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持分譲渡契約書の準拠法について Q&A

2017年05月25日 11時11分21秒 | 中国の法務

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

中国子会社の持分の譲渡を行います。契約者は共に日本企業になります。この場合、準拠法を日本法にすることは可能でしょうか。

 

A,

中国では、「渉外契約」について、当事者が契約に適用する法律(準拠法)を選択することを認めています。(中国契約法第126条及び渉外民事関連法律的用法第3条、第41条)

したがって、渉外契約の場合は、原則として準拠法を選択することが可能です。

 

しかしながら、渉外契約であっても、準拠法の選択ができない場合があります。

①中国の法律に準拠法の指定に関する強行法規がある場合、②外国の法理を適用すると中国の社会公共の利益を損なう場合は、渉外契約であっても準拠法を指定することができません。(渉外民事関連法律適用法第4条、5条)

 

準拠法の指定に課する強行法規がある場合に関しては、「渉外民事又は商事契約紛争事件の審理における法律適用の若干問題に関する規定」第8条に下記のように規定されています。

①中外合弁企業契約

②中外合作経営企業契約

③中外合作による自然調査の探索及び開発に関する契約

④中外合弁企業、中外合作経営企業、外商独資企業の持分譲渡契約

⑤外国の自然人、法人又はその他の組織による中華人民共和国の領域内に設立された中外合弁企業、中外合作経営企業の請負経営に関する契約

⑥外国の自然人、法人又はその他の組織による中華人民共和国の領域内の非外商投資企業の株主の株式の買収に関する契約

⑦外国の自然人、法人又はその他の組織による中華人民共和国の領域内の非外商投資の有限責任会社又は株式会社の増資に関する契約

⑧外国の自然人、法人又はその他の組織による中華人民共和国の領域内の非外商投資企業の資産の引き受けに関する契約

⑦中華人民共和国の法律、行政法規が中華人民共和国の法律を適用すべきものと定めるその他の契約

 

この度の、持分譲渡は、上記の④に該当します。

 

したがって、中国法が適用されることとなります。


 

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耐用年数の延長について Q&A

2017年05月18日 14時58分53秒 | 中国の税務

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

現在、耐用年数を10年としている設備があります。(最短耐用年数10年)

設備の状況を鑑みて、耐用年数を15年に変更する予定です。

その場合は、会計上及び税務上共に15年にすることができるのでしょうか。

 

A,

会計上及び税務上共に15年となります。

 

中国では、「中華人民共和国企業所得税法」及び同実施条例に固定資産の税務上の処理について記載されています。

 

固定資産の最短耐用年数

各固定資産の減価償却計算に用いる最短耐用年数は原則として以下のとおりです。(実施条例60条)

・建物、構築物:20年

・飛行機、列車、船舶、機器、機械及びその他の生産設備:10年

・生産経営に関連する器具、工具、家具等:5年

・飛行機、列車、船舶以外の運輸工具:4年

・電子設備:3年

会計処理と税務処理

会計上の耐用年数が税法に規定する最短耐用年数より短い場合、会計上の耐用年数に基づいて計算した場合の減価償却費を上回る部分については、当期の課税所得額を加算調整します。この場合、会計上の減価償却が終了した後、税務上でまだ損金算入していない部分は、税務上の耐用年数の残存期間において継続して損金に算入することができます。
一方、会計上の耐用年数が税法に規定する最短耐用年数より長い場合は、税法に別途規定する場合を除き、会計上の耐用年数に基づいて減価償却費を損金算入することになります。(「企業所得税の課税所得額の若干の問題に関する公告」(国税「2014」29号))

今回は、税務上の最短耐用年数10年であり、見積の変更によって会計上の減価償却を15年に変更することで、税務上の減価償却も会計上と同じ15年に変更になります。


 

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個人による中国国外への送金について Q&A

2017年05月11日 13時42分08秒 | お知らせ

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

個人による中国国外へ送金の規制について教えてください。

 

A,

 

人民元の外貨交換に対する制限について

中国では個人が人民元を直接海外に送金することが出来ないため、人民元を外貨に換金する手続きが必要となります。人民元から外貨への換金は、中国人と外国人で取り扱いが異なります。(「個人外貨管理弁法(中国人民銀行令)[2006]第3号)」「個人外貨管理弁法実施細則(匯発[2007]1号)」)

(1) 中国人の場合

 1人当たり年間5万ドルの年度総額管理制を採用されています。身分証番号ごとに管理された残高の範囲内で外貨両替が認められております。

(2) 外国人の場合

 中国で得た給与や不動産の売却収入などの人民元収入は、納税証明などの証憑書類を銀行に提示することで外貨への換金が認められます。また、外貨から換金した人民元を再度外貨に換金する場合には、身分証明書と元の外貨換金証明書(24カ月以内)を銀行に提示し、手続きを行う必要があります。なお、換金額が500ドル以内の場合には、身分証明書のみで換金可能です。

 

中国からの国外送金の制限について

 経常項目の国外送金については、外貨口座預金から送金する方法と、現金を送金する方法があります。なお、中国人・外国人ともに取り扱いは同じです。(「個人外貨管理弁法実施細則(匯発[2007]1号)」、「人民銀行公告[2004]第18号」)

(1) 外貨口座からの送金

 個人が外貨を国外に送金する場合、送金額が5万ドル相当以下であれば、銀行に身分証明書を提示することで送金可能です。

送金額が5万ドル相当を超える場合は、銀行に身分証明書及び取引金額の記載がある証憑書類などの書類を銀行に提出することで送金可能です。

(2) 現金の送金

 個人が外貨を国外に送金する場合、送金額が1万ドル相当以下であれば、銀行に身分証明書を提示することで送金可能です。

送金額が1万ドル相当を超える場合は、銀行に身分証明書及び取引金額の記載がある証憑書類などの書類を銀行に提出することで送金可能です。

 


 

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中国国外への送金について(サービス) Q&A

2017年05月04日 13時26分10秒 | 中国の税務

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

中国から日本へサービス送金します。注意点を教えてください。

 

A,

 

送金金額が5万ドル以上の場合は、税務局に事前届け出を行う必要があります。

 

中国から国外へサービス送金する際、注意を要するのは、源泉税及び税務局への事前届け出の有無です。

 

源泉税について、まず、増値税(6%)と増値税付加税(税率は地域によって異なる)が発生します。また、企業所得税(20%だが、優遇により10%)も発生します。国外源泉所得税と判断されれば、課税されません。

 

税務局への事前届け出について、金額が5万米ドルを超える場合は、中国税務局への事前届け出が必要になります。

 

実務上は、金額が5万米ドル以下だと銀行手続きだけで送金が可能となります。

なお、1年以上前の債務については、外貨管理上送金することができません。

 

源泉税が発生するかどうかについて、仮に国外源泉所得税と認識していたとしても、取引内容によっては、税務局から課税と判断される可能性もあります。

まずは税務局へ確認を行うことをお勧めいたします。

 


 

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税関登記必要資料の明確化 Q&A

2017年04月27日 10時55分43秒 | 中国の投資環境・経済

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

中国税関総署から2017年2月3日付で『外商投資企業の登録登記関連事項の明確化に関する公告』(税関総署公告2017年第9号)が公布されました。

 

これにより、外商投資企業の税関登記の際の資料が明確化されました。

具体的には、下記の資料を提出する必要があります。

① 通関申告単位状況登記表

② 営業許可証副本のコピー及び組織機構コード証副本のコピー

③ 下記の内いずれか一つ

・ 対外貿易経営者届出登記表コピー

・ 外商投資企業批准証書のコピー

・ 外商投資企業設立届出受領証又は外商投資企業変更届出受領証のコピー

  

これから進出し、輸出入を予定している企業はこの公告を確認してください。

 

http://www.customs.gov.cn/publish/portal0/tab399/info838488.htm


 

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輸入増値税仕入税額控除管理の強化 Q&A

2017年04月20日 13時34分57秒 | 中国の税務

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

中国国家税務総局より、2017年2月13日付で「輸入増値税仕入税額控除管理の強化に関する公告」が出されました。《关于加强海关进口增值税抵扣管理的公告(国家税务总局公告2017第3号)》

 

輸入増値税は、輸入企業において仕入れ税額控除の対象となりますが、不正が多く、管理を強化するようです。税務機関の確認ができないと税額控除ができなくなりますのでご注意ください。

 

本公告の内容の抜粋は下記のとおりです。

 

▹ 税関納税票の照合確認及び仕入税額控除管理を全面的に強化する。

▹ 増値税一般納税人は、貨物を輸入した際、企業名称を記入しなければならない。税関納税票上の企業名称と税務登記の企業名称は一致していなければならない。

▹ 税務機関は輸入貨物の増値税仕入税額控除範囲の税関納税票の情報と税関が収集した納税情報を照合確認する。

▹ 照合確認で問題がない場合、税関納税票上に明記されている増値税額は仕入税額控除増値税とみなす。

▹ 照合確認で問題がある場合、仕入税額控除は一時停止し、税関納税票と納税人の実際輸入業務情報の一致が確認された後、仕入税額控除を行う。

 

内容に特に目新しいものはありませんが、税関の税関納税票の正確性がより厳格に求められるようですので、注意が必要です。


 

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2016年都市別不動産ランキング Q&A

2017年04月13日 13時05分40秒 | 中国の投資環境・経済

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

上海易居房地产研究院が2016年の不動産ランキングを発表しました。

面積では、成都が第一位、価格では、深圳が第一位となっております。

価格に関して、昨年は上海が第一位でしたが、深圳の増加率が56%と全国トップであり、上海を抜き第一位に躍り出ました。

 

それぞれのトップ3は下記のとおりです。

 

成約面積

第一位:成都(2,909万㎡)、第二位:武漢(2,881万㎡)、第三位:天津(2,332万㎡)。

成約面積(増加率)

第一位:镇江(164%)、第二位:漳州(139%)、第三位:芜湖(105%)

成約価格

第一位:深圳(53,774元/1㎡)、第二位:上海(38,283元/1㎡)、第三位:北京(38,283元/1㎡)。

(金額は1㎡あたり)

 

成約価格(増加率)

深圳(56%、苏州(43%)、东莞(38%)。

なお、上海は、昨年から20%の上昇となっております。

 


 

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非全日制労働者の社会保険加入について Q&A

2017年04月06日 10時56分04秒 | 中国の投資環境・経済

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

非全日制労働者の採用を検討しています。社会保険は必要でしょうか。

 

A,

非全日制労働者については、社会保険に加入させる必要はありません。

 

雇用者は原則として従業員を社会保険に加入させる必要がありますが、これは非全日制労働者には当てはまりません。

中国社会保険法には、非全日制労働者は社会保険に加入できると規定されており、加入しなければならないとは規定されておりません(中国社会保险法第十条、第二十三条)。

 

ただし、傷害保険については、加入の義務がありますので、

非全日制労働者を雇用する際には、忘れずに加入させる必要があります。

(劳动保障部关于非全日制用工若干问题的意见 第十二条)。

 


 

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分公司の企業所得税納税について Q&A

2017年03月30日 14時54分19秒 | お知らせ

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

分公司の企業所得税納税について、教えてください。

 

A,

分公司の企業所得税納税には、合算納税方式と分割納税方式の二種類があります。

 

▹ 合算納税方式 (一般的な方法)

総公司及び各分公司の財務諸表を合算し、総公司にて企業所得税を計算。その後、一定の基準に従って、総公司及び各分公司へ配賦します。

 

配賦基準は下記のとおりです。

 

当期間の企業の納税額の50%を総公司に配布、残り50%を下記の基準に基づき、覚分公司に配布。

 

各分公司の配賦割合 =  (当分公司の営業収入/各分公司の営業収入の和)× 0.35 +(当分公司の従業員給与/各分公司の従業員給与の和)× 0.35 +(当分公司の資産総額/各分公司の資産総額の和)× 0.3

 

▹ 分割納税方式

各分公司がそれぞれ課税金額を算出し、企業所得税を納税します。

それぞれの分公司が別会社として運営しているイメージとなります。

 

合算納税方式であれば、総公司、各分公司の利益、損失の平準化を図ることができますが、分割納税方式ではそれができません。税務上の観点からは、合算納税方式に利点があります。


 

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分公司の種類について Q&A

2017年03月23日 09時27分24秒 | 中国の投資環境・経済

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

営業性分公司と非営業性分公司の違いについて、教えてください。

 

A,

分公司には、営業性分公司と非営業性分公司があります。

 

営業性分公司は、営業活動を行うことができます。発票の発行も可能で、納税や売上認識も分公司で行うことになります。

 

一方で非営業性分公司は、営業活動は行うことができません。

あくまで本社のサポート業務のみ行うことができます。

 

 

  営業性分公司 非営業性分公司
定義 総公司の経営及び業務の必要性に伴い創設された経営権を有する販売、生産、経営拠点 総公司の経営及び業務の必要性に伴い設立された連絡、情報拠点
法人格 独立した法人格無し 独立した法人格無し
登記 登記あり 登記あり
資本金 不要 不要
代表 分公司代表者 分公司代表者
契約の締結 可能 不可能
発票の発行 可能 不可能
納税 企業所得税、増値税、個人所得税 個人所得税(企業所得税は無し)
従業員の効用 可能 可能
備考   登記地域にとって、税収の増加につながらないため(法人税がない)、設立に関し当局は非協力的

 

財務諸表の作成や、増値税等の納税義務がないため、一般的に、営業活動を行わないのであれば、非営業性分公司を設立した方が、メリットがあるといえます。ただし、実務上、非営業性分公司は、当局にとって税収の増加に繋がり難いため、地域によっては、営業活動を行う分公司を設立するよう求められるケースもあります。


 

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