EKKEN♂

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テスト:行間設定のない記事

2004-05-27 | 雑記いろいろ
※この記事の中身は、このブログ内のDoughnuts Shopと同じものです。
行間設定のないブログがいかに読みにくいかを示す為のものです。


 僕は妻と二人で小さなドーナツショップを経営しているのだけれども、ここに毎日やって来る変わったお客さんがいる。彼はタ方の六時きっかりに(一分先にも、一分後にも、ということなく)木製のドアを押して入ってくる。
「いらっしゃい」
「…えと、いつもの……」
 彼はトレンチコートの襟の中から申し訳なさそうにして,オーダーする。
 ――決まって、リングドーナツを三つ。ドーナツ屋の僕がいうのも変な話だが、毎日ドーナツばかりで飽きないものだろうか。
「お客さん、いつもタ食はドーナツですね?」
「うん、まぁね。私たち自動販売機は一日一食だからね。一番好きなものを食べるんだ」
「自動販売機って、ドーナツがお好きなんですか」
「いや、私だけさ。隣で働いているコーラの販売機はいつもラーメンばかり食べているよ」
 彼は缶コーヒーの販売機なのだ、彼の話だと、ヤクルトの販売機はアンバン、チューインガムの販売機はカツ丼、アイスクリームの販売機はカレーライスが好きなんだそうだ。
 彼の変わっているところは、もう一つある。不思議なことに、オーダーしたドーナツは食べないのだ。食べるふりをするだけで、口をつけずに皿の上において帰る。お金は払っていくので、別に損はしないが、うちのドーナツがおいしくないのだろうか、と気になる。
「あの、お客さん、うちのドーナツ、まずいですか?」
 すると彼は二ッコリ笑って答えた。
「いや、とんでもない。私の知っている店では一番うまいね。マスター、ドーナツの一番おいしいところはこの穴の部分なんだ。だから私は穴しか食べない……本当にマスターのドーナツは最高だよ」
「それはどうも……」
 それから二、三分後、彼は「ごちそうさま」と言って帰っていった。
 後に残された三つのドーナツ。僕はそれを一つつまんで食べてみた。気のせいか、少し味が薄くなっていた。


 半年たった今も、彼はほぼ毎日のようにうちにやってくるが、僕は依然としてドーナツの穴がそんなにおいしいのかどうか分からない。
 何故かって?
 そんなのあたりまえだよ。
 だって、僕は自動販売機じゃないからね。


元の記事と読み比べていただければ、行間設定のない文章が読みにくいことが分かるかと思います。

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