熱く・楽しくいこう!

山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

個人講習 鈴鹿 御在所岳 藤内壁 前尾根 アルパインクライミング講習

2020-08-20 20:59:08 | ガイド山行/バリエーションルート登山
本日8月20日は、個人ご依頼で御在所岳 藤内壁 前尾根を使ってアルパインクライミング講習を行ってきました。

アプローチの暑さは最高潮でしたが、前尾根に取付いてからは陽射しが柔らかく、時折り吹く気持ち良い風に救われてじっくり講習しながら登ることができました。


藤内壁出合。上部はガスガスです~


P7に取付きます。


P7を登って来られます。
藤内小屋を遠望しながらの気持ち良い登りです。


P5はリードしていただきました。


P4全景


P4もリードしていただきました。カム類でランナー構築など試行錯誤しながら登って行かれています。


P2(ヤグラ)を望みます。


P2を登って来られます。


P2から懸垂下降で基部に下り立って本日のメニュー終了

僕が先導でガシガシ登るのではなく、時間がかかっても良いので時にリードして頂いたり様々な工夫や試行錯誤をしながら登ることは経験を積むにはとても大切な事なのです。
一日お疲れ様でした。ご依頼ありがとうございました。







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比良 中ノ谷 アルファルンゼ

2020-08-18 19:14:31 | ガイド山行/バリエーションルート登山
本日8月18日は、比良のアルファルンゼをガイドしてきました。
毎年1~2回は訪れるルートですが、最近の大雨や暴風等によりルートの荒れ具合が激しさを増してきています。
3年ほど前にかなり大規模な大崩れがあったのですが今回はそれを上回る、大崩壊(いわゆる山体崩壊)が起きていました。
巨大な落石が多数引っかかっている状態であり、落石が起きた場合は逃げ場の無い谷ルートなので常に十分過ぎる程の状況の観察は不可欠で、登られる方は慎重な行動と判断が必要と思います。
そんな大崩壊のアルファルンゼでしたが、ここ数日の酷暑に比べてやや気温を下がったことと、時折り吹き付ける心地よい風に助けられたこと、そして何より最近暫く雨が降っていないお陰で岩も良く乾いていてとても快適に登攀を楽しむことが出来ました。


アルファルンゼ出合からスタート。F1、F2を望みます。


F2を登って来られます。


チョックストーン滝


チムニー滝
見上げると落口付近に大量の大木と岩が積み重なっています。


刺激を与えないようにソロリ、ソロリと登って落口に立つと、モノスゴイ状態になっています。


同じく刺激を与えないようにソロリ、ソロリ登ってきていただきます。


右岸の斜面が大規模に樹林帯ごと剥がれて崩落してきたのが全て落口付近に堆積したり引っかかったりしています。恐ろしや~


最後のチムニー状滝を登ってこられます。
この後もアチコチで崩壊地が多く見られ、十分に注意しながらの登行が続きました。


アルファルンゼを抜けて雄大な琵琶湖を見下ろし気持ちが癒される一時です。


今回、花は殆ど見かけませんでしたが、下山中に唯一見かけたヤマホトトギス

終始気の抜けないコンディションでしたが良い登山が楽しめた一日でした。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。







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大門団長!

2020-08-15 12:29:44 | うんちく・小ネタ
昨日、剱岳方面のガイド仕事を終えて帰路、渡哲也さんが亡くなられたとのショッキングなニュースが飛び込んできた。


渡哲也さんと言えば、僕ら世代にとってはなんといってもドラマ「西部警察」大門団長だ。
元々刑事ドラマ好き(ちなみに刑事ドラマは好きだが別にニコラスケイジは好きなわけではありません)な僕が最ものめり込んだのが「西部警察」。僕がというより僕ら世代の殆どの男子がのめり込んだのは間違いないことだろう。
毎週ドラマを欠かさず食い入るように観いっていたものだ。
当時小学生だった僕は勉強が大嫌いでどの教科においてもとても出来が悪く、酷い有様だったが西部警察のテーマ音楽だけは縦笛で吹けるようになりたく一生懸命練習してちゃんと奏でることが出来るようになったことは凄く嬉しかったことを記憶している。


ちなみに剱岳の別山尾根に微妙なバランスで立っている岩があるのだが、その岩を僕は勝手に「セドリック岩」と名付けている。これは西部警察の中で頻繁に登場してド派手なカーアクションを繰り広げた日産セドリックをイメージして何年か前からそう呼ぶようにしているのだ。
多感な時期に多くの思い出を作っていただいた渡哲也さん、ありがとうございました。心よりお冥福をお祈りいたします。








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個人ガイド 北アルプス 剱岳 北方稜線~池ノ平 + 立山三山~龍王岳東尾根

2020-08-15 10:28:05 | ガイド山行/バリエーションルート登山
8月10日~14日は、個人ご依頼で北方稜線縦走と続けて龍王岳東尾根に繋げるコースをガイドしてきました。

岩と雪の殿堂とも呼ばれる剱岳ですが、花も加えても良いのでは!?と思えるくらいのまさに「岩と雪と花の殿堂 剱岳」でした。
久しぶりの晴れ空! 暑すぎる中を入山です。


クルマユリがワンサカ咲いていました。


エゾシオガマも咲き放題!


そろそろ季節終盤のチングルマですがまだまだ最盛期です。


ヨツバシオガマ
わたくしフラワーガイド状態です!


剣沢キャンプ場もカラフルなテントの花盛りです!
この日は久しぶりに剣山荘に泊まりました。

翌日はいよいよメインイベントの剱岳を経て北方稜線縦走~
昼前から天気が崩れるとの予報から午前2時半に出発して先ずは剱岳山頂をめざしました。


剱岳登頂!
もう何度目から登頂のKさんですが今回はここがスタート地点です。15分ほど休憩して北方稜線へ縦走開始。


長次郎の頭を見上げます。
長次郎谷側の巻きコースで越えるのが一般的ですが、僕は通常はピークにそのまま登り詰めるルートで越えていくようにしています。
その方が難しくはなりますがより岩登り的で面白いからです。


長次郎の頭に向けて登って来られます。


八ッ峰を見下ろします。


池ノ谷ガリーを下ります。


チシマギキョウも沢山咲いていました。


小窓ノ王を過ぎて、池ノ平山を正面に望みながら小窓をめざします。


途中の雪渓トラバースは距離は短いですが傾斜が強く、堅雪だったので用心しながらの通過でした。


シナノキンバイ


モミジカラマツ


長い下りを経て小窓に到着。これから辿る小窓雪渓はまだまだ綺麗で安定したコンディションでした。


池ノ平に到着。裏剱、八ッ峰を望みます。モンローの唇がくっきり表れていてまるで笑っているかのようです。


僕的にはモンローの唇というより、笑うセールスマン「喪黒福造」の唇に見えますけどね・・・
今年は池ノ平小屋は休業中なので休憩だけして仙人池ヒュッテをめざしました。


仙人池からの裏剱、八ッ峰を望みます。
結局、昼前から雨というよりかなり良い天気に恵まれて岩を楽しみ、花を楽しみ、景色を楽しみながら辿ることが出来て大満足の一日でした。

翌日は雨が降ったり止んだりの天気の中、真砂沢ロッジを経由して剱沢小屋をめざしました。


仙人新道を下山中、三ノ窓雪渓(氷河)が僅かですが姿を見せてくれました。


真砂沢ロッジに寄って雨宿りと昼食休憩。
絶品のカレーうどんを頂きました。カレーうどんを食べたのはもう何年振り?というくらい久しぶりでしたが余りの美味しさに感激してしまいました。

翌日4日目は立山三山を縦走して龍王岳東尾根を登攀して室堂へ下山する予定で剱沢小屋を出発して立山三山を縦走しましたが、本降りとなり龍王岳東尾根を登る訳にはいかず、ただそのまま下山してしまうのは勿体ないので室堂に宿泊して翌日登ることにしました。という訳で今回は5日間の山行となりました。


立山最高峰、大汝山。
あめ、アメ、雨・・・


期待どおり翌日はバッチリ晴れました!
みくりが池に映る逆さ立山


一ノ越から望む龍王岳と東尾根


気持ち良い青空の下、東尾根を登り詰めていきます。
晴れの下の登攀はなんと気持ちの良いことでしょう!


折角なので東尾根を離れて北面フランケを絡めながら登っていきました。


上部を見上げます。


最後も北面フランケから登ってきて終了~


龍王岳登頂! おめでとうございます!
剱岳山頂から始まり北方稜線を経て更に立山三山を縦走して今回最後の山頂の龍王岳に至る長大なコースでした。
本当に良く頑張りましたね!

この後、浄土山を経て(まだ最後の山頂がありました! でも浄土山は立山三山の一山なので龍王岳が最後という訳です)室堂に下山しました。


剱岳を背景に咲くウサギギクとミヤマリンドウ


久々にスカッと晴れ渡った立山の姿を見ながら室堂に下山して今回の5日間の山行を終了しました。
長い行程のドップリ山に浸っていただいた5日間でしたね。大変大変お疲れ様でした。ご依頼ありがとうございました。







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八ヶ岳 稲子岳 南壁 左カンテ

2020-08-15 09:57:00 | ガイド山行/バリエーションルート登山
8月7日~8日は、稲子岳南壁のガイドでした。

初日は完璧な晴れ、2日目は早い時間からの雨予報だったので初日に稲子岳を登って翌日は天狗岳を縦走しながら下山する行程に組み替えての山行でした。
ただ忠実に天気予報を信じて期待しての入山でしたが、稲子岳の登りの中盤から雨が降り出し核心部付近では風雨の中での登攀となってしまいました。
それでも焦らず落ち着いて確実に行動していただけたお蔭で予定通り登り終えることが出来ました。


アプローチではホタルブクロが沢山咲いていました。


曇りがちの空の下、登り始めます。


只でさえ脆い岩が多い稲子岳南壁、今年は特に長雨続きだったので十分過ぎるほど確認しながら登っていきます。


程良い高度感を足下に序盤は気持ち良く登っていきました。


顕著なルンゼに取付きます。


傾斜の緩い個所は特に浮石が大量に溜まっているのでロープの流れに注意しながらの行動です。


上部の核心部に向かって登っていきますが、この辺りからポツポツ降り出し、やがて強風を伴った本降りに!


最後の岩場は右側から簡単に巻くことも出来ますが折角なので雨をいとわず真面目に正面から越えて終了~
終了と同時に何故か風雨は止んで、まるで試練を与えられたような気持ちでした。


稲子岳山頂付近はコマクサが沢山咲いていました。

黒百合ヒュッテに泊まって翌日は天狗岳を縦走して下山しました。


シナノオトギリもあちこちで沢山咲き競っていました。


東天狗岳山頂


西天狗山頂
2日目も相変わらずスッキリしない天気でしたが目的も達成して満足な気持ちで天狗岳縦走を楽しみながら下山しました。

2日間お疲れ様でした。思わぬ天気の急変に翻弄されましたがよく頑張ってしっかりと登っていただきました。ご参加ありがとうございました。








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