たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2011/1/22 星図ソフトのトラブル頻発。

2011-01-28 | たまおの星便り

 信頼できる星図はまさに船乗りの海図に等しく、大海原の果てにある安息の地を指し示す、いにしえの羅針盤のような存在でもある。
 32cm反射でのディープスカイでもデジカメによる彗星の光度観測でも、バッテリー駆動のノートPCを傍らにおいて、野外でアメリカの星図ソフト「GUIDE8.0」を起動し、常用している。
 この星図ソフトは市販の多目的星図と異なって、開発者が彗星や小惑星などの観測者に向けて設計したということもあって、シンプルながら基本データが充実しており、世界中のたくさんのプロ、アマに使われている。
http://www.projectpluto.com/
 ところが、観測の準備、整理用に自宅のPCに別にインストールした「GUIDE8.0」がここ数ヶ月、突然起動できなくなるトラブルが頻繁に発生している。原因は不明だが、野外のWINDOWS XPのPCでは全く問題なく、自宅のVISTAのPCにトラブルが集中していることから、WINDOWS VISTAに何らかの関係があるように思われる。以前から他の既存のソフトでもVISTA上でトラブルが絶えないといわれており、当然、上記サイトの修正プログラムもダウンロードしているのだが、起動トラブルは一向に改善されない。この点をアメリカの開発者にメールで問い合わせてみたが、明確な解決策は示されなかった。
 トラブルをかかえた羅針盤の航海は星海原でも事故の元、早く何とかしたいのだが・・・・。
(画像は星図ソフトGUIDE8.0の画面、1/22未明のさそり座頭部付近、黄色い枠はデジカメの画角。)

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・2011/1/8 凍てつく暁天の水星、金星、さそり座

2011-01-09 | たまおの星便り

 正月休みは冬型が強すぎて雪雲が房総にも流れ込みゆっくり航海できなかった。
 安定した寒冷大気が覆いかぶさり快晴となった週末、夜半から未明にかけて出航した。
 深夜1時過ぎに到着、機材をセットしているうちに既に寒暖計はマイナス5度近く、
風は強くないが強烈な寒気を北から運んで来て頬が痛い。服上下の重ね着、防寒靴ともに
今冬の最重装備となった。
 そうこうしているうちに時間が過ぎ、暗くなったが写真ではまだ写る103P ハートレー彗星は
大犬座で南中をかなり過ぎて光害の目立つ西天域に移ってしまった。さらに気温は下がり続け、
大気はますます澄み渡り、春の星座から夏の星座へと昇る東天域の星々がいつもより明るく
輝いて見える。
 薄明が進んで航海終了間近、東南海上から水星が顔を出す。凍える大気の中、あの
コペルニクスも見ることがなかったという水星が昇り、真冬に輝く夏の星座に金星が華を添える
新年の夜明け。寒さをこらえてしばらくその星景にみとれてしまった。
(左下輝星は水星、右上は金星、右下はさそり座とアンタレス)

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