すきゃったどろわーず

「ひきだしバラバラ」~mici_konによる、美術展レビューとか音楽や身辺雑記です。

二日おいて、語ってみる

2006-09-30 15:44:49 | アート
一昨日の「上野で美術展2連打」、行った当日って頭の中を色々な印象が
グルグル乱舞しているため、書き留めずに居たことが少々あります。

ランダムにメモの形で記してみます。

《美術館のレイアウト》
東京芸大の美術館、おそらくはOBの高名な建築家の設計なのでしょう、
モダンならせん階段が バチカン美術館を連想させてくれたり、
全体に軽やかでとてもお洒落なつくりなのです。

・・・が、今回のように高齢の観客が大勢つめかける展覧会には不向きかな。
順路の、フロア移動の動線が複雑なのと、通路がところどころ非常に狭いです。
木曜の記事にも書いたように、その狭いところの壁面両方に、知名度の高い絵がかかっている場合、
時間を掛けて鑑賞したい人と、手っ取り早く移動したい人がスクラム状態に陥ってしまいます。
危険を感じた瞬間もありましたよ。

展示場出口が2階、そこは吹き抜けを囲むフロアになっていて、
通路の片側がミュージアムショップ。これも混んでいると通り抜けるのが大変。

年配のお客さんは、展示室の出入り口や階段のそばで連れ同士で話し込んだり、
人ごみを掻き分けて進みたがる方がいたり、急に立ち止まったり振り返ったりと、
予測の難しい動きをされる場合も多いので、混んできた場合、
ポイントポイントに人の流れを上手く誘導するスタッフがある程度数必要だと思います。
この点、上野の森美術館の方は、お客の動きを見てアドバイスしてくれるスタッフが居てありがたかったです。

東京都美術館の特別展示室の順路も、いつも思うけれど、複雑です。


《独立行政法人》
今はほとんどの国立大学がこの形なのでしょうか?
以前読んだ新聞記事で、「各大学商売に熱心になった」とありました。
芸大も、ミュージアムショップにはいろいろなオリジナルグッズを置いています。

芸大エンピツ・ボールペンとか、芸大スケッチブックとか、
所蔵の名画をモチーフにした文房具や小物などなど。
さすがに「芸大まんじゅう」はみあたりませんでしたが。(笑)
おかげで、お土産やちょっとしたギフトを探すのが楽しいです。

で、東京大学の本郷キャンパスの売店にあるという芋焼酎に今関心があります。(笑)
TVで紹介されていましたが、農学部の研究室で保存されていた、
まぼろしの沖縄黒麹をつかってあるとか・・・
一本¥5000くらいで高いけれど、沖縄戦の前にサンプル採取されて生き残った
菌たちの「かもし」を体感してみたくて。

《手塚先生と『鳥獣戯画』》
芸大美術館のミュージアムショップでは、トンジへのおみやげに
「鳥獣戯画クリアファイル」を買いました。
ウサギや亀が楽しげに荷物を運んだり遊んだりしている絵柄です。

ウサギの耳を見て思ったこと。
手塚先生、『鳥獣戯画』を「日本マンガの原点」だととても大事にされてたけれど、
『ジャングル大帝』のレオや、『ワンダースリー』のウサちゃん型宇宙人の、
耳の先っぽが黒く塗ってあるのって、ここがルーツだったのかな?


《「狙わない」こと》
手塚先生が『鳥獣戯画』を語っている時に出てきた言葉に、
「例えば、子どもに話しかけながらその辺の紙に手すさびに描いた線が、一番美しい」
というのがありました。この絵巻物もおそらくはそのような部分を持っていたのではなかろうかと。

展示のあちこちで、奇しくも同様の事を語っていた絵描きさんが多かったのには
感心すると同時に、「それが極意なのかな」という気分になりました。

力強い作風で知られる中川一政画伯(真鶴に美術館がありますね)も、
絵を描くというのは全身を使う、体力勝負の部分があると述べ、
「手だけや頭だけで絵描きたくないんだ」とおっしゃっていたそうです。

《正岡子規球場》
小さなグラウンドが、東京文化会館の裏手にあるのですが、
芸大美術館からダリ展会場の上野の森美術館に移動する途中に初めて側を通りました。
見ると、記念碑があります。通りすがりにプレートを見ると、
「正岡子規球場」と書いてありました。
伊予の国が生んだ偉大な俳人にゆかりの場所だったとは!
さすがに上野の山は奥深いです。

ダリ展については、次にじっくり見た後にあらためて記事を作ります。


ヨコハマ三塔

2006-09-29 15:46:58 | お出かけ
パスポートオフィスに、受け取りに行ってきました。
少し湿度は高いものの、まずは快適なお天気だったので、
駅から目的地に着くまでの間、スケッチする人を大勢見かけました。
ざっと数えて20人弱。

主にご年配の方々でした。男性も女性も、思い思いの場所に陣取って
スケッチブックやキャンバスに向かっておられました。
昨日、上野から帰ってくる東海道線の車中でも、向かいに座ったお嬢さん(結構可愛かった←中身オヤジでごめんね)が
スケッチブックにペン画を描いてたなぁ。
芸術の秋、実践編です。

一番人気の「モデル」は、横浜市開港記念館の「ジャックの塔」です。
ここだけで周囲に10人以上・・・
周辺にはこのほかに、横浜税関の「クイーンの塔」、神奈川県庁の「キングの塔」
もあり、総称して「横浜三塔」と呼ばれています。

こんな感じです → www.timeslip-y.jp/minato/tower.html

JR・地下鉄の関内駅と港の間、ところどころにこんな風な
雰囲気のある古い建物やお店が残っています。
山下公園そばの大通りは、もうすぐイチョウ並木が黄色く色づいて
お散歩には最高のシーズンが訪れます。

用事を済ませて中華街に回り、良く行く台湾料理屋さんでお昼ご飯。
あっさりしたものを食べたかったので、高菜麺をオーダーしました。
メインストリートから少しはずれているので、落ち着いて食事できます。

10月は、中華街はお祭りが続けて三つあるので、飾りつけもいつもより派手めでした。
1日の国慶節(中華人民共和国の成立日)、今年は6日の中秋節(月餅の出番だ)、
そして10日の双十節(辛亥革命の最初の蜂起を記念する、中華民国・台湾系)

平日なのに相変わらず修学旅行生、団体観光客、近くのオフィスからお昼ご飯を食べに出てきた人々で賑わっていました。
いつもの食材やサンで、いつもの調味料(アワビソース)を買おうとしたら
売り切れ。ガビーーン!あれ重宝するのに・・・
お店の人によると、品切れになって商社にオーダーを出してはいるけれど、
入荷のめどは立っていないのだそうです。
仕方が無いので、丁度シーズンに入った「ザーサイの葉っぱの浅漬け」だけ買いました。
春節(旧正月)くらいまで店頭に並んでいます。ピリッとして美味しいです。

中国茶葉は、現在ウチの在庫が豊富なので購入せず、
雑貨屋さんで、玄関に飾る風水グッズ(八角系の鏡)の小さいのを手に入れて、
仕上げにプチサイズの肉まんを10個ゲット(今晩、多分一瞬で消えるな)したのち、
帰途に付きました。

夏にある方から聞いた、街灯の落書き「TUBE」は、見つけることが出来ず。
この街に行き始めた20ン年前とは違って、ここの商店街も随分歩き易さや
見た目に気を使うようになってきたので、ソッコー消されてしまったんだろうか?

NHK 日曜美術館30年展

2006-09-28 20:43:03 | アート
陽射しの強い上天気、日傘を持って出かけてまいりました。

「NHK日曜美術館30周年展」@東京藝術大学大学美術館

ここ1~2年くらい、「新日曜美術館」になってからは、興味のある題材の時に良く見ていますが、
何せ番組が始まったのがまだ子ども時代。知らない領域の方が多いです。

18日のスペシャル番組や、23日の「新日曜美術館」で放映されたハイライト、
チラシで見る、美術の教科書でおなじみの超有名作品の数々などに誘われました。
初めは、あまり行く気が起こらなかったのですが。

本日のミッション、第一のターゲットが、田中一村。
2点の作品に逢えました。
人生も後半になって奄美に移り住み、亜熱帯の植物や鳥たちを
のびやかに描いた日本画家です。
奄美諸島返還30周年の記念切手の図柄で知りました。

色鮮やかな南国の風物かと思いきや、実物の色彩は、上品な中間色トーン。
丁度水蒸気を軽く纏っているような空気感も、必ず描きこまれている野鳥も素敵。
ガジュマルの根や、枝から垂れ下がる気根、シダ類の葉の面白い形や、緑のグラデーション、
眺めていると、ホッとした気分にさせてくれる絵でした。

絵の脇にあったパネルの中の、画家の言葉から一部ご紹介します。
「・・・それは見せるために描いたのではなく、私の良心を納得させるためにやったのですから。」

そして同じ一角にあった、18日のスペシャル放送を見るまで全く知らなかった画家、
島野十郎の作品3点。(オットーと同郷なのに!)
東京帝大の農学部を主席で卒業するも、恩賜の銀時計を受け取らず、
まったく畑違いの絵画の道を選んだ人、
観察を創作活動の基礎ととらえ、「名画展を見に行く金と時間があるなら、野山に分け入って自然を見る」と
云った人・・・ ”りんごを手にした自画像”からは、この人のロックな精神が
びしびしと伝わってきました。

それほど大きな絵ではないのですが、描いた人の気迫が、今もこもっていると感じました。
TV放映の時に既に強くひきつけられたので、実物と対面できて満足です。
さらに小さな画面の ”蝋燭”には、小さな存在ではあるけれど、
世界の片隅で、しかしはっきりと明るく周囲を照らす人の象徴を見た思いです。
3枚目の”からすうり”、本当にありふれた植物なのに、この人の手にかかると
写実的な中に不思議な気品が漂うのですね。観察者としての眼の確かさと、
鋭い美意識をうかがわせます。

気に入った作品ばかりを語ってしまいましたが、展示そのものは企画展です。
番組で放映された、文化人・著名人が語る好きな芸術家、作品への思いが、
数箇所に設置されたスクリーンコーナーで流れています。

芸術家が、他の芸術家について語るコーナーも。
(たとえば、東山魁夷画伯が、菱田春草画伯を語る)

「アトリエ訪問」という切り口もあり、製作中の岡本太郎画伯の映像などが見られます。
絵画だけではなく、陶芸、彫刻、染色も網羅されています。

「知られざる作家へのまなざし」コーナーでは、さっき上のほうで熱く語った、
番組で取り上げるまであまり知られていなかった画家を紹介しています。
小泉八雲の息子、小泉清の、絵の具を厚塗りした(チューブからそのまま描いてる箇所も)
赤系ベースの、大迫力の人物像や仏像も印象的でした。

黒田清輝について語る白洲正子さんの映像を見られたのも嬉しかったです。
(実はファンなので)

国内各地の美術館からの名品が集結しているので、
見るのが2度目、3度目の絵も多く、古い友人と再会した気持ちも味わう事が出来ました。
特に岐阜県立美術館のルドン、ポーラ美術館の杉山寧 ”洸”

お客の構成は、圧倒的にシルバー!
それだけ長寿番組で、長年見ているファンが多いということでもあるのでしょう。
日本の高齢化社会を肌で感じてしまいました。
平日のお昼前というのに、たくさんの人で賑わっていました。

車椅子の方、杖を付いている方もいらっしゃるので、展示のレイアウトを
少し改善した方が良いと思う場所も数箇所あったなあ。
あまり幅の無い場所の両側に絵を掲げてしまうと、人が多くなった時間帯に
少々危険かもしれませんから。

◇ ◇ ◇ ◇

芸大美術館を出たのが12時を少し回った頃。
今日はピンポイントで一箇所だけにしておく予定だったのですが、
「ダリ回顧展」の場所だけ確認しようと、上野の森美術館(これまで行った事無かった)に足を向けてみたら、
チケット売り場にも入口にも行列が無い!

下見のつもりで入場し、サーッと眺めてきました。
次にトンジ連れで行く時の、重点を押さえる為に。

いやいや、中は結構な人数の観客がいました。でも客層は確実に若い。
あまりに人が溢れている場所はパスして、ミュージアムショップでも品揃えだけ確認して、図録も買わずに帰ってきました。

あと2回は行くと思います。かなり内容は充実しています。
チケットをあらかじめ確保して、朝一狙いがベストかも。

いびき対策テープ

2006-09-27 19:14:12 | ヘルス&ビューティ
正確に云えば「鼻孔拡張テープ」と表すようです。

いびきをかく人が鼻の上に貼るテープ。
うちのオットー氏、イビキマンなので、昨晩何気なしに試してみました。

今朝「眠りはどうだった?」と尋ねてみたら、
「効果てきめん!口開けないで眠れたから、口も渇いてないし、ぐっすり眠れた気がする。」とな。

いびきって、首や舌の奥のほうの形状とか、鼻孔の通りが関係すると
以前テレビで見たことがあります。
オットーはどうやらそれらの条件を美しく充たしているようで、
上を向いて眠ってると、特に外で飲んで来た晩はそれは賑やかです。
時々「詰まって」しまい、いわゆる睡眠時無呼吸症候群的な傾向もあります。

私が気付いたら、「横向けえ!」と突っついてリセットできますが、
一晩中待機しているわけにもいかず、
眠りが浅くて夢ばかり見る、などと常々申しておりました。

睡眠時無呼吸って、ひどくなるといろんな他の病気や事故のもとになりかねないと心配でした。
存在は知っていたこのテープ、「ホントに効果あるのかな?」と
半信半疑だったのですが、先日ドラッグストアで何気なしに手に取ってみて良かったです。

目立たない透明タイプや、子供用、ラージサイズなど数パターンが、
いくつかのメーカーさんから出ているようですね。
毎日使うには少々お高いと思うので、季節や場合に応じて活用してみようと思います。

◇ ◇ ◇ ◇

昨日の夕刊の広告で、
プログレッシブ・ロック界の重鎮、ピンク・フロイドの2枚組DVDが
今日発売になることを知りました。
お値段は約¥5000、あの名盤『狂気』全曲演奏の映像も入ってるそうな。

結成当初から音と同時に、ヴィジュアルにもかなりの力を入れていたバンドなので、
か~な~り惹かれます・・・がっ!

見たい美術展てんこ盛りのこの秋、優先順位はアートに置きたいのです。
ただいま葛藤中。(笑)


留年大臣

2006-09-26 17:32:45 | Weblog
新内閣発足の日。
午後3時過ぎから、1時間ちょっとの間TVつけっぱなし。

組閣人事にこんなに興味が出たのって、初めてじゃないか?
ウルトラマンガタロウ様、外務大臣留任おめでとうございます。(これが見たかった)

新閣僚の記者会見。
この手の会見で爆笑したのはこれも初めて。
タロウ節炸裂(笑)でした。
ライブ中継で見て正解。
夜の各社ニュースでは、都合よく編集される恐れ大ですから。

いきなりボケるんだもの、タロウ様。
「えー、このたび、外務大臣を留年・・・いや留任か・・・しました麻生太郎です。」
真面目な顔でおっしゃってましたが、わざとだなきっと。

マスコミの質問にも、逆突っ込みして見せてくれるし。
(「中国の事をききたかったんでしょう。朝日新聞だから。」とかネ。)
数社が一斉に質問の声を挙げたときには、
「おいおい、交通整理だれがやるんだ?俺か?」とつぶやいたり。
実に楽しい大臣会見でした。

新閣僚の皆様のご活躍をお祈りします。しっかり仕事してね。

◇ ◇ ◇ ◇

集合ポストに毎週入ってくるフリーペーパーの
「映画チケットプレゼント」に応募してみたら当たりました。
招待券が2枚。そして「見た感想を投稿してね」と原稿用紙つき。
川崎駅の西口に新しいシネコンがオープンしたので、そこで上映される作品です。
週末あたりにオットーと見にいこう。
感想はまたこちらにも記しますね。

クレジットカードの会社に応募してる「ダリ回顧展」チケットも当たらないかな?
(アート友が開幕2日目に観に行った情報によると、数回通っても損しない充実した内容らしいです)

ラウル・デュフィ展

2006-09-25 14:05:27 | アート
会期明日までの展覧会に滑り込みました。

これまで観て来たいろいろな展覧会や美術館で、1~2点ずつ置いてあることが多く、
その軽やかな描線と美しい色彩が好きになったフランスの画家、
ラウル・デュフィ(1877~1953)

海辺の町 ル・アーブルに生まれた影響で海や船の絵を数多く描き、
その生きた時代が丁度フォービズムやキュビスムの流行と重なった人。
(アンリ・マティスに大きな影響を受けたとパネル展示で知りました。なるほど!)

画家としてだけではなく、布地のデザインにも手腕を発揮し、
きらびやかな1920年代パリ社交界を彩る服地のデザインを数多く手がけた。

充実した展示でした。駆け込んで正解だった。
ヨットや灯台といった海辺の風景や競馬場を描いた作品はもちろん、
布地や衣装(マネキンに着せてた)の展示は、この芸術家の奥深さを見せ付けてくれました。

画像や詳細な情報はこのあたりで見られます。

公式サイト → www.raoul-dufy.com/ 
       (フランス語。トップ画面の右上「Dufy l'enchanter」をクリック
        →下にスクロールして「Le peintre」のリンクをクリック)

日本語のファンサイト → ttp://homepage3.nifty.com/dufy/


ある日、オンフルールという海辺の街の灯台で、真っ赤なワンピースを着た女の子が駆け抜けるのを目にしたデュフィ、
「輪郭よりも色彩の方が網膜に長く焼きつく」ことを会得し、
フォルム(輪郭)と色彩を分けた表現方法で絵を描くようになったそうです。

今回の展覧会は、このような知識を紹介したパネルと実際の作品の見せ方が
とても上手で、短時間で「デュフィ豆博士」になれた気分です。
大丸ミュージアムの学芸員さんありがとう!

布地デザインに好んで使ったモチーフは、故郷の海を思わせる帆立貝や馬、
エキゾチックな鳥や花、葉っぱという主に自然界のものでした。
このあたりも、同様に自然界を着物や手ぬぐいなどのデザインのお手本にした
日本人の琴線に触れると思いました。

同じ模様でも、布の色、パターンの組み合わせで実に多様です。
強い色使いもあれば渋めの中間色を使ったものもあり、見ていて飽きませんでした。

マネキンが着ていた比較的最近の作品で、薄い白地のオーガンジーに
青と赤で波模様を描いた布を使ったロングドレスがとっても優美で素敵でした。
布が重なった部分は、幾重にも模様が透けて入り組んで、着る人が動くと
さらにそれがゆらめくんだろうなぁ・・・タメイキものでありました。

今回の展示には含まれて居なかったのですが、
この方、文学者、演劇関係者との交流も盛んで、
数多くの小説の挿絵や、舞台美術まで手がけていらしたそうです。
ジャン・コクトーとも堅い友情で結ばれていたらしく、
展覧会出口近くには、コクトーによる賛辞付きの線描が展示されていました。

◇ ◇ ◇ ◇

23日に始まったばかりの上野の森美術館『ダリ回顧展』
なかなか盛況のうちにスタートしたようで、ネットで仕入れた情報では
初日、60分~90分待ちだったとか。
チケット買うのに並ぶ時間が惜しいのと、前売り料金で早めにゲットしたかったので、
帰りに大丸の2階のチケットぴあにて、自分とトンジの分を購入しました。

10月下旬、運動会の代休に行くつもりです。
上野の森美術館のありがたい所は、会期中無休にしてくれたところ。
月曜日もやっててくれて、ありがとう。

観魚室

2006-09-24 21:34:32 | コミック・アニメ
水族館の古い呼び名だとか。
↑こう書いて、「うおのぞき」と読むそうです。

タイトルの字面を見て、まず連想したのが
伊豆・下田の寝姿山山頂にあった「水の無い水族館」(魚が剥製でした)と、
今年2月に展覧会を観に行った銅版画家・長谷川潔の「アクアリウム」という作品。
何となくレトロなイメージを抱きました。

熊本在住の漫画家、松下容子さんの新作読みきりです。
デビュー作の『闇の末裔』(ミステリアスで美しい「死神」のお話)が
いきなり大ヒットでしたが、ここ数年お話の進行がお休みだった作家さんです。
月2回発行の「花とゆめ」にあって、異彩を放つ画風の持ち主。
おおかたの掲載作品が、全体に白っぽい画面なのに対し、気迫のこもった描き込みが私のアンテナをくすぐりました。

上京して量産体制に乗ることを良しとされなかったこともあり、
制作ペースがゆっくりなのですが、根強いファンもまだまだ多い方です。
今回の作品は、まったく新しいお話。
死神も式神も閻魔大王も出てこない、現実世界の高校生姉弟が主人公。

水族館の飼育員を希望する主人公たちが、夏休みに近くの小さな水族館で
魚たちや海獣たち、スタッフの大人たちと繰り広げる日常。
モデルになったのは、天草にある「シードーナツ」というフローティング水族館だそうです。
『闇の末裔』アニメに出てくる天草四郎像の近くのようですね。

良い意味で、新境地を開かれたのではないかと思いました。
題材もそうだし、絵や画面の密度も、適度に緩急が付いて気軽に楽しめました。
以前、この方の絵をみるといつも連想していたのが、アルブレヒト・デューラーの「メランコリア」という銅版画。

こんなの →ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Melencolia_Ijpg

      (線の密度がすごいでしょ?)

『観魚室』では、すみっこにちょこっと描いてあるギャグタッチの人物や動物に
ほほえんでみたり、動物のデッサンの正確さにタメイキをついてみたり、
相変わらずお爺さんのキャラの外見が可愛らしいなと思ってみたり、
何度も楽しみました。
建物を描くのが好きなのかな?とか、描かれた島々の風景が実に正確に天草諸島だなぁ、とか
あ、この山「三角岳」かな?とか・・・

登場人物では、主人公姉弟のお兄さんの「下がり目に泣きボクロ」が気に入ったり、
アザラシに好かれる「犀さん」から『シャンペン・シャワー』の「マウロ」を
連想したり、はい、好き勝手に楽しませていただきました。

そういえば、一番身近にある大規模水族館、まだ行ってないなあ。
(トンジは以前友達とグループで行った)
私自身、水族館好きなもので、ベルーガ(シロイルカ)に逢いに行かなきゃね。

今まで訪れた水族館、高層ビルの中の「サンシャイン国際水族館」(どでかいオヒョウ~ヒラメの一種~の仲間が印象的)や
箱根の「箱根園水族館」(アマゾンの魚が豊富)、沖縄は海洋博記念公園の水族館(ジンベイザメがいる。今は「美ら海水族館」)、
子ども時代に何度も行った「長崎水族館」(少しうらぶれた雰囲気だったけど、ペンギン~当時とっても珍しい~が売りだった。今はペンギン専門に特化してるみたい)、
葛西臨海水族館(マグロの回遊水槽が圧巻!)
などなど、どれも素敵なものですが、何といっても一番印象に残るのがここでした。

「モントレー湾水族館」(カリフォルニア・サンフランシスコから2時間くらい)
スケールのでっかい海藻(ジャイアント・ケルプ)の森を再現した巨大水槽と、
間近で見ることが出来るラッコの展示は、ここならでは。
クラゲの展示にも力入れていますよ。
公式サイト、画像がきれいなので、ご紹介します。

→ www.mbayaq.org/

ひつじ雲

2006-09-23 22:07:28 | Weblog
トンジの熱、昨日朝一でかかりつけの医院に診せたら、
どうやら中耳炎のようです。
そういえば、このところ鼻をグスグスいわせてました。
幼稚園の頃には頻繁に耳鼻科にかかったものですが、久しぶり。
処方してもらった薬が効いたようで、すっかり復活できました。

午後3時ごろ、連絡帳を持ってきてくれた近所の子がピンポン♪
「はぁ~い」と玄関を開けると、そこに居たのは
山盛りのダンスィ!
クラスメイトを中心に、近所の遊び仲間も含めて7~8人の子が満面の笑顔で(^0^)

「トンジ君もう大丈夫ですか?」「顔出せますか?」
愛されてるなオイ!
意表をつく場所から登場したトンジも、テレながらも嬉しそうでした。
友達はありがたいね!

十分に休息を取って、夕方から勉強を始めました。
実は今日の午前中に、理科の確認テストが予定されていたのです。
範囲のプリントをまだこなしていないと、病み上がりなのに、突然張り切り出しました。

塾の友達と、ショートメールで励ましあいながらプリントに向かっていました。
私は翌朝の家事や弁当作りがあるので、1時ごろには床に付きましたが、
朝方まで起きていた模様です。
これまで、家では散々ダラ~リモードだったのに、どうしたんだ一体?
かーさん、大学受験でもそんなに粘った事あまり無かったぞ。

午前中から始まるテストの後は、夕方まで授業の予定だったので、
朝出るときにお昼用の弁当を持たせ、夕方分の弁当は、久しぶりに「配達」しました。

夏期講習の頃に比べて、格段に涼しくなった風。
何だかほのかにイイ香り。キンモクセイの季節が到来です。
つい一つ気前は汗だくになって歩いていたのがウソのようでした。

空もすっかり高くなって、キレイな水色に浮かんでいたのは
ひつじ雲。
正式名称「高積雲」ですが、昔から言い習わされている雲の名前は
どれも洒落ていますね。

ちょっとお勉強になるサイトをご紹介します。
「雲の学習」
→ ttp://rika.shinshu-u.ac.jp/ischool/tenki99/kumo/k_home.htm

受験生モードが本格化して忙しい息子も、時々は雲や星や夕焼け空を見上げて、
季節の移ろいを感じたり、詩人モードになって欲しいものです。

◇ ◇ ◇ ◇

新作をいつも楽しみにしているコミック作家、松下容子さんの
読みきり作品が、今店頭にある「花とゆめ」に掲載されているという情報を得て、
すっごく恥ずかしかったけど、買ってきました。
水族館のおはなしです。
さっと一度読んだ所ですが、この後ゆっくり読み返して秋の夜長を楽しもうっと。

天草の海景が、懐かしく思い出されます。

ハナバイ

2006-09-22 17:29:10 | なごやのおもいで
番組改編期のスペシャルモードに突入したTV界。
昨晩の日テレ系の「都道府県・故郷の大常識」を何とはなしに見てました。

出るかもな~と思ってたら、出ましたよ。
名古屋の習慣「花奪い」(ハナバイと読みます)。

開店するお店の前に飾られた生花を、近所の人々(ほとんどオバサン)が
競って抜いて持ち帰る習慣のことです。

開店する前から待機している人がかなり居る為、開店一時間も経つと、
花があったはずの場所には、花台と、彩りに使う土台の針葉樹(プラスチックだったりする)しか残っていない。

名古屋に住んでいた頃、同じ社宅の奥様から「近所に喫茶店が開店するから行かない?」と誘われました。
単純に、出かけてお茶を飲んで、開店記念の粗品でももらって帰るものとばかり
思ってましたが、地元出身の奥様方の目的は違っていた!

数人で落ち合ったところ、妙に大きなバッグやデイパックを持つのは地元組。
私ともう一人、他県出身者はほぼ手ぶら。

お店の前で目の当たりにした光景は、初めて見る者にとってはアンビリーバボーでした。
「ほらほら、何ボヤッとしてんの?これもらってもいいのヨ!」と促されても、
1~2本しか手が出せない小心者の私を横目に、
デイパックの口を全開にして、蘭などの高そうな花から手際よく放り込んでいく上級者たち・・・

ツワモノになると、自転車でやってきて、大振りの花をごっそり抜いては、
実にさりげなく荷台に積んで、お店には入りもせずに去っていきました。

戦いすんで、お店の中でコーヒーを飲みましたが、私ともうひとりの他県出身者は、
毒気を抜かれてしばらく呆然としておりました。

この習慣、お店サイドは、花を持ち帰ってもらった方が縁起が良いと喜ぶとか。
持って帰ってもらわないと、かえって「繁盛しない」といやがられるらしいです。

ルーツは、岐阜県郡上市にある神社、長滝白山神社の奇祭、「花奪い祭り」だそうです。
参考ページ → www.rurubu.com/event/detail.asp?ID=11035

神社の天井という、高い所に吊るされた造花を、組体操の「タワー」状の
スクラムを組んで、参拝客が奪い合うものです。

「都道府県スペシャル」全体を見ても思いましたが、
日本は面積こそ狭いですが、多様ですね。

転勤族が多い街(藤が丘とか)では、たまにあんまりお持ち帰りされていない
花台も見かけたので、名古屋そのものも、多様なんだと思います。

ちょっとへこんだけど

2006-09-21 17:30:49 | 子育て・受験
このところ一ヶ月くらい、珍しく美術展に出かけていなかったので、
友人を誘って上野の山に「日曜美術館30周年展」を観に行く予定だった今日。

朝早めに出ても大丈夫なように昨晩のうちから段取りしていたのに、
塾から帰ったトンジが、熱を出しました。
当然のことながら本日の予定はキャンセルです。(しくしく)

本人曰く、「昨日、塾に行く前に近所の友達とバスケで遊んでて、
ついつい一生懸命にやって汗かいた。そのまま着替えず出かけてカラダが冷えた。」
からだそうです。

少しずつ大人びてきているとはいえ、まだまだダンスィ色が濃厚なヤツの事、
パワー配分とか、段取りとかいう概念が薄い。
「いい加減目覚めなさい」
アクツマヤ先生に出張説教して欲しいです。

いつもなら朝8時ごろに友達が寄ってくれるので、欠席届を書いた連絡帳が渡せるのですが、
今日は誰も来ない・・・
学校に欠席の連絡を電話ですると、副校長さんが嫌味をおっさるので、
仕方なくパッパと身支度して学校へ。(近くて良かったよ)

校門のところに、担任のT先生が当番で立っていらしてラッキーしました。

午前中、水分を取るのもおっくうがって昏々と眠ってましたが、
昼過ぎあたりから喋りだし、食事もとれるようになりました。
それでもまだ熱はあるので、今日一日安静にしなきゃね。

しかし、医院が休診の木曜日に限って体調を崩すヤツです、アカンボの頃から。
これって、「マーフィーの法則」の一つかな?

オカアチャン業をやっている以上、自分以外の家族の都合で動く事がほとんどになるのは頭でわかっていても、
息抜きの予定が潰れるのはやはりヘコみます。
明日は旦那が休み(会社全体が休み)なのですよぉ~。

時には、全く一人の、あるいは自分だけの趣味を楽しむ時間が必要です。
横浜ベイクォーターに出来た「タラソテラピー」に行くのは、
時間もお金も許さないので、
この週末に時間が2~3時間でも出来たら、
近所の漫画喫茶にこもって『のだめ』読みたいな。

今日のところは、現在ル・クルーゼのお鍋でグツグツいってる
ゆで豚(ウーロン茶でゆでると よろしおすえ)を晩御飯に美味しく食べて
発散することにしましょ。

◇ ◇ ◇ ◇

フジテレビの秋の月9が「のだめ」なんですね!
いま原作をちょこちょこ読んでいるところなので、楽しみです。

さらにさらに、裏軒の大将(峰くんのパパ)が伊武雅刀、
ミルヒが竹中直人と知って、観る気まんまんなのですが・・・
(脇役のオヤジキャストで決める辺りなんだかな~ですが)
この2人がどんな風に爆裂するかが非常に楽しみです。

竹中直人って、『NARUTO』の地雷也を演ってもはまりそうですね。(笑)