里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤブマメ 地下にも豆

2017-02-12 | 日記
気仙沼市南西部の、田束山麓の車道を歩いていると、道端のヨモギやイノコズチに
つる草が絡んでいて、あちこちと白っぽい花を咲かせています。
立ち止まって観察すると、マメ科の植物ですね。
葉の構成が大豆の葉と同じで、花も似たようなつくりです。ただ、花はまだ開ききって
いませんから、ちゃんと比較はできませんけど。
つる草の中ではおとなしい方でしょうね。私が観察した範囲では、精々ヨモギ2~3本に
絡む程度ですから、つるの長さは2mほどでしょうか。




                             二枚とも2016.9.17撮影

「つる植物図鑑」で調べたところ、ヤブマメと思われます。ただ、ヤブマメの分布域が
関東以西になっているので、ちょっと疑問が残ります。解説文を読み進むと、関東以北
から北海道にかけてはウスバヤブマメが分布するとあります。
念のため関連するネット記事を読み込むと、両者の間に明確な差が少なく、現在では
区別されていないようなので、当記事でも「ヤブマメ」として記述することにします。

面白いのは地下にも豆が生ることですね。
地下の豆果は、根元からでた茎が地下に潜って地下茎をつくり、そこに付く閉鎖花
(つぼみのままで開花しない花)が結実したものです。
この豆果は1個だけで、地上の種子に比べて大きく、直径が1cmほどあり、栗のような
甘みがあるとか。この豆は発芽率が高く、翌春の発育も良いそうです。


            〈 シニアの庭日記 ヤブマメの地下豆より 〉


                                 2016.9.17撮影

マメ科ヤブマメ属のつる性一年草で、日本全土に分布する。
林縁や道路沿いの草叢に自生し、やや湿り気を好む。
つるの長さは2~3mで、やや開出ぎみの毛が生える。
葉は3出複葉で互生し、小葉は広卵形で長さ3~6cm、両面に毛がある。
花期は9~10月で、葉腋から出る総状花序に小花が密集して付く。
花冠は長さ1.5~2cm、白色の蝶形で旗弁は紫色、翼弁と竜骨弁は白っぽい。
蝶形花とは別に自家受粉する閉鎖花を付け、豆果の殆どはこれが実ったもの。
果実は豆果で、扁平なさやは長さ2.5~3cm、縁に長毛があり他は無毛。
中に2~3個の種子が入る。種子は小さく直径3.5mmほど。
地下にも閉鎖花をつけ、1種子だけの豆果が生る。


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