口からホラ吹いて空を飛ぶ。

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ゲームのエンディングっつーか、物語性について

2009-04-03 | ゲーム

ちょっと、不倒城さんのエンディングの内容などどうでもいいのだーー!を読んで思った事をつらつらと書いてみる。
あちらを読んで頂ければ判ると思うが、至極真っ当な事を書かれていると思うので、特に反論という意味ではない。
それと、こういった話は概念的な部分などで共通認識を持つのが大事である。
なので、これから書く文章において全くのあさっての方向に進んでいたり、誤解していると思われる部分が有るならば指摘していただけたら幸いである。

自分としては「ゲームに物語は有って欲しい」と思っている。いや、「願っている」とすら言ってもいい。
物語を楽しむ事とは「思考する事」だと思う。簡単に言えば行間を読む、とかそういった事だ。実際に読む文章や映像の更に奥、もしくは裏側を調べ、考察、想像するといった工程を経る事で、その物語を自分の中に落とし込む事なんだと思う。
正解を見つける、とは違う。国語の試験のように「正解」を必要としない。正解など無い。
極論してしまえば作者が「白」と言おうが、自分が「黒」だと思えばそれで良いのだ。
そういった意味で言えば小説であろうが映画であろうがゲーム、アニメ、何であろうが「物語を楽しむ」という部分に差は無い。

以下2つの動画を見て頂こう。



この2つ、「源平討魔伝」「斑鳩」であるが、エンディングは共にシンプル極まりない。
昨今のRPGのようなムービーも無い。
だがこの2つのゲームのストーリー、エンディングは未だに「ゲーム史上屈指」と言われ続けている。
しんざきさんの言
「エンディングに工数かける?アホか、スタッフロールでも流しとけ」
これにはとても同意できる。だが、

そのスタッフロールにどれだけの意味を込められるか

はまた別問題なのだ。
この2つ、詳細が気になる方はググってみて頂きたい。
その後に再度動画を見て頂ければ、ムービーに寄らない演出やエンディングに込められた意味が読み取れるのではないかと思う。

一つ断っておくと、正直ゲームにおけるムービーは好きではない。
多少なら普通に見るが、延々やられると参ってしまう。以前、箱○の「あおいりゅうのRPG」を試してみたのだが、OPから延々ムービーもしくは各キャラが勝手に動き続ける有様で、ゲーム部分に入る前にリセットを押してしまった。それ以来プレイしていない。俺はゲームがやりたいんだ。ムービーが見たいわけじゃねえ。

もしかしたら、しんざきさんの想定しているのはそういったRPGだったりするのかもしれないが。

そしてもう一つ大事な要素がある。
自分がプレイする事である。
しんざきさんは「達成感」と表現しているが、これが「遊び」「ホビー」に徹しているゲームであるならばわかり易い。特に任天堂が最も得意とする所だろう。マリオにおける箱庭的フィールドなどはまさしく遊び場そのものである。最近だとアイレムの「みんなでスペランカー」もそうか。オンラインで皆で協力すると同時に苦労も分かち合える。
凄え楽しそう俺もやりたい……

これが物語のあるゲームになると事情が変わってくる。
遊ばせると同時に物語も進めてもらわなくてはならないからだ。
それは例えば「長編の物語を読み進める」事に似ているのではないだろうか。
勿論のんべんだらりと表面をなぞっているだけでは意味が無い。冒頭に書いたように「読み込む」事が大事なのだ。
それはADVやRPGだけではなく、ACGでもSTGでも共通である。攻略法を考えたり練習する事はその物語を読み込む事に通じる。達成感と物語に感動することは矛盾しない。
はるばると長い物語を読み込み、考え、苦悶しながらもふと見上げると随分と遠い所に辿り着いた事に気が付くのだ。

そこで冒頭に戻る。

エンディングの内容などどうでもいい……訳ではない。ただ、極めてシンプルであってもそこに製作者がそれだけの意味を込めているのならそれは必然である。
反対に薄っぺらい物語ならばどれだけ豪華な映像であってもそこに「区切り」以上の意味は無い。

プレイヤーはドルアーガの塔やウィザードリィに迷宮を幻視する。そこにあるのは単なるアクションゲームやワイヤーフレームの箱庭ではない。そこに「物語」があるからこそいまだに語り継がれ後続が受け継いで行くのだ。


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2 コメント

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Unknown (しんざき)
2009-04-05 11:46:47
トラバありがとうございます。

書き足そうかどうしようか迷っていたんですが、私のエントリーはちょっと極端な書き方をしていて、「ゲームに物語は不要」と読める内容になっていたんじゃないかと思います。

ただ、実際に言いたいことは「物語は必要だけど、物語がゲームの中核になったら、それはゲームじゃないよね」ということだったりします。

その為、

>攻略法を考えたり練習する事はその物語を読み込む事に通じる。達成感と物語に感動することは矛盾しない。
>そこに「物語」があるからこそいまだに語り継がれ後続が受け継いで行くのだ。

この辺おっしゃることには基本的に同感です。
この辺についてはまた書こうかなーと思っております。
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Unknown (汁粉善哉)
2009-04-06 21:10:46
おお、しんざきさんコメントありがとうございます。
いや、しんざきさんのエントリ読んだ時最初に
「うわ凄え、ここまで言い切って良いんだ」
と、なんと言いますか、楽しくなったというか嬉しくなったというか、「これは反応したいな」とガリガリ書いたらこんなザマになった訳でして。

>物語は必要だけど、物語がゲームの中核になったら、それはゲームじゃないよね

ええ、正にその通りだと思います。具体的には挙げませんが「遊ぶ」要素がまるで無い物をゲームと言うにははなはだ疑問がありますし。

ではわざわざありがとうございます。
度々馬鹿な事言ったりすると思いますが付き合って頂ければ幸いです。
ではでは。
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