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山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

岩場行動技術講習(ステップ2/実践編)

2023-08-31 09:14:33 | 講習
8月30日は、前日に続いて京都 金毘羅山で岩場技術、実践編の講習を行いました。

曇りがちの天気で終日強めの風も吹き付けてくれたのでとても気持ち良く爽やかな一日でした。
今回は実践編ということで実際の本番山行をシミュレーションした内容で云わばプレ山行というべき講習です。
岩尾根や岩稜、岩壁を継続して登ったり下ったり、懸垂下降をしたりと本番のバリエーションルートに現れる技術を想定してひたすら動き回っていただきました。ほぼ動きず詰めの行動時間8時間半!本番並みの一日たっぷり練習でした。


最初少しだけ足慣らしの練習です。


足慣らしの後はザックを背負って本番スタイルで岩尾根を登っていきます。


グングン登っていきます


ワイケンの頭に1回目の登頂!(例えば実際の登山ルートの現れる1つ目のピークの想定です)
大原の里を眺めます。向かいの山々は雲に覆われていますね。


ワイケンの頭を後に想定の2つ目のピークをめざして激下りで北尾根末端まで下降して北尾根に取付きます。


北尾根を4ピッチ目を登ります。


ワイケン尾根に合流して更に山頂めざして登ります。


ワイケンの頭、2回目の登頂!(想定の2つ目のピークです)
向かい山々も雲が取れて見渡せるようになってきました。

ワイケンの頭を後に想定の3つ目の山頂をめざしてまたもや大下りからスタート。


途中で懸垂下降も交えながら下ります。


ようやく下り終えて3つ目のピークをめざして登りに入ります。
舟の岩壁を登ります。




更に途中で下降を繰り返しながらいよいよ山頂へ抜ける最後の岩壁に取付きます。


ワイケンの頭に3回目の登頂!(想定での3つ目のピーク(本峰)に登頂です)

登ったからには下らないといけません。
しかも易しい一般登山道を歩いて下山ということは稀なことです。
という訳でやはりバリバリのバリエーションを辿っての下山です。






いきなり懸垂下降からスタート


更に懸垂下降を交えながら下降を続けます。


最後の岩場を下り終えてようやく下山終了~
行動時間、実に8時間半!
皆さま本当によく頑張り通しましたね!
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








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岩場行動技術講習(ステップ1/基本編)

2023-08-31 08:23:11 | 講習
8月29日は、京都 金毘羅山で岩場技術の基本編講習を行いました。

基本編ということで岩場行動において不可欠な基本的技術を中心に身に着けていただく内容です。
いつもどおり前半は基本技術をひたす反復練習。とても地味な練習ですが実はこれが結構重要なのですよね~
後半は実際の山を想定しての岩尾根を辿りながらその場所場所で現れる必要な事や技術を解決していく練習です。
とてもとても暑い一日でしたが日影の多い金毘羅の岩場なのでそれらに助けられながら熱心に一日頑張っていただきました。




前半戦、先ずは低い易しい箇所を使ってひたすら登り、下り、トラバース、斜登降の練習です。
とても地味な練習ですが、こういう練習が実はとても重要なのです。


後半は実際の登山コースを想定して、ザックを背負って本番スタイルで岩尾根を登っていきます。




途中の小岩壁でトップロープでの登り下りの練習です。
易しいラインから始めて徐々に難しいラインへにもチャレンジしていただきました。


暫くの練習の後は引き続き山頂をめざして登っていきます。


ワイケンの頭に登頂!
気持ち良い山頂から大原の里を眺めます。




ワイケンのフェースを使って懸垂下降の練習を少々。

登ったからには下るのが登山の原則。そして下山こそ最も大切なことなのです。


という訳で登ってきた岩尾根を下降技術を練習しながら下山です。




途中の急な岩壁では練習していただいた懸垂下降を実践したりしながら下山を続けます。


最後の岩場を下り終えてこれにて岩場講習を修了~
暑い中、本当によく頑張りましたね!
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








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北アルプス  西穂~ジャンダルム~奥穂

2023-08-28 20:12:25 | ガイド山行/バリエーションルート登山
8月25日~27日は、西穂~ジャンダルム~奥穂のコースをガイドしてきました。

多くの登山者が憧れる縦走コースです。
最近は人気も高くなり、ルート全体を通して若干整備も進んだこともあって以前に比べて幾分は易しくはなりましたがやはり日本を代表する難度の高い縦走コースに変わりありません。
数日前から心配した天気も徐々に良い方向に変わっていってくれて当日はこれ以上ないくらいの素晴らしい晴天とコンディションに恵まれました。クライアントのご夫婦様にとっても長年の憧れだったコースを踏破できたことはとても大きな大きな達成感と満足を得られたようで良かったです。


穂高岳を望みながらの入山です。


2日目はメインの縦走日です。
西穂山荘を午前2時40分に出発してようやく明るくなり出した頃に西穂高岳に登頂です。


明神のコール辺りから日の出を迎えます。


可憐なイワギキョウもアチコチで綺麗に咲いていました。


槍ヶ岳もスッキリと綺麗な空の下、聳え立っていました。


間ノ岳山頂から越えてきた西穂高岳を望みます。


間ノ岳の下りから、間ノ岳を振り返り眺めます。


更に天狗岳の中腹にある逆走スラブを望みます。


逆層スラブを登ります。
遠目には物凄く傾斜が強く難しく見えますが、実際に取付いてみると案外傾斜が緩く易しく登ることができます。


いよいよ当コースのメイン、ジャンダルムの直下まできました。






ジャンダルム山頂へは折角なので通常のコースからの登頂ではなく、敢えて一旦北側に回り込んで、直登ルートから山頂をめざしました。


ジャンダルム登頂! おめでとうございます!
よく頑張ってここまできましたね!


ジャンダルムを終えて次なるロバの耳からジャンダルムを振り返り眺めます。
この角度からが一番格好よく見えますね。


更に先へ進んでジャンダルム


いよいよ最後の難所のウマノセを登ります。
ここも実際に取付いてみると手がかり足がかりが大きく多く、また岩も硬いので安心して行動出来るのです。


ウマノセを越えて最後のナイフリッジを進みます。

奥穂高岳登頂! これで西穂~ジャンダルム~奥穂コース踏破! 本当によく頑張りましたね! おめでとうございます!
しかし何故か奥穂高岳山頂の写真を取り忘れてしまいました・・・。


3日目もやはり晴天!
穂高岳山荘裏からジャンダルムの雄姿を眺めます。


今回は別コースで下山されるクライアント様と朝食後に穂高岳山荘にて解散してとりあえず今回の山行を終了しました。
大変お疲れさまでした。ご参加ありがとうございました。









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個人ガイド 北アルプス 剱岳

2023-08-28 19:50:48 | ガイド山行/一般登山
8月22日~24日は、個人ご依頼で剱岳をガイドしてきました。

もっぱらバリエーションルートや雪山で登ることが殆どで一般登山コースの別山尾根からの登頂ガイドは久しぶりでした。
天気に恵まれたこともあって平日にも関わらず多くの登山者で賑わっていて、所々で渋滞も発生したりしていました。
やはりさすが大人気の剱岳でした。


別山乗越から剱岳を望みます。
ようやく全景が姿を見せてくれて気持ちが高まります。

翌朝、2日目は剣山荘をまだ真っ暗な中に出発してを剱岳をめざしました。


剱御前方面が朝陽に染まり始めました。


前剣から本峰を望みます。


いよいよ核心部のカニノタテバイの間近まできました。
既に大勢の登山者が列をなして登っています。


カニノタテバイを登ります。


あっという間に突破して上部を登ります。
セドリック岩(僕が勝手に名付けた岩)も健在でした。


剱岳登頂! おめでとうございます!
念願の剱岳登頂! 本当によく頑張りましたね!


山頂でゆっくり30分ほど休憩して下山開始です。
この後、剣山荘に帰り着いて剱岳登山を終えました。


最終日も素晴らしい晴天で始まりました。
鹿島槍と五竜岳の間から御来光を迎えます。


折角なので剱沢小屋裏にある逆さ剱岳を映す池に立ち寄ってから下山。


剱岳の雄姿を何度も振り返り眺めながら下山です。


別山乗越を越えて、室堂へ向けて下ります。
この後、室堂に下山して今回の3日間の剱岳山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご依頼ありがとうございました。









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北アルプス 前穂高岳 北尾根

2023-08-18 10:22:47 | ガイド山行/バリエーションルート登山
8月16日~17日は、前穂高岳北尾根をガイドしてきました。

穂高はもちろんのこと、日本を代表するバリエーションルートと言っても過言ではない前穂北尾根です。
最近は地震や大雨などの影響により以前に比べてルート全体をとおして随分と不安定になって、いつか大きな山体崩壊が起きるのではないかと少々心配になります。従って単純なクライミング技術云々以前に「山に対して如何に落ち着いて優しく確実な動作で行動できるか」が安全のカギとなります。

さて、雨の中の入山でモチベーションが下がりそうになりましたが、メインの北尾根は晴天に恵まれてしっかり楽しみながら登っていただくことができました。


雨の中、上高地を出発です。

翌朝は満点の星空の下、涸沢ヒュッテを3時30分に出発して北尾根に向かいました。


5.6のコルから5峰を望みます。


5峰への途中で日の出を迎えました。
左奥には常念岳が頭を覗かせています。


左から奥穂高岳、涸沢槍、北穂高岳を眺めながら登ります。


5峰ピークからの4峰


浮石だらけの瓦礫の積み重なりのような4峰を登ります。
北尾根は20回以上は登っていますし、コンディションの良い時、悪い時様々な状況下で登っていますが僕的には4峰こそ核心部と思っています。なので特に慎重に確実な動作を心がけていただきながら上をめざします。


遠くの絶景をバックに気持ち良い箇所も多々あり!




涸沢を足下に気持ち良い登行です。


4峰ピークからの次なる3峰を望みます。
とはいってもこの辺りからすっかりガスに包まれてしまいました。




3峰核心の3ピッチはロープを分けて1人1本づつのロープで登ります。


核心部を抜けてさらに上部を登ります。


3峰ピークからの2峰
あと一息です!




2峰ピークからは懸垂下降で1峰とのコルへ下り立ちます。
通常ガイド山行ではロワーダウンをされる場合が殆どですし僕的にもその方が圧倒的に早くて楽ですが、以前に岩場講習で懸垂下降の練習をしていただいたことがあったので折角なので本番で実践していただきました。だってその方が「自分の技術を使った」感があって楽しいでしょ!


前穂高岳山頂まであと10m!
ガンバですよ!


前穂高岳登頂! おめでとうございます!
お二人とも前穂高岳には過去に登られたことがあるとのことですが、やはりバリエーション、それも北尾根からの登頂となると嬉しさが違いますね!

この後、重太郎新道から岳沢を経て上高地へ下山。
今回の山行を無事に終了しました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。








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