里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ネズミモチ 香りの良い花穂

2017-03-07 | 日記
町内の南東地区を散歩していると、篠竹や常緑樹などが入り混じったラフな生垣が
あって、そこに白い花が咲いていました。遠目にはイボタノキのように見えましたが、
近くで確認すると、同属のネズミモチの花で、傍によると甘い香りが漂っています。
ネズミモチは常緑広葉樹で葉表に光沢があり、イボタノキとは容易に識別できます。

生垣用に植えたというよりも、野鳥の糞に種子が混じって、いつの間にか生えて
きたというパターンでしょう。あちこちで見かけますが、元は植栽されたもので、
そこから種子が供給され、あちこちに拡散しているものと思われます。
樹木図鑑等によると、分布は関東以西とありますから。




                             二枚とも2016.6.22撮影

漢方に「女貞子」という生薬があります。
中国原産のモクセイ科の樹木「トウネズミモチ」の果実を乾燥させたもので、肝や腎を
補い、腰や膝を強める効能があるとされます。
滋養薬として足腰の筋力低下・頭暈・白髪・視力低下・かすみ目などにも用いられます。
ネズミモチの果実も同等の薬効があるとされ、我国ではどちらも用いられています。
有効成分はオレアノール酸、ウルソール酸、マンニトールなど。
女貞子の由来は、冬でも常緑で変化しないので貞女に擬え「女貞」とつけられたとか。

果実は長さ1cmほどの楕円体で、晩秋に紫黒色に熟します。色や形がネズミの糞に
似ていて、枝や葉がモチノキの似ていることから、ネズミモチの名が付けられました。


                                 2016.6.22撮影

モチノキ科イボタノキ属 の常緑広葉樹で、樹高2~6mの小高木。
関東以西の本州~沖縄の主に太平洋岸に分布し、海岸から内陸まで低山の尾根から
山腹斜面の常緑広葉樹林内に自生し、点生で群落はつくらない。
庭木や公園樹として、東北南部以南でよく植えられている。
樹勢は強く、主幹は直立するが、根元から多く枝分かれして繁茂する。
幹は灰褐色で、粒状の皮目がある。
葉は対生し、葉身は楕円形で長さ4~8cm、幅2~5cm、先端はすぼまって尖り、
縁に鋸歯はない。質厚く革質で、葉表には光沢がある。葉柄の長さは8mmほど。 
花期は5~6月で、本年枝の先に円錐花序を出し、芳香のある白い花を多数付ける。
花冠は5mmほどの筒状漏斗形で、先は4裂して反りかえる。雄しべ2本と花柱は
花冠から突き出る。果実は核果で、長さ8~10mmの楕円体。晩秋に紫黒色に熟す。
種子は1果に1個、長さ8mmほどの楕円体。


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2 コメント

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Unknown (マイクル)
2020-06-27 16:21:37
我が家の猫の額ほどの庭に鳥が落としていった種から生えたと思われるネズミモチが大木になりました。花が今最盛期を迎えています。強烈な甘い香りが家の中にまで漂ってきます。花の周りには多数のミツバチやクマンバチが飛び交っています。東京にもこんなに多くのミツバチがいたことに驚いています。1年前、大腸がんの手術を受けました。女貞子という漢方薬を飲んでいます。
Unknown (グミ)
2020-06-27 17:23:09
大病をなさったんですか、大変でしたね。
女貞子を飲むというのは、免疫力を高める効果があるからでしょうか。

我家の庭にも野鳥の糞から芽を出した、様々な木が生えています。クワ、イボタノキ、マサキなど。クワは大木になってしまい困っています。たぶん、秋口には伐採することになるでしょう。

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