たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2017/7/21(金) 梅雨明け後の混沌とした晴れ間。

2017-08-03 | たまおの星便り

 梅雨が始まりひと月、ふた月、星は拝めないだろうと思ったら、口惜しいことに7月上旬の満月頃から連日連夜の猛暑、夏空が広がった。中旬になってようやく梅雨明けがたどたどしく宣言されたが、皮肉にも今度は大気不安定の毎日となった。それでも、月はあるがGPV気象予報ではかろうじて朝まで晴れ予想の日がやっと到来した。気象衛星画像でもはっきりした雲は房総半島付近にはない。例年、梅雨明け直後に見られる透明度の高い抜けるような星空には程遠かったが夜半前に九十九里に向かった。着いてみると南風が予想外に強い。そのため海岸砂浜ではなく、駐車場の西端に車を風除けにして機材を設置した。
 空はすっかり秋景色になっていた。バーティノフマスクでのピント合わせには一等星以上の明るい星のほうが精度がでるが、フォーマルハウトは南天に低く車体が邪魔になる。やむなく二等星のアンドロメダ座αアルフェラッツでピント出しをする。そこからすぐにペガスス座αマルカブに筒先を向ける。この星の東を13等で移動するC/2015VL2レモン・ヨン・パンスターズ彗星を導入しようとしたが、赤経を逆に回転させてしまった。実はこの梅雨休みのミニ工作として手動の赤緯微動ギヤと赤経微動ギヤをシャフトに取り付けた。それぞれ目盛一回転で5.0×3.1°だけ写野を移動できる。だが、このアナログな回転操作にはまだ慣れていない(画像下 右はプリンターのインクリボンを利用した素通しファインダー)。

 2時半過ぎに南西から雲が流れてきて空の半分を覆い始めた。さらに透明度が悪くなり東天低空の逆三日月も時々雲に隠れるようになった。薄明が進むなかで雲間を縫いながらC/2015ER61パンスターズ彗星を写野に入れたが偶然に11・1等星と完全に重なっていたのが後で判明した。まだ暗い217Pリニア彗星はかすかな尾が写っていた。
 3時半過ぎ、空が白み始めると雲量8、気温25℃、ほぼ曇りとなって機材撤収を始めた。

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