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ワニと読むミステリ(水底の妖)

読むと、使命か愛情か。

(ロバート・ファン・ヒューリック著)
 ディー判事のシリーズです。初期の作品の新訳です。
 この作品の中で、ディー判事の腹心の部下の一人、陶侃(タオガン)がいかにしてディー判事に従うことになったのかが明かされます。ディー判事シリーズのファンとしては絶対に知っておきたいところです。
 ディー判事は漢源(ハンユアン)の任につき、今日は地元の名士による歓迎の宴が催されています。なにやらこの地に来てから不穏な空気を感じてどのようにそれを解明しようかと気に病んでいるディー判事はなかなかこの宴会を楽しむことができません。誰もかれも何か腹に一物ありそうで。
 その中で、芸妓杏花は、ディー判事に囁きます、このまちでは目下剣呑な陰謀が進行中であると。
会もたけなわとなり注目の美しい芸妓、杏花の息を飲むような美しい舞が始まりました。さすがのディー判事も感じ入ってその舞いを見つめていますが、宴席の面々もそれぞれ杏花にたいする思い入れは様々なようです。
そして舞が終わって杏花の姿が見えないのをいぶかしんで探してみると、水に沈んだ杏花の水死体が発見されます。何故に杏花は殺されねばならなかったのか。
さらに、新婚の夜に死んだ花嫁の死因は何なのか。そして棺桶に納めて寺に置かれていた花嫁の死体はどこへ消えたのか。その代わりに入っていた男の死体は誰なのか。
中国の政庁を揺るがすような陰謀もだんだんと明らかとなり、ディー判事は中央政庁の裁断を仰ぐことになります。 
 なかなかハラハラする展開です。
 冒頭に書かれている出来事も、読み終わってから再読すると胸に深くくるところがあります。

主人公: ディー判事(判事)
場所:  中国、漢源
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小

水底の妖(ハヤカワ・ポケット・ミステリ1829)
ロバート・ファン・ヒューリック
早川書房

ディー判事ものは見逃せません
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