つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

チーム三蔵がゆく!

2006-03-06 23:54:54 | マンガ(少女漫画)
さて、ここのコメントって深く考えなくてもいいと思う第461回は、

タイトル:パタリロ西遊記!(全八巻+外伝)
著者:魔夜峰央
出版社:白泉社

であります。

パタリロ!のキャラクター達を使って西遊記をやってしまったという外伝的作品。
ただのお遊び企画かと思いきや(失礼!)、本作オリジナルのキャラの出来が非常に良く、最後までハイテンションで楽しませてくれました。

数ある西遊記漫画と同じく、ストーリーは原作のダイジェスト……なのですが、三蔵一行が旅する世界のデフォルメが凄まじい。
空飛ぶ雲にターボエンジン付けるのは序の口、金角が使う七星剣はライトセーバーだし、他にも核ミサイルは出るわ四次元カプセルは出るわと、やりたい放題。
もちろん、普通の西遊記と同じような妖怪やら仙術も出てくるのですが、中にはクローン妖怪がいたり、牛魔王は妖怪マフィアのボスだったり、もう無茶苦茶です。

それでも、細かい解説を入れることで原作をフォローしているのはさすが。
釈迦が悟空を封印するために使ったお札の意味とか、菩薩の語源や本物にはヒゲがあるという話など、より西遊記の世界を楽しめる解説がいっぱい。
まー、それに混じって黒魔術とかクトゥルー神話の説明も入ってるところが、いかにもこの方って感じですが。(笑)

もちろん、本家パタリロの味もちゃんと残っています。
パタリロが悟空、マライヒが三蔵、バンコランやヒューイットが天竺情報部とも言うべき十六羅漢の一員、と納得のキャスティング。
パタリロがかますギャグ、マライヒの謎解き、バンコランの美少年趣味、ヒューイットのロリコン趣味など、本家そのまんまなので、安心して楽しめます。

しかし、本作の魅力はオリジナルキャラの完成度の高さにあります。
黒髪の美青年で女ったらしの八戒、原作だと悟空のフォローもしくは足を引っぱる役ですが、本作ではかなり強く、格好良いキャラクターになってます。
サルガタナス顔(笑)でツッコミ役の悟浄、原作では飽くまでナンバー4扱いですが、こちらでは冷静沈着、頭脳明晰、経験豊富な一流の武人として大活躍。

敵キャラもかなりひねってあり、濃すぎる主人公達に負けていません。
ナタ太子はバンコラン好みの美少年だし、魔王黒風堂は黒いスーパーキャット、紅孩児は科学と魔術どちらも利用する超強敵。
中でも屈指の格好良さを誇るのがラスボスの牛魔王、何せ本気で釈迦に喧嘩売ろうってんだから、そこいらのザコ妖怪とはスケールが違います。

本家が好きな人、西遊記が好きな人、ギャグ漫画が好きな人、誰でもオススメ。
人気が高かったのか、つい最近に外伝が出ました。
個人的には、今の『パタリロ源氏物語!』より、本作の外伝をどんどん書いて欲しいと思ってもみたり……。(爆)



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おお、パタちゃんが (ぱいぽ)
2006-05-06 14:38:29
ここで「パタリロ西遊記」の読者に会おうとは……。当然1~8と外伝、持っています。源氏物語も読みましたが、やはり西遊記をまたやってほしいなと、わたしも思います。外伝2が出るのを期待しています。
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パタちゃんですよ~ (SEN)
2006-05-07 14:19:40
作者としては辛いところでしょうが、やはり西遊記の方が面白かったという意見が多いみたいですね。私も外伝2が出るのを期待しています……というか、源氏の方に出張で出てきそうな気もしますが。(笑)
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