つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

あのころはいずこ?

2005-12-31 12:37:35 | マンガ(少年漫画)
さて、大晦日だよ、全員集合! なんてことはないの第396回は、

タイトル:サイキックアカデミー 煌羅万象(全9巻)
著者:克亜樹
出版社:講談社

であります。

「ふたりエッチ」が大ヒットした著者の青年マンガ。
どっちが先かは知らないけど、とりあえず古本屋に全巻まとめて転がっていたし、懐かしさもあって買ってみた。

ストーリーは、21世紀初頭。
オーラと呼ばれる特殊能力をもった人間を育成するため、サイキック・アカデミーという教育機関があった。
主人公の少年汐見愛もオーラ特性により入学することになるところから始まる。

このアカデミーでは、主人公の愛の幼馴染みである織奈がすでに入学しており、前半部分は、この幼馴染みとの話と、愛のオーラの能力に関する話が基本。
とは言うものの、少年マンガ&青年マンガにつきものの、いわゆる従順なお人形キャラの織奈とは対照的なミュウというもうひとりのヒロインとの関わりも描かれている。

そのストーリー後半は、前半のべたべたのラブコメディから、オーラにまつわる不可思議な事象や愛とミュウの関係の変化など、らしいストーリー展開で、目新しいところや意外性はほとんどないが、逆に安心して読める、と言う利点はある。

キャラも、いつものことなのか、主人公の愛は恋愛シミュレーションに出てくるような典型的な優柔不断キャラ。
いちおう、いざと言うときは……ってなところまでそのまんま。
しかも幻のオーラ能力を持つなんて設定もそう。

織奈は上記のとおり、典型的な人形系。
愛とミュウとの関係が変化し、最終的に取り残されるにも関わらず、ミュウとの友情や愛への気遣いなどを忘れない。
まぁ、人気は出そうだけどね。

ミュウは自らのオーラ能力による事故、そしてオーラの研究機関での実験など、暗い過去や身体的な欠陥を持ち、ぶっきらぼうな口調など、織奈とは正反対のキャラにしている。
過去にオーラ能力者しか見ないとされる夢で愛と出会い、そのことを心の支えとしている、と言う設定がある。
ヒロインふたりとも、人気の出そうなキャラには作っているだろうね。

相変わらず、ヒロインの着替えシーンや入浴シーンなど、大昔のマンガ、しかも1種類しか知らないほうにとっては、やはり「ふたりエッチ」の関係で、そういうところを描かざるを得ないんかなぁ、と言う気がする。

まぁでも、ストーリーは上記のとおり、安心できる展開。
あといかにもなヒロインふたり。
絵柄の好みはあるかとは思うけど、すんごいはずれだとは言わない。
こういういかにもな話、キャラが好きなひとはどうぞ。

でも、やっぱり大昔の「符法師マンダラ伝 カラス」のほうが好きだなぁ(笑)