関越自動車道や中央自動車道、東名高速道路を地下トンネル道路でつなぐ東京外郭環状道路(外環道)の掘削工事について、東京地裁は28日、事業者の国土交通省や東日本高速道路(NEXCO東日本)などに対し、一部の工事を止めるよう命じる仮処分を決定した。陥没事故などを心配した周辺住民らが中止を求める仮処分を申し立てていた。

 2014年に認可されたトンネル工事は、20年に起きた道路陥没でいったん中断され今月25日に一部が再開されたが、今回の決定で国交省などは新たな安全策など対応を迫られそうだ。

 国交省は決定を受け、「判決内容を精査し、対応を検討して参りたい」とコメント。NEXCO東は取材に「現時点においては決定内容を確認中」としている。

 工事計画では、外環道としてのトンネル道路2本(約16キロ)を東京都練馬区や杉並区、世田谷区、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市の地下40メートル超につくり、関越自動車道と中央自動車、東名高速道路の三つのジャンクションを結ぶ。

 工事には「シールドマシン」という大型掘削機で掘り進める工法を、「大深度地下使用法」(01年施行)に基づき使用している。

 この法律が適用されると、用地買収や地権者の同意なしに深さ40メートル超の地下を事業者が使うことができ、直線に近い形でトンネル道路をつくれるなどの利点があるという。

 20年5月に工事中止を地裁に求めた住民13人は、工事によって地盤沈下や陥没が予想されると指摘。「住民に重大な損害を及ぼすおそれがあり、工事差し止めでしか被害の発生を防げない」と訴えていた。