すきゃったどろわーず

「ひきだしバラバラ」~mici_konによる、美術展レビューとか音楽や身辺雑記です。

観たタイミング

2015-02-14 15:42:40 | 映画


先日、横浜のミニシアターで観たドキュメンタリー映画です。

奥さんが若くして「レビー小体型認知症」にかかった小児科医夫妻の日常に寄り添って描かれています。
実は私の母も同じ症状を持っていまして、何か接する上での助けになるかも知れないと思ったのです。


東京で小児科医として小児がんの子どもたちを支え続けた石本浩市さんが、50代を迎えたところで
故郷・高知に戻って小児科クリニックを開業されます。

同い年の幼なじみでもある奥様、弥生さんがその頃から様子が不安そうになっていました。
はじめは統合失調症と診断されてしまったのですが、実は若年性の認知症、
幻覚や幻聴が見え、運動機能にも影響がでる「レビー小体型」と呼ばれる認知症の症状だったのです。

年齢的にまだ施設に入れない、ご主人は多忙を極める開業医という環境下で、
はじめお二人はどんどんと悪い状況にはまって行かれるのですが、
少し経って奥様の姉妹がケアしてくれることになったり、デイケア施設でのサポートが入るようになったりで、
徐々に奥様の表情が柔らかく変化して行きます。素敵な笑顔!

「彼女にとっては自分の周りが3倍速ビデオでどんどん流れていくように映っている。」との
言葉にはっとしました。
母とのやりとりで、特に顔の見えない電話では、話が上手く通じない事にイライラする事もあるのですが、
相手の立場に立って見ると、それも仕方の無い事かと得心がいきます。

帰省する直前のタイミングで見る事が出来たのは本当に良かったと思っています。

最後の方で石本医師が、「こんな事になるとは予想もしていなかった。だから人生は面白い。・・・生きなきゃ」
と話すくだりがとても印象的でした。
見ようによってはこれは上等のラブロマンスでしたよ。
良いご夫婦でした。ずっとお幸せに。


近い!

2015-02-02 09:08:22 | Ice shows
プルシェンコやジュベールが出演 かながわフィギュアフェス/神奈川新聞(カナロコ)


まとめての更新ですが・・・良いショーでした。

相模原市市制施行60周年を記念したイベントで、JAXAのお隣にある運動公園で開催されました。
会場の「銀河アリーナ」は、夏はプール、冬はスケート場として親しまれているようです。

これまでで一番氷から近い席で鑑賞できました。
目の前5メートルをスケーター達が滑って行く迫力!

神奈川県内で練習を頑張っている子どもたち(ジュニア、ノービス)の発表会に
超豪華ゲストという形でしたけれど、
演技前に各選手の目標(子どもたち)、メッセージ(ゲスト)が流れる演出は
なかなかに良かったです。

大手術からまだ一年経っていないプルシェンコは一回だけでしたけれど、
ランビエール、ベルネル、ジュベールの3人は2つずつ演技してくれました。
ほんの数メートルの所で高速回転するランビエールは圧巻でありました。

この3人、ヨーロッパで一緒にショーを行うくらいの仲の良さなのです。
ベルネルとジュベールはついこの前までロシアでやっていたプルシェンコのショーにも出ていました。

ヨーロッパから唯一の女性ゲスト、コストナーや、日本からの本田、織田、村主の諸先輩方
みなそれぞれに全く雰囲気の違う演技だったので、チケットの元は十分に取れた気分です。

アイスダンスを始め、続々と若手が育ってきている日本のフィギュアスケート、
まだまだ目が離せない。

そして、おそらくは市の職員さんがたも多かったであろうスタッフの方々にお疲れさまとありがとうを申し上げます。
全般に良い対応をしていただいたと思いました。
帰りの増発バスの手際もなかなかでした。久しぶりのカナチュウさん。

ゲスト選手の国の国旗全部そろえてリンクサイドで熱く応援するファンの熱さも素敵でした。

3時間があっという間

2015-02-02 08:28:28 | 映画
映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』予告編


先週観て来た映画です。
1931年(昭和6年)といえば、亡き父が生まれた年ですが、
その年に甲子園がこんなに熱く盛り上がったという、実話に基づいたお話でした。

3時間、え~長いよと思ったのですけれど、お話に引き込まれて
あっと言う間に感じました。

プロデューサーの魏徳聖(ウェイ・ダーション)氏は、
『海角7号』や『セデック・バレ』の監督としても知られています。
台湾の近代、日本との関わりを通した歴史を取り上げて作品を作ってこられた方です。
『セデック・バレ』は、霧社事件--台湾の山岳民族(原住民)が日本の警官の横暴に怒って運動会を襲撃し、多数の死傷者を出してしまった--がテーマの映画で、
昨年WOWOWで放映されたものを見ました。

前編後編に分かれたこれも4時間あまりの長い映画でしたが、これまであまり知らなかった
原住民(これが台湾での正式呼称だそうです。日本では「高砂族」と総称されてきたりしましたね)の誇り高さと生活様式、日本統治下の台湾の様子が垣間見えて良い作品でした。

その『セデック・バレ』で族長タイモ・ワリスを演じた馬志翔(マー・ジーシアン)氏が
この『KANO』のメガホンを取っておられます。
どうやら野球経験者らしい。

野球を軸に進んでいく物語に、台湾南部の水利事業に尽力した土木技術者
八田與一氏のエピソードが絡んで来ます。
大沢たかおさんが明るく優しい八田先生を演じておられます。劇中でも大の人気者。

驚くべきは、球児たちを演じた若者たちがほぼ演技未経験で撮影に入ったということ。
野球経験を重視してオーディションしたそうなので。
エースの呉明捷(アキラ)を演ずる曹佑寧(ツァオ・ヨウニン)君はトンジと同い年。
親戚のおばちゃんが応援するような気持で、試合のシーンは手に汗を握っておりました。

上映館が少ないそうですけれど、もっともっと多くの映画館で見られるようになってほしいです。