ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

鍼灸学生の開業テキスト 連載(7) 師と幕頻

2011-02-13 07:55:29 | 診断即治療と虹彩学
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この連載は、 2月27日(日)の ≪エステ針灸サロン経営セミナー≫ の準備です。



 『ランチェスター法則』も『孫子の兵法』も、戦いの研究から生まれた戦法なので基本的には同じで、後で述べる『電通「鬼十則」と『ドラッカーの理論』も経営学なので、基本的には同じと考えることができ、これらの戦法や経営学で共通している点がある。それは「原理原則」、則ち宇宙の法則です。

 ジャーナリストの故伊藤肇先生は、『帝王学』というテープの中で、有能なリーダーになるため条件として、以下のようなことを話していた。
一、原理原則を教えてくれる師を持つこと
二、直言してくれる側近を持つこと
三、よき幕賓を持つこと

 一、の経営での原理原則とは、経営の基本法則であり理念ですので、原理原則のない経営は成り立たない。原理原則を教えてくれる師を探すのは難しいのですが、ヒントとなるのは易、論語、兵法、聖書などを熟読している人を探すといいのではないかと思う。それらの書物には、宇宙の原理や人としての原則が述べられているので、経営を長期に安定させるのに役立つからです。

 東西南北に天地を加えて六合というが、六合とは宇宙のことであり、六合は何万年も同じような変化を見せている。そこには一つの法則があり、それらの書籍を読むことで自然の法則を学ぶことができるし、難しい対人関係に予測を立てて世間を渡る方法も分かってくる。特に治療師は人と人との交わりなので、原理原則に沿った人の思考を研究することは経営者として必要なことです。

 元首相の田中角栄氏、松下電器㈱の松下幸之助翁、「どてらい男」のモデルになったと云われる山本猛夫社長、三ヶ月しか学校に行かなかったと云われるトーマス・エジソン、彼らは人間としての原理原則を知っていたのです。

 では、治療の原理原則はどこにあるのか。

 鍼灸を学びはじめてから疑問に思うところがあり、20年の歳月を掛けてその問題解決に取り組み、2010年に著書にまとめて浪速社さんから本を出した。書名を 『人体惑星試論奥義書』 、副題を《客観的診断と再現性ある治療を求めて》としたのですが、原稿を書く段階では《診断と治療に困らない即効療法新城理論》としてあった。それは私が長年《即効的な治療法》の原理原則を追い求めた結果をまとめた著書でもあったからですが、2004四年10月から書き始めたブログで、「即効療法」という名称や、私の臨床例を書くと「眉唾物」という反応があったので副題を差し替えたのです。

 しかし、その本には私が長年研究した即効療法が「これでもか」というぐらい書き込んである。実際にその本を読んで試した鍼灸師の方々は、即効性のある治療法での体験を「驚きや喜び」としてブログに書いたりメールで送ってきたりしている。

 実はその本に書いた技術には、全て統一した原理原則が書いてあり、その原理原則を理解できた人は技術の応用ができるので、ほとんどの疾病に対処することができるようになるし、《即効的な治療》で患者さんを治していくので、日増しに患者さんが増えるわけです。

 その本で述べた治療の原理原則とは、鍼灸古典の『黄帝内経』や『難経』、或いはその他の書籍に見られる陰陽論や五行論の矛盾を整理し、人体と惑星の相関性を追及したものです。則ち、人体の臓腑を七星(太陽・水星・金星・地球・火星・木星・土星)に当てはめたもので、「精気の流れは七星の並びの順に流れる」と仮定し、易で仮説を立て、実験や臨床を繰り返した結果を根拠としたものです。

 古典を読んだ人は分かると思いますが、陰陽の定理が時々逆さまになっている。また経絡学説では、肺経・大腸経、胃経・脾経、心経・小腸経、膀胱経・腎経、心包経・三焦経、胆経・肝経という順序に並びますが、五行論に当てはめると心包経と三焦経は「抽象臓器」として捉えるので、古典治療の原点である経絡治療では、心包経と三焦経が除外されることになる。しかし実際の経絡治療では、心経の代わりに心包経を使い、心経は基本的に使わないことになっている。

 この論調でいくと小腸経の代わりに三焦経を使うことになるはずですが、小腸経は小腸経として使うというし、臨床では、膝痛や頭痛の治療で心経を用いるほうが治療効果が高いし、三焦経は全体のバランスを整えるのに大切な経絡です。そのような矛盾の解決に挑んだのですが、大きな目的は、治療の「原理原則」を持論でまとめるために編纂したものです。

 原理原則が揺らいでは、即効的な治療はできない。勿論、五行論でも歴史が示すように治療は可能ですが、七星論(人体惑星試論)のような即効的な治療は難しいと思ったので、「こんな方法を使うと即効的な治療ができますよ」と著書に著したわけです。


 二、の「直言」を辞典で引いてみると、【思っていることをありのままに言うこと。また、面と向かって直接言うこと。】と書かれていますが、ここでいう直言とは、もっと奥の深い言動をいう。直言の難しさは我々も体験することですが、伊藤肇先生も「直言をするのは至難の業です」と『帝王学』のテープで話していた。直言はややもすると文句や侮辱と受け取られる場合があるからです。直言のできる人は、心から相手のことを愛し、尊敬していなければできないことです。時には親であり時には夫婦であり、時には友であり師であるかも知れないが、静観して、論理的な口調で、無私で直言してくれる人は非常に少ない。

 たとえば、我々が友達と考えている人に、直言できる人がいるかと考えると、多分一人いればいいほうだろう。特に社会に出てからの友達は利害関係で友達になった人が多いので、直言してくれる人は殆どいない。それは、直言するには、それ相当の時間をその人だけのために費やすことになるからで、その視野で考えると、経営コンサルタントの指導でも直言とは言えない。則ち、直言をするには、相手の感情を逆撫ですることがなく、自分の考えを押し付けるものであってもならないので、我が子の成長を見守るような深い愛情がなければならないわけです。

 ですから、自分を叱ってくれる人には感謝が必要で、そういいう人を大切にすることが自分を成長させるためなのですが、これは叱られている時は気付かないものです。しかし時間が経ち、自分を叱ってくれた人の年齢になるまでには分かるものです。


 三、の「幕賓」とはパーソナルアドバイザーのことですが、筆者が総勢十八人で治療院を運営していた頃は、会計事務所、弁護士、プランナー、空調等のメンテナンス会社と顧問契約をしていて、分からないところや問題があれば、その専門に教えてもらっていた。

 その中で有難いと思ったのは顧問弁護士の先生で、スタッフが多いと治療中の事故や出勤退勤の途中での交通事故等で、どんな問題が発生するか分からないので、もしもの時のために弁護士の先生と顧問契約を交わしていたのですが、有難いことに事故や事件は起らなかった。しかし、毎月顧問料を払っているので、時々弁護士事務所に教えを請いに行き、世情のことやら手紙の書き方まで教えてもらった。

 顧問契約を交わしてから四年ほど経った時、弁護士の先生から「新城さん、何も起こらないのに顧問料を貰い続けるのは気が引けるので、今後は顧問料は頂かなくても相談に乗りますから、顧問契約は解除しましょう」と言い渡されたので、先生のおっしゃる通りに顧問契約は解除しました。そしてその後十年以上も経ちますが、今でも特許権や著作権などの問題で、電話やファックスで相談させてもらっていて、私はほんとうに「よき幕賓」に恵まれたと思っている。

 よき幕賓で知られる話に、アメリカのヘンリー・フォードの話がある。彼は、ある新聞社が「彼は無知な平和主義者だ」と論評されたことに反発して、名誉毀損でその新聞社を訴えた。新聞社の顧問弁護士は、フォードの無知さを陪審員に証明するために意地悪な質問攻めに遭わせた。その時、フォードは正確な解答ができなかったが、こう言ったそうです。「私のデスクにはたくさんのボタンがあり、必要なボタンを押せば、あなた以上に知識を持った部下がすぐ来てくれます」と。

 必要なときに必要な知識を得ることができることは、教育のある人間の証明でもあり、ビジネス社会にとっては有利に仕事を運ぶことでもある。それが幕賓というものです。
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