成ル談義:自由・不安・教育

2013-01-03 18:04:21 | 感想など

ちょっと時間を巻き戻して・・・

 

12/31の夜、年越し飲み会に仕事仲間6人で集まった。全員その日仕事、というかもう一人は途中で抜けてさらに麹町で仕事というクレイジーな状況。まあだからこそ、こういう息抜きをするわけだけど(^_^;)

 

俺は体調を崩していたので一時間半ばかり遅れての参加。なので、会社のシステムやら来年度のことやらで色々話していたみたいで、主にそれに耳を傾ける感じ。ただ、「見られ方」やら「システム的な意味を考えずにただこなしているだけ」やら身につまされることだらけだった。あれこれ放言するのは楽だけど、俺も傍観者でいるわけにはいかんよな・・・その他色々な話が出たけど、二つだけ取り上げておきたい。

 

一つは多様性への不安と「自由からの逃走」のこと。歴史的に見ると、たいていの人は「何をしてもいい」あるいは「何をしてもしなくても全くの自由である」という状況を欲してなどいないらしい。まあ俺自身は、とっとと仕事なんぞやめて『旅のラゴス』的な生活をしたいと思っているんだけどw知りたいことを知るだけでも(一つ知れば次を知りたくなるから)無限の時間があっても足りないと言うのに、行きたいところも山ほどあるわけで、人生が何度あったとしても足りないんじゃないか、とさえ常々考えているほどだしね(ま、あながち自己紹介文はネタじゃないっつーことでw)。これに様々な言語を学んで色々な人とコミュニケーションしたいと強く思うようになってきているから、ぶっちゃけ上記のような状況は個人的には望むところなんですがねw

 

とはいえ、そういうスナフキン・世捨て人的(笑)メンタリティ、あるいはパラノイアに近いレベルの探究心でも持っていなければ、(ある程度)レールが敷かれていないことは不安を呼び起こしはすれ喜びにはならないのだろう。あるいは、何に向かって、あるいは何に反抗して(バネにして)頑張ればいいのかわからない、動機付けが担保できない、ということも起こりうる。そう言えば、「ペルセポリス」という優れた作品に、主人公のオーストリア留学中「すべては虚無だ」という友人に対して「自由を求めて闘ったおじは気晴らしで死んだと言うのか」という趣旨の発言をし食ってかかる場面がある。これは、故郷のイラン・イスラーム世界へのノスタルジーに浸るのでもなく、西欧・後期近代世界をいたずらに理想視するわけでもない同作のバランス感覚が表れた白眉のシーンだと個人的には思っているのだけど、より抽象化したレベルでは、上記の「自由からの逃走」と密接な関係がある問題を描いているのである(耐えられない存在の薄さ、砂を掴むような生の実りのなさ)。

 

まあ問題は、そういう不全感(あえて言えば「集団ヒステリー」)がポピュリズムとなり、かつてはナチス・ドイツ帝国を生み出し、今日では(テロ後の)アメリカの蛮行となったり、より一般的には戦略性のない強硬姿勢へと繋がったりする、という実害を伴うことなんだけど・・・Sくんは「それじゃ結局どうすればいいの?」と返してきたので、「それがいつも話題になる『教育』になるんじゃない?」と答える。もちろん、どこか一つをいじれば解決する問題などでは全くない。しかし少なくとも、一問一答的に最適解があるような試験を平気な顔して課し続ければ、「システム内でどう上手く振舞うか」という思考しか育たず、システム構築はもちろんのこと、システム自体の妥当性すら考えようとしない姿勢が生み出されるのは当然だろう(これは「椿談義」の続きで書くつもりだけど、佐藤[仮名w]とのやり取りでも、プライオリティーを決めた上で最適解をその都度考えていかざるをえない状況になっている、という話になった。具体的には、彼は2005年の教育実習で原発の是非を授業で話し合わせたらしいが、たとえばそういう視点・姿勢だ)。これは程度の差こそあれ、UやSくんも共有するところだと思う。

 

あと、あの場では言い損ねたが、「再チャレンジできる環境作り」も必要不可欠だわな。たとえば仕事という観点で言うなら、グローバル化した今、終身雇用はもはや存在不可能だ(まあそもそも、大正くらいまでしか遡れない歴史の浅い特殊な制度だしね)。かつ、日本における中途採用の厳しさという問題がある。そうしたら、よっぽど何かやりたいことがない限り、とりあえずリスクヘッジで安全策を・・・となるのはむしろ合理的適応であろう(さらに言うと、それで誰もが知っている有名企業ばかり受けるから、数多く受けても就職先がない・・・といった弊害が生じているかもしれない)。だから、オルタナティブがあって、そのオルタナティブが実際に機能する状況も作っていかないと、教育はキレイ事ばっかり並べ立てて意味がねえな、と「本音」を見抜ける頭のいい奴だけが得する(抜け駆けできる)状況になってしまう。

 

その二つが「処方箋」と思うわけだが、しかしこれはえらいデカイ問題でもある。まあでもとりあえず、できることからやっていかん事にはね・・・う~ん、しかしまずはwork-life balanceの何たるかさえ知らなそうなうちの会社&多くの社員のメンタリティーからして身近なハードルかもな(^_^;)

 

ん、つーかSくんとMさんがちとばかし不穏な空気になってきたぜよ。一体何かな?

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