たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2023/4/1 菜種梅雨の晴れ間、一夜。

2023-04-06 | たまおの星便り

 入学式は満開の桜の下で、は今は昔話。今年も卒業シーズン3月半ばにはすでに桜の花が咲き誇っていた。そして、花曇りと合わせて何日も延々と降り続く菜種梅雨。中旬から始まる新月期は、結局、一日も房総半島に快晴夜がなく3月を終えた。
 太った月が沈むのが午前3時過ぎ、薄明開始が午前4時過ぎ、計算上の暗夜がわずか1時間という4月1日未明になって、ようやく九十九里海岸に晴れ間が戻ってきた。
 月がまだ西に高い午前2時過ぎに海岸に到着し、機材をセットする。月明の中で夏の天の川が東の洋上に昇り始めている。夜霧が地面を這っているが遠く銚子の街明かりも見えて透明度は悪くない。
 月が西の地平
近くなったのを確かめて、南から東の空に密かに光る3つの周期彗星に狙いを定める。特に364Pパンスターズ彗星は一日に約4度(月の見かけの大きさの8倍)ものスピードで東に移動している。まだ暗く小さい姿ながら西に「ほうき星」らしい細く長い尾をひいている(画像上左)。
 刻々と迫る薄明を気にしながら、はくちょう座からわし座へと流れる天の川よりもさらに東の低空に望遠鏡の筒先を向けていく。
 薄明が始まり東の洋上に赤みが射してきた午前4時過ぎにもう一つのパンスターズ彗星C/2022A2を狙う。約11等と暗いながらやはり彗星らしい尾を引きながら明け方の光に消えていった(画像上右)。

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