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ワニと読むミステリ(口は災い)

口は災い (講談社文庫)
リース・ボウエン
講談社


Murphy's Law (Molly Murphy)
Rhys Bowen
St Martins Mass Market Paper


読むと、逃亡しても、誰かが知っている。
 
(リース・ボウエン著)
 ワニは2作目の押しかけ探偵から読んでしまいましたが、この「口は災い」が1作目です。2作目で恋人になっていたダニエルとの馴れ初めがこれでようやくわかりました。
 時は1900年代初め、まだ身分制度の厳しい時代ですね。モリーは言いよってくる地主の息子ジャスティンを殺してしまいますが、この時代に貧しい家のモリーの言い分が通るわけもなく、逃亡を試みます。官憲から逃げるモリーを匿ってくれたのは肺病を病むキャスリーン。彼女は、自分の代わりに子供たちを連れて夫の待つニューヨークに行ってくれるようにモリーに頼みます。ニューヨークまでは船の旅ですが、三等船室の環境は劣悪ですね、そこへまた追い打ちをかけるようにモリーにしつこくつきまとい、脅しをかけてくる男がいます。ようやくニューヨークに接岸したとほっとしたら、そこでその男が殺されているのが発見されます。モリーも容疑者の一人にされてしまいます。
 この時代のイギリスとアメリカの違いも感じられて面白いですね。イギリスからのアイルランド移民という設定ですが、いかにみんながアメリカに期待していたか、切実なものがありますね。
 独立心旺盛で鼻っ柱の強い、口の達者なモリーですが、知らない土地ニューヨークでいかに生き抜いていくのか、このころの女性はとても大変な思いをして生活していますね。
 この作品は、2002年のアガサ賞最優秀長編賞を受賞しているそうです。人気シリーズでもあり、すでにこの時点で6作まで書かれているようなので、まだ先が楽しめますね。もう一つのシリーズ、エヴァンズ巡査シリーズも早く読みたいものです。
 
■その他の作品
 一作目で知り合ったダニエルとモリーはお付き合いをするようになりますが、ダニエルの不実を感じ取ったモリーは彼を避けるようになります。そこへモリーが師匠とたのんだ探偵が殺されてしまい、またモリーの活躍が始まります。
押しかけ探偵

主人公: モリー・マーフィー(アイルランド出身の22歳。地主の息子ジャスティンを殺してしまい、ニューヨークに逃亡)
場所:  USA、ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小
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