ワニと読むミステリ（ムーアに住む姉妹）

読むと、夫婦のことはわかりません。

（ジェイニー・ボライソー著）
ローズ・トレヴェリアンが主人公の、コーンウォール地方のシリーズももう５冊目なんですね。
今回は、ローズに姉妹一緒の肖像画を注文してきたとても不便なムーアに住む姉妹にまつわる謎をめぐってのお話です。画家としてのキャリアを積んできたローズは、姉妹一緒の肖像画という未知の分野に意欲的に挑みます。が、どうもこの姉妹がいわくありげで、ローズの好奇心をいたく刺激します。電気もガスも来ていないようなこんな家になぜ住んでいるのか？姉妹の一方はとても裕福に見えるのに。
そして、肖像画を依頼した目的は？
ローズの絵画教室に通っている才能ある少年の悩みを聞いているうちに、姉妹との思いがけない関係に気付きます。もっと知りたくなりますね。
ローズの好奇心がだんだんと高まる中、急に肖像画の注文がキャンセルされます。全額支払うという条件のもとに。いったい何があったのか？
ローズの元恋人ピアース警部が、ふとしたことから女性と知り合い、お付き合いを始めることになります。ピアース警部の、ローズともっと真剣なつきあいをしたいという気持ちを踏みにじったローズなのに、理不尽な嫉妬にかられますよ。こういう気持ちは理屈ではわりきれませんね。しかし、ローズのピアース警部に対する仕打ちに納得のいかないワニとしては、ピアース警部に素敵な女性が現れてほしいです。はたしてそうなりますか、どうでしょうか。
コーンウォール地方の豊かな自然の中で、事件はゆったりと進展していきます。

■コーンウォールのシリーズ
ローズは画家としてもキャリアをだんだんと積んでいますね。あとは亡き夫の面影をどう処理するかですね。

しっかりものの老女の死
クリスマスに死体がふたつ
待ちに待った個展の夜に
　
主人公：　ローズ・トレヴェリアン（画家）
場所： 　イギリス、コーンウォール
グルメ：　なし
動物：　　なし
ユーモア：　小

ムーアに住む姉妹 (創元推理文庫) ジェイニー・ボライソー 東京創元社 イギリスの田舎町が魅力的です