すきゃったどろわーず

「ひきだしバラバラ」~mici_konによる、美術展レビューとか音楽や身辺雑記です。

スラヴ叙事詩

2018-04-20 10:02:33 | アート
一年以上あけてしまいました。
色々とバタバタいたしまして、ご無沙汰いたしました。

展示風景からの、続きです。

展示室の向かい、国立新美術館の曲面ガラスに掲示してあった特大ポスター。

その昔のハリウッドスペクタクルに出てきそうな画面です。

一つ一つの絵に物語があるので、これまであまり関心を向ける事の無かった東欧の歴史に興味がわきます。

画面はどれも淡いトーンで厚塗りではありません。

やはり大きかった≪スラヴ叙事詩≫、しかも多数。
かなりの年齢になってからこれを手がけたミュシャの体力と気力には恐れ入ります。


大きいなあ

2017-03-04 16:35:05 | アート
スラヴ叙事詩展示風景


門外不出だとずっと思っていた、ミュシャの≪スラヴ叙事詩≫。
日本で観る事がかなう日がもうすぐやってきます。

数年前に森美術館で見たミュシャ展も素晴らしい構成でしたが、今回の展示は決定的に違う。
時間をたっぷり取って観に行きたいです。

こういう大作を展示するには国立新美術館強いですね。

この動画、展覧会の表には出てこない大切な作業を観られるという意味でも貴重だと思います。
チェコからついていらしたクーリエの皆さまの、ホッとした笑顔が素敵です。


「ミュシャ展」 @国立新美術館(六本木)
 
3月8日(水)~6月5日(月)

公式サイト→ http://www.mucha2017.jp/


昨年の11月に

2017-02-10 14:04:20 | アート
2級までは取っていて、その後何もアクション起こしていなかった
「美術検定」の1級を受けました。

1級になると美術全般の知識を問われるだけでなく、美術館の運営や展覧会の企画といった
観客として以外の視点が必要になるので長いこと「まあ関係ないか~」でおりました。

昨年春ごろになって少し思うところがあって考えが変わってきたのと、
「受けてみなさいよ」と何人かの方々に背中を押して頂いた事もありチャレンジ決定。

受験料だけでほぼ一万円。
試験会場は東京と大阪の二か所のみ。
受けるからには一発合格を狙いたい・・・

そういうわけで、秋口に対策講座を受講しました。これは自己投資。
一日かけた集中講義を二日、少し置いて論述対策講義を一日。

本番が11月半ばでした。文京区の学校が会場。
おそらくは遠方から来たと思われるキャリーケース持参の人、
もしかしたら母より年長かもしれない高齢の方、リタイア後にチャレンジしているとおぼしき年配の方、
さまざまな属性の人々と一緒に2時間ひたすら書き続けました。

オール論述です。
書き出す前に「マインドマップ」で論点整理しようにも、それをやってる時間も問題用紙の余白もない~。
試験監督が「終わりです」と宣言した時には、まったく受かっている気がしませんでした。
すぐ後ろの席の方も「時間が無い」とつぶやいておられたなあ。

結果は、合格でした。
「思いもよらぬ」というのが正直な感想ですが、講座を受講したのが功を奏したのかな。
この勉強を集中的にしたおかげで、美術展を観る時に新しい視点を加えて観賞できるようになったと思います。

さて、次はどの展覧会に足を運ぼうか。

鬼ディテール

2017-01-23 10:38:53 | アート


先日、帰省した日に始まった展覧会です。
以前から注目していた、佐賀県出身の作家、池田学さん。

細い細い丸ペンで緻密に描き込まれた不思議な世界。
圧倒的な画力と、若冲も後ずさりしそうなディテールの凄さ。

佐賀県立美術館で3月20日まで開催中です。
4月には金沢の21世紀美術館、9月には東京の日本橋高島屋へ巡回予定ですが、
比較的ゆったり観賞できる環境は今のうちだと思います。

私は開幕2日目に足を運びましたけれど、あの美術館にあんなに人が居るのは初めて見ました。
地元の新聞社が強力にプッシュしていることもあり、関心が集まっているようです。

写真左側にあるのは、唯一購入したグッズ、ブロックメモ。
代表作の一つ≪興亡史≫を原寸大で400枚に分割した、10センチ四方のメモ用紙です。
壁面と根気があれば原寸大ジグソーパズルが出来ますよ。

クリアファイルや絵葉書は、あの精度の作品なのでどうしても印刷がつぶれてしまう理由で回避しました。

ご無沙汰しました

2017-01-17 19:42:57 | 映画
新年の御挨拶もまだでした。

半年以上ぶりに現れて、いきなり映画をお勧めしちゃいます。
もうご存じの方も多い事でしょう。

私は3度映画館に足を運びました。
アニメ映画をこれまで見た事の無い方にも是非見て欲しい一本です。

映画『この世界の片隅に』予告編

川ぞいにコトコト

2016-08-30 10:38:04 | SATOYAMA
7月の初めに、JR三江線に乗ってきました。
つい先日、おそらく来年9月いっぱいでの廃線が発表されたばかりです。

中国山地のど真ん中・広島県三次市と、日本海に面した港町・島根県江津市を結ぶ全長108Kmあまり。
江津までストレートに行きたけりゃ始発で三次を出なけりゃなりません。
私が利用したのは9時半過ぎの列車だったので、途中の石見川本まで。

中国地方随一の大河、江の川に沿って走る路線なので、車体にアユがあしらわれています。
コワ~イ顔の数々は、この地方に伝わる神楽の登場人物たち。
神々や鬼、豪傑がラッピングされたお神楽トレインです。

普段は一両で走っている事が多いのですが、週末は2両編成。一両目はご年配の方のツアーが乗っていたようで
私がホームにたどり着いた時には既に満席でした。仕方ないので2両目の窓際に何とか陣取りました。

団体さんは途中の伊賀和志(いかわし)という駅でゴッソリ下車されたのでその後ラッピング車両に移動。
多分「神楽門前湯治村」へ移動してお神楽を観るツアーなんだと思います。
35ある駅のひとつひとつに神楽の演目が割り当てられていて、ホームなどにその解説プレートがあります。
広島県内で盛んな神楽、ルーツは石見神楽とのことで、江の川の水運ルートに乗って伝わったのではと思います。


沿線の風景。ゆったりと流れる水量の多い川です。
昔は舟運が物流のメインだったと、この後訪れた「カヌーの里おおち」の博物館で知りました。
途中2か所ほどカヌーの出来る「川の駅」があり、対岸から吹き流しを振って歓迎してくれる方がいらっしゃいました。

ところどころで見かけるさまざまな色と形の橋に着目しても興味深いです。
団体さんが降りた後は、高そうなカメラを抱えた年季の入った鉄道ファンらしきおじさま方に気づきました。
夏休みの間は「青春18キッパー」の乗り鉄さんたちで賑わうのではないでしょうか?

三次出身の方に聞いたのですが、三江線は江津側からと三次側から建設され、南線と北線があって
全通したのは昭和50年代になってからとの事です。工事の難しい区間があったのでしょうね。
で、この浜原駅に全通記念の碑があるそうです。私はこの一つ先の粕渕駅で降りたので確認できていませんが。

この鉄橋は、粕渕駅を過ぎたところにあります。下車後オット氏に拾ってもらうために移動中に並行する橋から撮影。
1時間半もローカル線に揺られる趣味は持ってなくて「え~俺クルマがいいし~。」という反応は目に見えていたので、
粕渕駅から登った三瓶山温泉でのんびり湯につかった後、時間を合わせて拾いに来てもらうことで妥結したのでありました。

神楽ドームで

2016-04-12 22:24:15 | SATOYAMA
これは4月の広島行きの時の写真です(今頃ですいません!)

オット氏が住む三次市のお隣、安芸高田市には「神楽門前湯治村」というナイスな場所があります。


これは神楽「山姥」のワンシーン。山姥とその息子「怪童丸」(坂田金時=金太郎ですね)



戦闘シーンではくるくると旋回し、衣装がきれいにひるがえります。
半野外の「神楽ドーム」という会場で、ゆる~く観賞する事ができました。
屋台で買った食べ物を席で食べる事もできます。隅っこの方では子どもたちが遊んでいたり。
マニアの皆さまには有名なローカル線「三江線」乗車とセットで楽しむツアーの参加者の皆さんもいらっしゃいました。


大団円。めでたしめでたし。
この日「山姥」と「怪童丸」を演じたのは本物の親子でいらしたらしく、子別れのシーンが真に迫ってました。

入口から「神楽ドーム」までの道は、古い街並みをかたどって作られています。飲食店やおみやげ屋さん。
入ってすぐのところには立ち寄り湯があります。

 
安芸高田市は、とても神楽が盛んな土地で毎週どこかの神楽団が出演しています。
もちろん団員の方々は普段は会社員だったり農家だったり公務員だったりで、ボランティアでの活動なのだそうです。
今年度のスケジュール表。表紙を飾るのは多分「酒呑童子」。


その日の演目の解説パンフもいただけます。英語版の説明もばっちり。
広島は外国人観光客が多く訪れる場所。この日も欧米系のファミリーが来ていました。

お神楽、結構はまりますヨ。
この秋、11月にはNHKのBSプレミアムで広島局制作の「神楽女子」ドラマが放映予定だそうです。

修好通商条約

2016-02-20 17:17:12 | アート
締結150周年だそうです。
日本とイタリア。

おそらくそのおかげで名画の展覧会ラッシュです。ありがたや。

現在開催中なのは、
東京都美術館の「ボッティチェリ展」(4月3日まで)と
江戸東京博物館の「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」(4月10日まで)

前者はチケット入手済み。後者は、行けたら行こう。

そして一番狙っているのが、カラヴァッジョです。待ってました!
3月1日から、国立西洋美術館です。
ボッティチェリとハシゴできますね。体力さえあれば。

夏になれば、国立新美術館で「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」
7月13日からです。ティツィアーノとティントレットでしょうかやはり。

新年度、仕事の密度が少しだけ減りますように・・・

その前に、来週にはフェルメールを観に行こうかと画策中です。
こちらもチケット既に持っているので。


2月中に観に行きたい

2016-02-06 15:35:19 | アート
フェルメール来日中です。

☆「フェルメールとレンブラント ~17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展
 
 開催中 ~3月31日(木)  @森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ)
 10:00~20:00 (入館は閉館の30分前まで)(2月の火曜日は ~17:00)
 一般¥1600、高校生・大学生¥1300、4歳~中学生¥600

 4月6日~5月8日には、福島県美術館に巡回

 公式サイト→www.tbs.co.jp/vermeer2016/

来日しているのは「水差しを持つ女」。柔らかい色調と女性のポーズで知られています。
そして多分、実物を観ると絵のサイズの小ささに驚くんだろうなあまた。

フェルメール、レンブラントそろい踏みの上、17世紀オランダというキーワードには
あらがう理由がありません。既にチケットを入手しています。
何故だか「ぐでたまコラボ」版で。(汗)

レンブラントの目玉作品「ベローナ」のモデルってサスキアですよね多分。

今年はイタリア絵画を中心にかなり豪華な展覧会が目白押しです。改めて記事を立てる予定です。

そして、秋にはクラーナハまで単独の展覧会が開かれるそうな。
(エーベルバッハ少佐が「発育不良」と酷いコメントを加えた画風の方です←判る人だけウケてネ)

昨年の事になりますけど

2016-02-06 14:12:35 | 映画
実はこの映画も観に行っておりました。

邦題は『ミケランジェロ・プロジェクト』

The Monuments Men | Official Trailer #3 HD | 2014


2014年のはじめに海外旅行された方から、「機内で観た」との情報を得て、
当時は2014年秋の日本公開を楽しみにしていました。

すると、急な公開延期。な~ぜ~????
公式サイトを観ても理由が書いてないし、どんな「オトナの事情」があるんだよと
不満な気持ちで過ごしていたのですが、観た後にふと思い浮かんだのが・・・

英国ドラマ『ダウントン・アビー』との兼ね合いかも?

見覚えのある役者さんが出ているなあと思ったら、グランサム伯爵役の
ヒュー・ボネヴィルさんではないですか!
最初に公開予定だった14年秋は、確か第2シーズンの始まる頃で、それが影響したんじゃなかろうかと勝手に納得しました。

ジョージ・クルーニー主演/監督、ヤン・ファン・エイクの「ヘントの祭壇画」が取り上げられる
(もちろんミケランジェロの作品も重要な位置づけ。タイトルニスルホドデモナイケド)
と知った途端に劇場へ足を運ぶ事を決心しました。

ナチスどもがいわゆる「退廃芸術」に火をかけて燃やすシーンには血圧あがりそうになりましたが。
クレー先生の作品燃やさないでよ!!!

作中にチラッと一瞬だけ映る名画の当てっこも楽しめます。
何より、実話に基づいた作品だというところが素晴らしい。
芸術好きのソ連軍将校氏の地団駄を創造するのがしばらく楽しくてたまりませんでした。