気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

師は弾いても語らず Gちゃん⑤

2012-02-23 10:35:52 | Gちゃん(友人・ギターの師匠)

 Gちゃんとの初対面は強烈だった。1985年9月、厦門大学の宿舎でのことだ。

 「お前、名前なんて言うの?」

 「しらいし まき です」

 「マキか いい名前だな これから マキって呼ぶよ」

 初対面の人に「お前」と言える人はそうはいないだろう。そして、その日から今日まで彼の態度は変わっていない。私の方が日本式の挨拶(初対面では少しは丁寧な言葉で・・・)に囚われていたのだ。彼の方では初めから気取ることなく自分を晒し、「本音で付き合おう」という合図を送っていた。言葉の前に既に私を受け容れてくれていたのである。

 翌朝、彼は葡萄酒(ダイナスティという高級白ワインだったかな?)の瓶をゴミ箱に捨てていた。到着した晩に、何を想いながら葡萄酒を空けたのだろうか。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青赤

2012-02-17 10:26:04 | 風景・自然

 昨日、裏山を散歩すると、「リュウノヒゲ(竜の髭)」が濃青色の実を付けていた。淡い色した小さめの実はこれから濃くなるのだろうか。

Photo

Photo_2

 名を知らぬ赤い実を付けた幼木?小さいが立派な葉と実である。

Photo_3


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師は弾いても語らず Gちゃん④

2012-02-16 11:00:40 | Gちゃん(友人・ギターの師匠)

 「ちょっと行ってくらぁ」と言ったきり、帰って来なかった。入院したのである。原因は酒の飲み過ぎ以外に何かあるだろうか。

 早速、Zさん(Gちゃんの親しい中国の朋友)と、お見舞いに行った。Zさんは何故か紹興酒と蟹(厦門の蟹は美味い)持参である。Gちゃんを元気づけようということだと理解した。しかし、さすがのGちゃんもこの時ばかりは飲む訳にはいかず、私たちは遠慮なく(Gちゃんの心中を察することなく)酒盛りをした。今思うと、病室で酒を飲むとは、Zさんの企てとは言え大したことをしたものだ。

 さて、Gちゃんはこのことが相当悔しかった?らしく、今でもときどき、「お前が入院した時には必ず押しかけて行って病室で酒を飲んでやるからな!」と言う。

 ちなみにその夜は、大学の宿舎には戻らず、Zさんと共に、病院の屋上で寝た。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師は弾いても語らず Gちゃん③

2012-02-09 11:33:10 | Gちゃん(友人・ギターの師匠)

 厦門大学で大きな歌の大会があり、どういう訳か留学生代表として出場することになった。本来ならばギターの師匠であるGちゃんが選ばれて然りだが、あいにく彼は仕事?(その卓越した中国語を活かし、通訳などもしていた)で参加することができなかったのだ。

 「酒と泪と男と女」を歌うことにしたら、Gちゃんが中国人の友人と共にそれを中国語に翻訳してくれた(自分が出場する訳では無いのに全く弟子想いの師である)。

GGちゃん初期草稿

 余談だがこの歌(中国語)はその後、仕事で中国の人たちと宴会をした時などに歌うと、とても評価される?(受ける)のである。

 さて、大会当日、大講堂は満員(6千席あるといわれている)で、通路にも人がびっしり詰まっていた。楽屋で私は紅葡萄酒を1本空け、留学生の仲間たちとリラックスしていた。数千人の観客はとても近くに感じたが、緊張することもなく、ギターも中国語の歌詞も間違えずに歌い終えた。

 「酒と泪と男と女」のような歌詞の曲は、当時(1986年くらい)の中国には無かったから、斬新だったのかも知れない。1フレーズ歌う度に、大きな歓声(爆笑)が上り、私もそれを楽しんだ。

 Gちゃんの翻訳が、6千人の観客を笑わせたのである。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師は弾いても語らず  Gちゃん②

2012-02-03 11:05:14 | Gちゃん(友人・ギターの師匠)

 厦門(アモイ)大学留学中の出来事。日本語を学ぶ中国人の学生たちが、近くでパーティーを開いていた。Gちゃんが「おい、ちょっと行ってみないか」と言う。飛び入りして歌を唄おうというのである。招待もされていないのに参加するのは照れくさかったが、Gちゃんは意に介さず。

 歌の前に、彼がユーモアのある挨拶をして(中国語は絶品)、注目を高めた。Gちゃんがギターを弾き、私も一緒に歌った(シャネルズの「ハリケーン」という歌だったかな)。

 会場の人たちに温かく迎えてもらえたのは、Gちゃんの「雰囲気」に因るものである。彼の持っている自然体の雰囲気が、周りの人の抵抗を起こさせないのだ。私はその後も、彼の「雰囲気」に連れられて、いろいろと新しい世界を観ることになる。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする