スペインのサッカー雑誌(薄いけど)Don Balonに載ったモリエンテスのインタビュー。だいぶ長いことしゃべってるようなので、ぼちぼちやっていきます。
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マルセイユにおける新しいプロジェクトに、信用できるFWが必要だと見てとった時、ディディエ・デシャンは、フェルナンド・モリエンテスを呼ぶことに疑問を持たなかった。トゥリア(バレンシア)での難しいシーズンをすごした後、モリエンテスは、愛したフランスへと戻ってきた。
Q:フェルナンド、マルセイユではどうですか?
M:良いよ、今はすべてが素晴らしい。僕たちは時間をかけてトレーニングしているけれど、すべてが非常にうまく進んでいる。
Q:あなたの移籍については多くの噂がありました。オリンピアコス、フェネルバフチェ、リヨン……マルセイユでデシャンというのは、あなたのモナコ時代の監督でしたが……
M:そうだよ。この夏には多くの動きがあり、多くのオファーがあった。それは確かだし、さらにビッグクラブであって、大きな動機になるもの、マルセイユにはデシャンがベンチにいるということがあった。僕はすごく特別な愛情と、大きな敬意をディディエに対して持っている。だから、OMに来ると決めるのは僕にとっては容易なことだった。
Q:彼がベンチにいたモナコでの1年というものは特別なものだった……
M:そう、デシャンは僕のことをよく知っている。彼はそれぞれの選手たちを、その長所や短所に基づいて、違うやり方で扱っていくということをわかっている。それに僕は、彼が僕を最高に生かせるということを知っている。以前に知っている監督と一緒だというのは、僕にとってはるかにやりやすいことだし、事態がうまくいっても悪くなっても、喜んで働いていくことだろう。
Q:マルセイユは、今シーズンに向けて多くの良い強化をしてきました(ルチョ・ゴンサレス、ディアワラ、エインセ、アブリエル…)。このチームの目標はどこにあるのでしょうか?
M:一番の目標は、リーグを獲ること。チームは、マルセイユのファンたちにとってこの非常に重要なタイトルを勝ち取ることに挑戦するよう作られてきている。その後で、さらにできることを見ていくだろう。このチームは非常に良い補強をしてきたし、ハードにトレーニングをしている。期待は大きいよ。
Q:OMは、あなたが加入して、今シーズンのチャンピオンズを争うことを見ているのも、また事実です…
M:それも重要な要素だね。リーグ戦で優勝する可能性を示していると同時に、さらに、選手にとって最も魅惑的な、チャンピオンズでもプレイすることができるチームだ。それも、非常に重要な動機になっている。
Q:少なくとも我々が言うことができるのは、あなたはチャンピオンズで十分に良い結果を出すということなので……(ちょっと適当)
M:(笑って)いいね、そうだよ。チャンピオンズは、僕がとても多くの機会プレイしてきたものだし、すごく特別な感じをもっている。プレイしなかったのは、バレンシアでUEFAを戦った1シーズンだけなんだよ。チャンピオンズが、僕にとって常に非常に良いものだった、それは本当だ。
Q:事実、2004年にモナコでは、4度目のチャンピオンズにほとんど手が届くところでした。マドリーのチームメイトたちよりも、多い数のチャンピオンズリーグを手にするところまで行きかけた……
M:そうだね。僕にとって、あの1年は本当に特別なものだった。僕たちはポルトに敗れたけれど、勝者のような感触もあったんだ。なぜなら、レアル・マドリー、PSV、チェルシーに勝ったこと、そういった試合を戦ってものにしたことは、僕たちにとって何か本当に素晴らしいことだったんだから。モナコで、あの時のチームで、チャンピオンズのファイナルを戦ったのは、クラブにとってもファンたちにとっても格別なことだった。
Q:あなたはチャンピオンズでレアル・マドリー相手に得点を決めました。心のチームに対してゴールするのは、ひどく辛いことではありませんでしたか?
M:もちろん。でも同時に嬉しいことでもあったんだよ! 僕はマドリディスタだって白状するけど(笑)、でも、本当に難しいことだった。あのシーズン、僕はマドリーからモナコに出されて、偶然にもその心のチームが僕の進む道に現れたということなんだ。
Q:そして、それは他のチームに対して点を決めるのとは、同じではなかった……
M:違うね。でも事実、あの時僕はモナコの選手であり、僕のクラブのために自分の仕事をしなければならなかった。あのことについてはいろいろ言われたけれど、マドリーに勝つことは難しいことでもあった、というのが事実だよ。
Q:今シーズンのチャンピオンズで、マルセイユとして、レアル・マドリーと同じグループに入りたいと思いますか?
M:そんなにすぐには嫌だな。マドリーは、敗ることでチームを良い方向に力づけてくれるようなチームだ。だから大会のもっと後の方で当たるほうが良いよ。これはマルセイユにとってとても良いシグナルになるだろう。つまり、僕たちはグループ予選を勝ち上がるだろうということだ。そうできればと願っているよ。
Q:あなたは、スペイン、フランス、イングランドでチャンピオンズを戦ってきました。最も楽しんでいたのは?
M:間違いなくスペインだね。僕が幼い頃から親しんできたものだし、僕のキャラクターにも一番合っている。スペインのフットボールは、誰にとっても一番楽しめるものだ。フットボールをプレイすることに加えて、個人の生活も実現していかなければいけない。すべてが一体となっている。
Q:でも、フランスのフットボールはあなたにとって特別なんでしょう? 違いますか?
M:そうだよ、でもそれは、モナコで素晴らしいシーズンを過ごせたからというだけではなくて、人々が、他の場所に比べても本当に特別だったからでもある。この国で人々や選手たちと触れ合って、すごく良いフィーリングがある。それが僕には、なによりも嬉しいことなんだ。
Q:サラゴサに戻るという話もありましたが……
M:本当のことを言うと、オファーがなかったんだ。それがこの問題が消えた理由だよ。サラゴサでは、僕のキャリアの始まりの頃の2シーズンを過ごしたし、多くの友達が残っている。望まれている、賞賛されていると感じられる場所へ戻るのは、いつでも嬉しいことだよ。だから本当に素晴らしいことだと思うけれど、でも今は、マルセイユから変わることは何もないよ。
Q:レアル・マドリーは、あなたの人生のチームですが……
M:レアル・マドリーは、僕のキャリアに大きな意味を持つ。前にも言ったとおり、僕はマドリディスタだと感じると告白したし、今シーズンは距離があるけれど、マドリーにはリーガを獲って欲しいと願うよ。それから、バレンシアで3シーズンを過ごしたことも、僕にとっては大きなものになっているし、バレンシアにも最高のものがあってほしいと願っているんだ。
Q:33歳になりました。OMに移籍する際にはそのことが言われましたが、デシャンは、インザーギやデル・ピエロはあなたより年齢が上だが、素晴らしいものだと言っていました。この問題について何か言わなければならないことは?
M:僕が思うのは、年齢というものはしばしば、他のものよりも頭脳に関係するということだ。ぼくはフットボールをプレイし続けていきたいという希望を感じている。この年齢になれば、21歳の時とは違うのがわかる、というのは確かだけどね(笑)。
Q:それは……
M:でも、33歳になってポジティブなことは、20歳ではないということだ。若い選手とベテラン選手が混ざり合うのは、チームにとって良いことだ。若い選手が貢献できない部分を、年上の選手が貢献できるわけだから。経験というものはシーズンを通じて大きな助けになる。今シーズン、マルセイユでは戦わなければならない試合が数多くある。そして僕たちには全員の貢献が必要とされるだろう。最終的には、若い選手も最も経験を積んだ選手も同じだけ、チームのためには本質的な存在となっていくだろう。
Q:レアル・マドリーで過ごしたシーズンの中で、最高の想い出は?
M:アムステルダムで手にした、最初のチャンピオンズだね、間違いなく。マドリーで、それから個人レベルでも、僕が手にした最初の大きなタイトルだったから。僕は若くて、トロフィーを勝ち取れることも、あのレベルに到達できることも考えていなかった。だから、あの重要なタイトルを勝ち得たことは、本当に特別なことだったんだ。
Q:では最悪の想い出は?
M:最悪の記憶は、いつでも怪我のこと、いつも同じだよ。僕の最悪の記憶は、恥骨の手術をしたことだ。
Q:バレンシアでの最後のシーズンは厳しいものでしたか?
M:そうだね、少し。でも、僕は落ち着くようにしていたし、それが僕のバレンシアでの最後のシーズンになると理解していた。シーズンが始まってから、おおよその監督の考えを知っていき、十分に学んだよ。あらゆる意味で厳しいシーズンだった。クラブの安定性が、チームがスポーツ面での成功を感じる助けにはならなかったからね。今は、クラブもその点では変化しているし、これからバレンシアが、僕たち全員が望む落ち着きを手にできることを期待している。
Q:あなたが手にしたタイトルや記録の数を考えると、スペインで評価されるのに十分ではありませんか?
M:事実、本当に評価されていると感じるよ。でも、何よりも、人々が寄せてくれる愛情を受け取ること、僕のスポーツライフでも個人のレベルでも、それが僕には価値がある。誰かやジャーナリストが、僕を他の選手たちと比較して上とか下とか位置づけをしているのよりも、はるかにファンの愛情の方が僕を満たしてくれる。スペインにいてすごく愛情を感じること、街中で、そしてファンがいつでもそれを示してくれること、それが僕のプライドを満たしてくれるよ。
Q:そして、あなたが獲得したタイトルすべてが、あなたがフットボールを続けて行くモチベーションになっている?
M:それでたった今、フランスのリーグでタイトルを獲りに動いているところだしね(笑)。リーグ・アンのタイトルを手にできることは、今の僕の最大の夢であり新しいチャレンジだ。それがフットボールをプレイする理由の1つだよ。新しいタイトルを手にすること、新しい経験をすることがね。僕の人生は、常にフットボールと結びついているし、僕のキャリアの各ステージで、新しいチャレンジ、期待を持ち続けていくんだ。
Q:レアル・マドリーの話に戻ります。フロレンティーノ・ペレスの復帰をどう思いますか?
M:彼が戻ることを決めたのであれば、それはマドリーが再変革を必要としていることを、彼がはっきりと理解していたということだろう。多くのソシオが声を上げて求めたのは確かだし、それで彼は再び選手獲得を成し遂げて人々を熱狂させることができている。今はただ、タイトルを獲得しなければならない、そして最終的にベルナベウに足を運べばいつでも、すべてのマドリディスタが求める、良いフットボールをしなければならないということだ。マドリーにとって良いシーズンになるだろうと僕は信じているし、僕たち皆が、そこで起こることを見たいと望んでいる。
Q:ただ、マドリーが選手獲得に使った移籍金の総額をどう見ているのですか?
M:内側から見れば、僕は良いと思ってるよ。もし1人の選手のためにある金額を払えるのであれば、それはその人が、その価値があると考え、また別の方法で取り戻せると考えているからだ。マドリーやバルセロナのようなクラブのソシオが夢を求める場合には、時にそれは金によってもたらされるもの、金で選手に投資しなければならないこともある。フットボールの世界では、素晴らしい選手以上に夢をもたらすことができるものはないよ。
Q:あなたはリバプールで、シャビ・アロンソと共にプレイしていましたね。
M:シャビ・アロンソは、どんなチームにあっても、その「頭脳」だよ。マドリーの場合は、既にそのポジションに優れた選手たちがいる。でもシャビはそれに落ち着きとゲーム・ビジョンをプラスするんだ。彼は、レアル・マドリーにとって強い印象を与える強化になると思っている。どのチームにも論争の的になるポジションがあり、おそらくレアル・マドリーでは特にそうだろう。だから余計にプレッシャーがかかるんだよね。
Q:彼は、マドリーがそのポジションに必要としていた選手でしょうか?
M:彼をよく知って僕が言えるのは、彼は素晴らしく、非常に集中して問題なく仕事をこなすことができる男だ、ということだよ。他のビッグクラブ、つまりリバプールで既にそうしてきている。そして今確実に、マドリーで素晴らしい選手たちに囲まれて、再びそうした仕事をするだろう。
Q:多くの新加入選手がいる中で、あなたの友人のラウルが新生レアル・マドリーでスタメンのポジションを取れると思いますか?
M:ラウルはポジションを勝ち取りにいく必要はない。これまでのシーズンで、常に彼は存在し、常に最大のものを与えられることを示してきたんだからね。ラウルには、彼がフットボールに対して与えてきたもの、与え続けているものについて、彼を金字塔としなければと僕は思うし、だからこそ皆彼に大きな敬意を払わなければならない。彼はいつもいろいろなことを言われるけれど、彼は常にマドリーに従い、静かで、トレーニングをし、そして得点を加え続けている、彼は最も重要な存在だ。彼がピッチからいなくなる時は、本当に僕たちは寂しくなることだろう。
Q:そして、クリスチアーノ、カカ、ベンゼマ、シャビ・アロンソ、他の選手たちの中で、新生レアル・マドリーでは、誰が特に重みを持つことになると考えますか?
M:相手をかく乱する存在であること、そしてそのプレイを見て楽しいという点から、1人選ぶならおそらくクリスチアーノ・ロナウドだろう。でも他に僕が思うことを聞いてくれるなら、シャビ・アロンソとカカがフォワードにボールを供給する素晴らしいコンビを形成するだろう、と言うよ。スペクタクルはゴールの時点で訪れるけれど、その前のエリア手前数メートルも常に重要だ。そしてそこでは、カカとシャビ・アロンソが違いを見せ付けるはずだ。
Q:それでは、最大のライバルについて見ていきます。バルセロナのトリプレッテは嬉しかったですか?
M:いや、嬉しくない。でも大好きだよ!(笑) あれは、夢のような、誰もが探し求めるようなチームだ。あらゆる点で、彼らは抜きん出たシーズンを過ごしたし、3つのタイトルを手にした点で、彼らを賞賛する必要がある。それに足るだけの賞賛というのはないだろう。ものすごく難しいことなのだから。
Q:1つのタイトルを手にすることですら難しい……
M:さらにリーガ、チャンピオンズ、コパという重要な3つのタイトルを獲ることは、本当に難しいんだ。これは、素晴らしいチームがあり、最高に一体となった偉大なクラブであるからこそできることだ。この点は、あらゆる優れた選手をチームにしていくマドリーにとってハンディキャップとなるだろう。バルセロナは、もう完成しているんだから、そういう作業をする必要がない。今のマドリーは、獲得した素晴らしい選手たちをひとつの素晴らしいチームにしていかなければならない。
Q:ではアスール・グラナの一体感の中で、今現在、メッシが世界最高の選手だと思いますか?
M:良いね(笑)。最高の1人じゃないとしても、ベストの3人の中の1人だね。どの選手にもそれぞれの長所があり、どの選手も好みのプレイの仕方を持っている。フットボール選手には、それぞれの長所があるんだ。そしておそらくメッシは、世界最高の2人か3人の選手の中に入るだろう。バルセロナや代表のためにプレイするのはいつでも嬉しいことだろうし、そういう彼を見ることができるというのも嬉しいことだよ!
Q:今シーズンのリーガは、いつも以上に、この2クラブのどちらかが取るだろうと思いませんか?
M:レアル・マドリーは投資をしたし、バルセロナは一体感を備えている。そこから見ると、この2チームという可能性があるね。でもフットボールは変わりやすいものだし、おそらく一体となった堅実なチームが出てきて、最後まで争っていくことになるだろう。
Q:いずれにしても、エキサイティングになりそうですね。
M:リーガが始まって、試合を家のソファやスタジアムのスタンドから楽しめるのは最高だね。確かに、エキサイティングになるだろうな。今シーズンは本当に感動的なリーガになるだろうし、少なくとも外にいる僕たちは、テレビでリーガを見てビッグクラブ同士の対戦を大いに楽しむことを期待しようよ。
Q:それならもう、フランスからリーガの試合を見逃さないようにあらゆる準備を済ませたはずですね。違いますか?
M:それがまだなんだよ、残念なことに! 僕はまだホテル住まいで、家を探すのと、すべての試合を見られるようにあらゆる設備を設置するのとに、必死になっているんだ(笑)。
(了)
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感想。
ちょっと前のFrance Football誌に載ったインタビューの一部と、かぶる部分もありますが、本当にデシャンという監督と良い関係を持ててよかったと思います。強い意欲を持ってまた戦いに臨むことができる、そういう場所を与えられたわけですから。シーズン通していく中で、もしかしたら思い通りにならないこともあるかもしれません。負傷する可能性もあるし、まだやれると思うより出場時間が少ないこともあるかもしれない、思ったように結果が出ないかもしれない。でも、デシャンの指揮下にいる以上、そうしたことも受け入れて、マルセイユのために尽くしていくのではないかと思います。
あとは、モリエンテスのマドリディスタっぷり+サカヲタっぷりが発揮されてるなあ、と思って読んでました。究極のラウリスタなところはいつもどおりですが、ペレスのやり方に言及している部分とか。おそらく自分の経験から、ペレスのやることを全部受け入れてはいないかもしれません。でも、強いマドリーを取り戻すためには、ペレスが必要であり、ペレスのように金を使うことが必要だ、という点は受け入れているように思えます。ペレスのやり方は、それによって辛い思いをさせられる選手がいることを考えて、感情的に否定したくなる部分もあるのですが、プロフェッショナル・フットボールの世界で生きているモリエンテスには、それも含めて現実なんだろうなあ……。
かと思えば、マドリディスタなんだけど…でもでもバルサすごいよね! って、やっぱりただのサカヲタだなあ。早くリーガを見る態勢、整えられるといいねー。
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マルセイユにおける新しいプロジェクトに、信用できるFWが必要だと見てとった時、ディディエ・デシャンは、フェルナンド・モリエンテスを呼ぶことに疑問を持たなかった。トゥリア(バレンシア)での難しいシーズンをすごした後、モリエンテスは、愛したフランスへと戻ってきた。
Q:フェルナンド、マルセイユではどうですか?
M:良いよ、今はすべてが素晴らしい。僕たちは時間をかけてトレーニングしているけれど、すべてが非常にうまく進んでいる。
Q:あなたの移籍については多くの噂がありました。オリンピアコス、フェネルバフチェ、リヨン……マルセイユでデシャンというのは、あなたのモナコ時代の監督でしたが……
M:そうだよ。この夏には多くの動きがあり、多くのオファーがあった。それは確かだし、さらにビッグクラブであって、大きな動機になるもの、マルセイユにはデシャンがベンチにいるということがあった。僕はすごく特別な愛情と、大きな敬意をディディエに対して持っている。だから、OMに来ると決めるのは僕にとっては容易なことだった。
Q:彼がベンチにいたモナコでの1年というものは特別なものだった……
M:そう、デシャンは僕のことをよく知っている。彼はそれぞれの選手たちを、その長所や短所に基づいて、違うやり方で扱っていくということをわかっている。それに僕は、彼が僕を最高に生かせるということを知っている。以前に知っている監督と一緒だというのは、僕にとってはるかにやりやすいことだし、事態がうまくいっても悪くなっても、喜んで働いていくことだろう。
Q:マルセイユは、今シーズンに向けて多くの良い強化をしてきました(ルチョ・ゴンサレス、ディアワラ、エインセ、アブリエル…)。このチームの目標はどこにあるのでしょうか?
M:一番の目標は、リーグを獲ること。チームは、マルセイユのファンたちにとってこの非常に重要なタイトルを勝ち取ることに挑戦するよう作られてきている。その後で、さらにできることを見ていくだろう。このチームは非常に良い補強をしてきたし、ハードにトレーニングをしている。期待は大きいよ。
Q:OMは、あなたが加入して、今シーズンのチャンピオンズを争うことを見ているのも、また事実です…
M:それも重要な要素だね。リーグ戦で優勝する可能性を示していると同時に、さらに、選手にとって最も魅惑的な、チャンピオンズでもプレイすることができるチームだ。それも、非常に重要な動機になっている。
Q:少なくとも我々が言うことができるのは、あなたはチャンピオンズで十分に良い結果を出すということなので……(ちょっと適当)
M:(笑って)いいね、そうだよ。チャンピオンズは、僕がとても多くの機会プレイしてきたものだし、すごく特別な感じをもっている。プレイしなかったのは、バレンシアでUEFAを戦った1シーズンだけなんだよ。チャンピオンズが、僕にとって常に非常に良いものだった、それは本当だ。
Q:事実、2004年にモナコでは、4度目のチャンピオンズにほとんど手が届くところでした。マドリーのチームメイトたちよりも、多い数のチャンピオンズリーグを手にするところまで行きかけた……
M:そうだね。僕にとって、あの1年は本当に特別なものだった。僕たちはポルトに敗れたけれど、勝者のような感触もあったんだ。なぜなら、レアル・マドリー、PSV、チェルシーに勝ったこと、そういった試合を戦ってものにしたことは、僕たちにとって何か本当に素晴らしいことだったんだから。モナコで、あの時のチームで、チャンピオンズのファイナルを戦ったのは、クラブにとってもファンたちにとっても格別なことだった。
Q:あなたはチャンピオンズでレアル・マドリー相手に得点を決めました。心のチームに対してゴールするのは、ひどく辛いことではありませんでしたか?
M:もちろん。でも同時に嬉しいことでもあったんだよ! 僕はマドリディスタだって白状するけど(笑)、でも、本当に難しいことだった。あのシーズン、僕はマドリーからモナコに出されて、偶然にもその心のチームが僕の進む道に現れたということなんだ。
Q:そして、それは他のチームに対して点を決めるのとは、同じではなかった……
M:違うね。でも事実、あの時僕はモナコの選手であり、僕のクラブのために自分の仕事をしなければならなかった。あのことについてはいろいろ言われたけれど、マドリーに勝つことは難しいことでもあった、というのが事実だよ。
Q:今シーズンのチャンピオンズで、マルセイユとして、レアル・マドリーと同じグループに入りたいと思いますか?
M:そんなにすぐには嫌だな。マドリーは、敗ることでチームを良い方向に力づけてくれるようなチームだ。だから大会のもっと後の方で当たるほうが良いよ。これはマルセイユにとってとても良いシグナルになるだろう。つまり、僕たちはグループ予選を勝ち上がるだろうということだ。そうできればと願っているよ。
Q:あなたは、スペイン、フランス、イングランドでチャンピオンズを戦ってきました。最も楽しんでいたのは?
M:間違いなくスペインだね。僕が幼い頃から親しんできたものだし、僕のキャラクターにも一番合っている。スペインのフットボールは、誰にとっても一番楽しめるものだ。フットボールをプレイすることに加えて、個人の生活も実現していかなければいけない。すべてが一体となっている。
Q:でも、フランスのフットボールはあなたにとって特別なんでしょう? 違いますか?
M:そうだよ、でもそれは、モナコで素晴らしいシーズンを過ごせたからというだけではなくて、人々が、他の場所に比べても本当に特別だったからでもある。この国で人々や選手たちと触れ合って、すごく良いフィーリングがある。それが僕には、なによりも嬉しいことなんだ。
Q:サラゴサに戻るという話もありましたが……
M:本当のことを言うと、オファーがなかったんだ。それがこの問題が消えた理由だよ。サラゴサでは、僕のキャリアの始まりの頃の2シーズンを過ごしたし、多くの友達が残っている。望まれている、賞賛されていると感じられる場所へ戻るのは、いつでも嬉しいことだよ。だから本当に素晴らしいことだと思うけれど、でも今は、マルセイユから変わることは何もないよ。
Q:レアル・マドリーは、あなたの人生のチームですが……
M:レアル・マドリーは、僕のキャリアに大きな意味を持つ。前にも言ったとおり、僕はマドリディスタだと感じると告白したし、今シーズンは距離があるけれど、マドリーにはリーガを獲って欲しいと願うよ。それから、バレンシアで3シーズンを過ごしたことも、僕にとっては大きなものになっているし、バレンシアにも最高のものがあってほしいと願っているんだ。
Q:33歳になりました。OMに移籍する際にはそのことが言われましたが、デシャンは、インザーギやデル・ピエロはあなたより年齢が上だが、素晴らしいものだと言っていました。この問題について何か言わなければならないことは?
M:僕が思うのは、年齢というものはしばしば、他のものよりも頭脳に関係するということだ。ぼくはフットボールをプレイし続けていきたいという希望を感じている。この年齢になれば、21歳の時とは違うのがわかる、というのは確かだけどね(笑)。
Q:それは……
M:でも、33歳になってポジティブなことは、20歳ではないということだ。若い選手とベテラン選手が混ざり合うのは、チームにとって良いことだ。若い選手が貢献できない部分を、年上の選手が貢献できるわけだから。経験というものはシーズンを通じて大きな助けになる。今シーズン、マルセイユでは戦わなければならない試合が数多くある。そして僕たちには全員の貢献が必要とされるだろう。最終的には、若い選手も最も経験を積んだ選手も同じだけ、チームのためには本質的な存在となっていくだろう。
Q:レアル・マドリーで過ごしたシーズンの中で、最高の想い出は?
M:アムステルダムで手にした、最初のチャンピオンズだね、間違いなく。マドリーで、それから個人レベルでも、僕が手にした最初の大きなタイトルだったから。僕は若くて、トロフィーを勝ち取れることも、あのレベルに到達できることも考えていなかった。だから、あの重要なタイトルを勝ち得たことは、本当に特別なことだったんだ。
Q:では最悪の想い出は?
M:最悪の記憶は、いつでも怪我のこと、いつも同じだよ。僕の最悪の記憶は、恥骨の手術をしたことだ。
Q:バレンシアでの最後のシーズンは厳しいものでしたか?
M:そうだね、少し。でも、僕は落ち着くようにしていたし、それが僕のバレンシアでの最後のシーズンになると理解していた。シーズンが始まってから、おおよその監督の考えを知っていき、十分に学んだよ。あらゆる意味で厳しいシーズンだった。クラブの安定性が、チームがスポーツ面での成功を感じる助けにはならなかったからね。今は、クラブもその点では変化しているし、これからバレンシアが、僕たち全員が望む落ち着きを手にできることを期待している。
Q:あなたが手にしたタイトルや記録の数を考えると、スペインで評価されるのに十分ではありませんか?
M:事実、本当に評価されていると感じるよ。でも、何よりも、人々が寄せてくれる愛情を受け取ること、僕のスポーツライフでも個人のレベルでも、それが僕には価値がある。誰かやジャーナリストが、僕を他の選手たちと比較して上とか下とか位置づけをしているのよりも、はるかにファンの愛情の方が僕を満たしてくれる。スペインにいてすごく愛情を感じること、街中で、そしてファンがいつでもそれを示してくれること、それが僕のプライドを満たしてくれるよ。
Q:そして、あなたが獲得したタイトルすべてが、あなたがフットボールを続けて行くモチベーションになっている?
M:それでたった今、フランスのリーグでタイトルを獲りに動いているところだしね(笑)。リーグ・アンのタイトルを手にできることは、今の僕の最大の夢であり新しいチャレンジだ。それがフットボールをプレイする理由の1つだよ。新しいタイトルを手にすること、新しい経験をすることがね。僕の人生は、常にフットボールと結びついているし、僕のキャリアの各ステージで、新しいチャレンジ、期待を持ち続けていくんだ。
Q:レアル・マドリーの話に戻ります。フロレンティーノ・ペレスの復帰をどう思いますか?
M:彼が戻ることを決めたのであれば、それはマドリーが再変革を必要としていることを、彼がはっきりと理解していたということだろう。多くのソシオが声を上げて求めたのは確かだし、それで彼は再び選手獲得を成し遂げて人々を熱狂させることができている。今はただ、タイトルを獲得しなければならない、そして最終的にベルナベウに足を運べばいつでも、すべてのマドリディスタが求める、良いフットボールをしなければならないということだ。マドリーにとって良いシーズンになるだろうと僕は信じているし、僕たち皆が、そこで起こることを見たいと望んでいる。
Q:ただ、マドリーが選手獲得に使った移籍金の総額をどう見ているのですか?
M:内側から見れば、僕は良いと思ってるよ。もし1人の選手のためにある金額を払えるのであれば、それはその人が、その価値があると考え、また別の方法で取り戻せると考えているからだ。マドリーやバルセロナのようなクラブのソシオが夢を求める場合には、時にそれは金によってもたらされるもの、金で選手に投資しなければならないこともある。フットボールの世界では、素晴らしい選手以上に夢をもたらすことができるものはないよ。
Q:あなたはリバプールで、シャビ・アロンソと共にプレイしていましたね。
M:シャビ・アロンソは、どんなチームにあっても、その「頭脳」だよ。マドリーの場合は、既にそのポジションに優れた選手たちがいる。でもシャビはそれに落ち着きとゲーム・ビジョンをプラスするんだ。彼は、レアル・マドリーにとって強い印象を与える強化になると思っている。どのチームにも論争の的になるポジションがあり、おそらくレアル・マドリーでは特にそうだろう。だから余計にプレッシャーがかかるんだよね。
Q:彼は、マドリーがそのポジションに必要としていた選手でしょうか?
M:彼をよく知って僕が言えるのは、彼は素晴らしく、非常に集中して問題なく仕事をこなすことができる男だ、ということだよ。他のビッグクラブ、つまりリバプールで既にそうしてきている。そして今確実に、マドリーで素晴らしい選手たちに囲まれて、再びそうした仕事をするだろう。
Q:多くの新加入選手がいる中で、あなたの友人のラウルが新生レアル・マドリーでスタメンのポジションを取れると思いますか?
M:ラウルはポジションを勝ち取りにいく必要はない。これまでのシーズンで、常に彼は存在し、常に最大のものを与えられることを示してきたんだからね。ラウルには、彼がフットボールに対して与えてきたもの、与え続けているものについて、彼を金字塔としなければと僕は思うし、だからこそ皆彼に大きな敬意を払わなければならない。彼はいつもいろいろなことを言われるけれど、彼は常にマドリーに従い、静かで、トレーニングをし、そして得点を加え続けている、彼は最も重要な存在だ。彼がピッチからいなくなる時は、本当に僕たちは寂しくなることだろう。
Q:そして、クリスチアーノ、カカ、ベンゼマ、シャビ・アロンソ、他の選手たちの中で、新生レアル・マドリーでは、誰が特に重みを持つことになると考えますか?
M:相手をかく乱する存在であること、そしてそのプレイを見て楽しいという点から、1人選ぶならおそらくクリスチアーノ・ロナウドだろう。でも他に僕が思うことを聞いてくれるなら、シャビ・アロンソとカカがフォワードにボールを供給する素晴らしいコンビを形成するだろう、と言うよ。スペクタクルはゴールの時点で訪れるけれど、その前のエリア手前数メートルも常に重要だ。そしてそこでは、カカとシャビ・アロンソが違いを見せ付けるはずだ。
Q:それでは、最大のライバルについて見ていきます。バルセロナのトリプレッテは嬉しかったですか?
M:いや、嬉しくない。でも大好きだよ!(笑) あれは、夢のような、誰もが探し求めるようなチームだ。あらゆる点で、彼らは抜きん出たシーズンを過ごしたし、3つのタイトルを手にした点で、彼らを賞賛する必要がある。それに足るだけの賞賛というのはないだろう。ものすごく難しいことなのだから。
Q:1つのタイトルを手にすることですら難しい……
M:さらにリーガ、チャンピオンズ、コパという重要な3つのタイトルを獲ることは、本当に難しいんだ。これは、素晴らしいチームがあり、最高に一体となった偉大なクラブであるからこそできることだ。この点は、あらゆる優れた選手をチームにしていくマドリーにとってハンディキャップとなるだろう。バルセロナは、もう完成しているんだから、そういう作業をする必要がない。今のマドリーは、獲得した素晴らしい選手たちをひとつの素晴らしいチームにしていかなければならない。
Q:ではアスール・グラナの一体感の中で、今現在、メッシが世界最高の選手だと思いますか?
M:良いね(笑)。最高の1人じゃないとしても、ベストの3人の中の1人だね。どの選手にもそれぞれの長所があり、どの選手も好みのプレイの仕方を持っている。フットボール選手には、それぞれの長所があるんだ。そしておそらくメッシは、世界最高の2人か3人の選手の中に入るだろう。バルセロナや代表のためにプレイするのはいつでも嬉しいことだろうし、そういう彼を見ることができるというのも嬉しいことだよ!
Q:今シーズンのリーガは、いつも以上に、この2クラブのどちらかが取るだろうと思いませんか?
M:レアル・マドリーは投資をしたし、バルセロナは一体感を備えている。そこから見ると、この2チームという可能性があるね。でもフットボールは変わりやすいものだし、おそらく一体となった堅実なチームが出てきて、最後まで争っていくことになるだろう。
Q:いずれにしても、エキサイティングになりそうですね。
M:リーガが始まって、試合を家のソファやスタジアムのスタンドから楽しめるのは最高だね。確かに、エキサイティングになるだろうな。今シーズンは本当に感動的なリーガになるだろうし、少なくとも外にいる僕たちは、テレビでリーガを見てビッグクラブ同士の対戦を大いに楽しむことを期待しようよ。
Q:それならもう、フランスからリーガの試合を見逃さないようにあらゆる準備を済ませたはずですね。違いますか?
M:それがまだなんだよ、残念なことに! 僕はまだホテル住まいで、家を探すのと、すべての試合を見られるようにあらゆる設備を設置するのとに、必死になっているんだ(笑)。
(了)
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感想。
ちょっと前のFrance Football誌に載ったインタビューの一部と、かぶる部分もありますが、本当にデシャンという監督と良い関係を持ててよかったと思います。強い意欲を持ってまた戦いに臨むことができる、そういう場所を与えられたわけですから。シーズン通していく中で、もしかしたら思い通りにならないこともあるかもしれません。負傷する可能性もあるし、まだやれると思うより出場時間が少ないこともあるかもしれない、思ったように結果が出ないかもしれない。でも、デシャンの指揮下にいる以上、そうしたことも受け入れて、マルセイユのために尽くしていくのではないかと思います。
あとは、モリエンテスのマドリディスタっぷり+サカヲタっぷりが発揮されてるなあ、と思って読んでました。究極のラウリスタなところはいつもどおりですが、ペレスのやり方に言及している部分とか。おそらく自分の経験から、ペレスのやることを全部受け入れてはいないかもしれません。でも、強いマドリーを取り戻すためには、ペレスが必要であり、ペレスのように金を使うことが必要だ、という点は受け入れているように思えます。ペレスのやり方は、それによって辛い思いをさせられる選手がいることを考えて、感情的に否定したくなる部分もあるのですが、プロフェッショナル・フットボールの世界で生きているモリエンテスには、それも含めて現実なんだろうなあ……。
かと思えば、マドリディスタなんだけど…でもでもバルサすごいよね! って、やっぱりただのサカヲタだなあ。早くリーガを見る態勢、整えられるといいねー。
モロのインタありがとうございます・・
日曜のモロの試合のネットがどれもつながらなくて・・がっかりしていたところです!
モロにももう一花、デシャンとともに魅せて欲しいです,とっても!!
ラウールがスペインのテレビ局のインタで、一番面白かったのは、あのめちゃイケの、モリモリラウラウの芝刈り機だったと答えてたそうです。
モロとラウールといっしょにいれたあのときが、とってもラウールはハッピーだったんだとあらためて思いました!
そんなモロの口から、ラウールがピッチからほんとうにいなくなったとき、寂しいって言われたら、本当だと・・・
コネホと愛マールのように・・またどこかでこの二人の2トップが観たいものです・・
お台場て、ごいしょさせていただいたマドリデイスタのかたが「世界一の2トップ!!」て・・声かけたときとっても嬉しそうだった二人の笑顔が思い浮かんできました・・・・
朝から・・ながながと・・
フランスの試合はちょっと見づらいですね…。リール戦、私は交代でモリエンテスが出たあたりからようやく見られましたが、だいぶ手こずりました…。