たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2014/6/1 梅雨入り直前、初夏の太陽とほうき星。

2014-06-14 | たまおの星便り

 夏の太陽が照りつける梅雨入り前の日曜午前、船橋市のプラネタリウム館で珍しい観測機材に出会った。アメリカ製の「SOLARSCOPE」というアルミの筒と化粧ダンボールだけでできたユニークな太陽投影装置で、どこにでも携帯して組み立てて太陽黒点を安全に見ることができる。アルミの筒先には50ミリ径の小さいながら良質なアクロマートレンズがはめ込まれ、ここを通った太陽光はダンボールボックスの底にあるアルミメッキされた凸面鏡に反射してボックスの天井に15センチ程度の太陽像を写す仕組みになっている。凸面鏡が収まっているアルミ製のセルには細かいネジ山が切ってあってわずかに鏡を前後させることで正確にピントを調節することもできる。ふつうの望遠鏡を使って接眼レンズを通して太陽を長時間投影すると接眼レンズが熱で破損する危険もあるが、この「SOLARSCOPE」は接眼レンズにあたる部分が凸の鏡になっているので熱に強く、長時間、太陽を投影できる。この凸面鏡を使うところが、いかにもアメリカ的、大陸的な意外な発想だと感じた。この日は黒点は端に一か所しか見えなかったが画像では粒状斑も見えていた。
 昼間の好天に誘われ、まもなく梅雨入りという予報にあおられるように、その夜は九十九里に車を走らせた。例によって夜半の到着、天の川の一部はすでに天頂を越えていた。さらに早くなった薄明時間を気にしながら機材をセットする。梅雨明けまで約二か月、その頃はもう暗くなっているだろと思いながら約9等級のC/2012X1リニア彗星を画像に収めた。
 

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