
それぞれが思いつく限りこだわり抜いた力作です!

 じゃじゃーん!完成ですっ!

作業時間の2時間があっという間に過ぎるくらい、みんな集中して取り組んでいました
帰り際、まだまだ飾り付けし足りない様子で後ろ髪を引かれながら、会場を後にした3人でした

 

※写真の無断転載はご遠慮ください。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第4回 子ども学芸員育成講座

2021年02月06日 | 日記

みなさんこんにちは
いつも田川市石炭・歴史博物館のブログをご覧いただきありがとうございます

今回は1/16(土)に行われた
第4回子ども学芸員育成講座の様子をご紹介します。

第4回のテーマは
「1.ユニバーサル・ミュージアム 2.炭坑節を学ぼう」ということで…
前半はまず、それぞれ目の前に置かれた資料にアイマスクをした状態で
触れ、資料の特徴(金属・ゴム・ひもが付いている・丸い・四角いなど)
を覚えていきます。

手から伝わる情報がたくさん!            手から伝わる情報がたくさん!


次に、展示室に移動し自分が触れた資料と同じ物を展示から探すのですが…
手からの情報だけだと「何だこれ?」を連発していた子たちも、
展示室に入ると「あった!」「これだ!」とすぐに発見していました
実は触った段階で、すでに答えが分かっていた強者も!


        答えが分かったかも!

その後、館内案内板の点字や、外国語が併記されたサイン、
車いすの方にも配慮された展示ケースなどを確認しました。
あらゆる人が、博物館の展示を楽しめるデザイン。
これが、ユニバーサル・ミュージアムです。

 

後半は、外部の講師をお招きし、炭坑節について詳しく学びました

  担いで 担いで~♪

天気も良かったので、復元炭坑住宅の外に出て炭坑節を教わっていると、
石炭記念公園で遊んでいたお友達たちも集まってきて、
一気に賑やかになりました!


 自然と子どもたちが集まってきて賑やかに

さすが地元の田川っ子たち!曲が流れると体が勝手に動き出し、
みんな楽しそうに炭坑節を踊っていたのが印象的でした

寒い日が続きますが、子どもたちは毎回元気に受講してくれています
最終回の2/20(土)まで、寒さに負けずみんな一緒に頑張りましょう!

 

※写真の無断転載はご遠慮ください

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする