気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

「構え」て生きる

2024-05-05 08:13:18 | 「立つ」健康法
 野口整体を学んでいたとき、先生から「白石くんは構えがあるね」と言われました。「構え」というのは、意識的に作っている姿勢(態度)のことです。確かに当時の私にはあったと思います。しかし親しい友人の前では自然体でいましたから、「構え」はいつでもあるのではなく、状況によってあったりなかったりしたのです。先生や教室の雰囲気には緊張感があり、そこで私はリラックスした「構え」のない自分を出すことはできなかったということです。
 
 それから25年ほど経ち、現在私は「構え」ているのか、いないのか。結論からいえば、構えたり構えなかったりしていますが、それより良かったのは「構え」の有無を気にしなくなったことです。以前はできるだけ構えずに「自然体」でいたいと思っていましたが、今はそう思いません。本人にとって構えのない「自然体」であったとしても、周りの人にとっては、必ずしも良いものになるとは限りません。「自然体」がすぎて、常識を欠いたり、欲望が過ぎることはよくあります。それは自己満足の自然体です。周囲に迷惑をかけるくらいならば、しっかり「構え」た方が良いのではないかと思うのです。

 「構え」というと「不自然」だと思いがちですが、そうではありません。私が現在行っている「透明のイメージ」は、ある意味では「構え」をつくることです。しかしやってみると、つくっているような硬さはなく、むしろ柔らかく、本来の自分になるような感じがします。「透明の構え」をつくることで、自分を固くまもっている「構え」が自然にはずれます。

 野口晴哉氏が、「人の自然は野山の自然とは違う」というようなことを言われましたが、人は放っておいて自然に生きられるのではなく、意識的に何かをする(構えをつくる)ことで「自然」に近づくのではないかと考えています。

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