たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

花の名山を巡る「みちのく一人旅」 《秋田駒ケ岳》 その2 2008年6月27日(金)

2008-07-01 | 東北の山

 その1からの続きです。



馬の背から横岳までは先ほど通った道です。
横岳に着き、今度は間違わないように“大焼砂方面”をしっかり確認して右に曲がりました。


すると、すぐにタカネスミレが出迎えてくれました。



そうそう、この風景、これが見たかったのです!!
焼森の群落もよかったけどやはりこちらはスケールが違います。とにかくすごいのです!!



誰もが歓声をあげて見とれていました。




しかし、強風が絶え間なく吹きつけるので、風が止む一瞬を待ちます。
先ほどまでそれほど風を感じることはなかったのに、ここへ来た途端ですから、この場所は常に強風にさらされているのかもしれませんね!



少し進むとコマクサが混じってきました。
時折ガスが晴れるとむこうの谷が見えます。



どんどん下るにつけ、若く瑞々しいタカネスミレが目立つようになりました。
不思議です。普通は低い方から先に咲き始めるはずなのに…




そして、タカネスミレよりコマクサの勢力が強くなりました。


一二週間後はコマクサが満開を迎え、これまた素晴らしい景色になることでしょう!!

東北のコマクサが一株に付ける花の数は半端じゃありません。
この株も半分ぐらいは蕾ですから全部が咲き揃うとブーケのようにこんもりとした姿になるのでしょうね!



さりげなくホソバイワベンケイも咲いています。




大焼砂の花々をゆっくり過ぎるほど観賞したら次は谷に下ります。






ここから砂礫をズルズルと下り、ムーミン谷を越えて男岳分岐に戻ります。


サラサドウダン



ガクウラジロヨウラク


木道が現れました。


大焼砂から見えていた細い線はこの木道だったのですね~




ここでもヒナザクラがかわいい姿で待っていてくれました。
当然、撮影タイムに突入となります!!




何とも言えず、のどかで心が落ち着く風景です。



そしてこの白い点々は…



チングルマなのです!!こんなにすごい大大大群落は初めてです!!

男岳の登りにかかると今度は


シラネアオイがどっさり!




これでもか、というほど咲いています。


ミネザクラ



ムシトリスミレ

大型で色の淡いムシトリスミレをたくさん見かけました。


オノエラン

ほかにもイワカガミ、オオバキスミレ、ミヤマスミレなども咲いていて飽きることはないのですが、いかんせん急な登りに力らずヨレヨレ状態。
時刻はすでに14:45、帰りのバスまで1時間40分しか残っていないのに、
この調子だと男女岳どころか男岳すらピストンする時間もありません。

ふと、考えてみると登り始めて食事はおろか水分の補給もしていなかったことに気がつきました。
次々に登場する美しい花たちに心を奪われ水分を摂ることも忘れていました。
時間も厳しいようだし、ピークハントは諦めるしかないようです。
覚悟を決め、ここで大休止、サンドイッチとお茶でエネルギーの補給をすることにしました。
シラネアオイに囲まれて至福のひとときです。


さて分岐まであと一息!!


15:00
男岳分岐、ここからは阿弥陀池に戻り素直に八合目バス停に戻ることにしました。

この登山道にもお花がいっぱいです。

キョロキョロしながらゆっくり歩いていると、

ミヤマウスユキソウ発見!!

もう咲いているのですね~すごく得した気分です。


ゴゼンタチバナとイワカガミ


ツマトリソウ、白いイワカガミ、ミヤマキンバイ、キバナノコマノツメなどが登山道を彩ります。


15:40
片倉山



ノウゴウイチゴ

シロバナノヘビイチゴはよく見るのですがノウゴウイチゴはお初の対面でした。

イワテハタザオ

見つけましたよ!!
イワテハタザオが下を向いて生えていました。、
といってもこの手の植物の違いがいまひとつわからないのですが…
まぁ、秋田駒に咲くハタザオですからイワテハタザオに間違いないでしょう!う~~んたぶんね…
ほかにも、ロープの奥にイソツツジなども見つけました。




16:10
男女岳を諦めたからゆっくり出来るかとおもったら意外や意外、あと15分でバスの発車時刻です。

秋田駒は噂には聞いていたけど想像以上にお花の種類が多く時間もかかりました。
結局、横岳~馬の背~浄土平~男岳分岐~馬の背~横岳
この区間のロスタイムが響き山頂を踏むことが出来ませんでした。でも、それほど落胆はしてません。

秋田駒のそれぞれのコースは歩かなければわからない魅力あるので、これはこれで良かったかもしれません。

 


予定通り田沢湖駅に一時間弱で到着、18:05の新幹線で盛岡に向かいました。

梅雨の晴れ間を見事に引き当てた秋田駒から無事に下山することが出来ました。
でも、標高差が少ないからと少々軽くみていた秋田駒ケ岳、こんな調子で岩手山は大丈夫でしょうか?。何しろ明日は登り標高差1400m、下り1500mもあるのですから…
さぁ、気合を入れて頑張ろう!!




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29 コメント

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早速拝見 (Hg)
2008-07-01 22:57:10
いやぁ~、花の種類といい、密度の濃さ、群落といい素晴らしいですね!!...カメラの腕の方もですが^^;
中でもチングルマとタカネスミレ、凄いです!
タカネスミレに関しては以前、大雪山系で凄い群落を見ましたが負けてなさそうです。

行くのが楽しみになってきました(^_^)...お天気が少々気になりますが^^; 因み自分は6日に登る予定です。

早速ありがとうございました。大いに参考になりそうです。
岩手山と早池峰レポも楽しみにしています。

新幹線だと (ridge_line)
2008-07-01 23:38:45
その日のうちにこんな花風景が見られるんですね。途切れなく花が現れてこの日の忙しさと興奮が伝わってきました。きれいな写真を見せていただきありがとうございました。
興奮が伝わってきますね (宮本)
2008-07-02 00:14:14
 北東北をめぐる花の山旅レポート、アップを待っていました。秋田駒ヶ岳は8合目までバスで上がれるので、山登りの苦労をせずに植物観察に集中できるのがよいですね(たんべぇさんはそんなことないかも)。わたしが大焼砂に行ったときは、小雨まじりの強風で、群落の撮影どころか、写真すら満足に撮ることができませんでした。たんべぇさんは、梅雨のさなかの晴れ間にめぐまれてよかったですね。

 ところで秋田駒ヶ岳に咲いている白いイワカガミは、ヒメイワカガミです。葉の鋸歯の数が少ないのがわかると思います。「高山に咲く花」(山と渓谷社)あたりをめくってみてください。
たまんないですね (アヒル副隊長)
2008-07-02 00:54:01
秋田駒、噂通りの凄い花ですね。
名古屋からでは秋田はめっちゃ遠いです。
きっと梅雨の晴れ間の秋田駒なんて一生いけないだろうなぁ。
でも、チングルマの大群落は一度見ておきたいです。
とりあえず、たんべぇさんのレポをじっくりと見させてもらって行った気分に浸ります。
Hgさん (たんべぇ)
2008-07-02 21:15:27
Hgさん、こんばんは!
6日ですか、いいですね~
一週間後だとコマクサが一段と美しくなっていることでしょうね~
今回の秋田駒ではエゾツツジに会うのを楽しみにしていました。
残念ながら私は見つけることができませんでしたが、
帰りのバスで一緒になった方は一輪だけ見つけることができたと話をしておられました。
Hgさんの時は咲いているといいですね!
楽しみに待っています(^-^)v


ridge_lineさん (たんべぇ)
2008-07-02 21:28:55
ridge_lineさんは北岳にいかれたのですね。
今年は広河原へ行くバスが早めに運行されると聞いてキタダケソウも気になっていました。

“こまち”で行くと田沢湖もアッいう間です。
この日は「大人の休日倶楽部パス」を持ったオトナな方たちでごった返してましたよ
いつもは嬉しくないオトナですがこの日ばかり有難いと思いました
宮本さん (たんべぇ)
2008-07-02 21:39:49
おかげさまで梅雨の晴れ間をうまくGETしました。
今年の夏山の運を使い尽くしたかもしれません。

>ところで秋田駒ヶ岳に咲いている白いイワカガミは、ヒメイワカガミです
宮本さんが写真を提供されている「高山の花」で早速確認いたしました。有難うございました。
アカバナヒメイワカガミの時、シロバナは・・・・と教えていただいていたのにすっかり忘れてました本当に情けないです
図鑑をめくっていると、ハンショウヅルにも疑問をかんじました。東北にはミヤマとコミヤマは両方咲くのでしょうか?

識別のポイントとなる葉をしっかり撮影してないこことが悔やまれます。


アヒル副隊長さん (たんべぇ)
2008-07-02 21:46:07
副隊長さん、こんばんは!
尾瀬は断念されたのですね!
今年はワタスゲが数年来の大豊作と聞いています。
行きたいですね~~
大豊作といえば、この秋田駒のチングルマはすごいです。毎年このような大群落なのか今年が特別なのかは知りませんが圧巻でした。
名古屋からでもそう遠くはないですよ~
是非お出かけください!!
Unknown (きぬ)
2008-07-02 23:09:45
わぁ、待ってました~!「みちのくオトナひとりたび」
いやー (atsu510)
2008-07-02 23:18:02
羨ましいっす!
できれば、今年アプローチしたい東北。

秋田駒ヶ岳もその筆頭。

しかし、キレイですね。まさに天然花畑。

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