日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

「超・格差社会アメリカの真実」小林由美 著 を読んでいる。

2008-06-09 07:38:16 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
著者は26年間アメリカ生活でしてきた日本人。
「26年暮らしてようやく見えてきた、アメリカ社会の構造とその生成過程について、自らの経験と知見をもとにして記した」とあります。

アメリカという外国は、メディアにもよく登場するし、海外に疎い人たちには、外国の代表=アメリカという風に思ったりする国です。

私達は、伝えられる情報をその言葉で理解するとき、自分の体験で知っている概念と結びつけて理解しようとします。
この本を読んで、今までイメージしていたいくつかが、目から鱗、というのでしょうか、いくつか瓦解し、組み立てなおされた、そんな思いを抱きました。
(私にとって)アメリカを理解する教科書のような本です。

以下目次から

第1章 超・階層社会アメリカの現実
――「特権階級」「プロフェッショナル階級」「貧困層」「落ちこぼれ」

第2章 アメリカの富の偏在はなぜ起きたのか
――ウォール街を代理人とする特権階級が政権をコントロールする国

第3章 レーガン、クリントン、ブッシュ・ジュニア政権下の富の移動
  ①レーガノミックスのトリック
  ②クリントン政権
  ③ブッシュ政権とイラク侵攻

第4章 アメリカン・ドリームと金権体質の歴史
――自由の国アメリカはいかにして階級社会となったのか?
  ①アメリカ植民地の特権階級
  ②独立戦争とアメリカ建国
  ③南北戦争
  ④戦後の復興と好況時代
  ⑤゛進歩派゛の台頭と第1次大戦
  ⑥大恐慌とニューディール
  ⑦第2次大戦とアメリカ経済の繁栄
  ⑧まとめ


第5章 アメリカの教育が抱える問題
――なぜアメリカの基礎教育は先進国で最低水準となったのか?

第6章 アメリカの政策目標作成のメカニズムとグローバリゼーションの関係
――シンクタンクのエリートたちがつくり、政治家たちが国民に説明するカラクリについて

第7章 それでもなぜアメリカ社会は「心地よい」のか?
――クリエィティピティが次々と事業化されてくる秘密

第8章 アメリカ社会の本質とその行方
――アメリカ型資本主義市場経済が広がると、世界はどうなるのか?

抜粋
 自由と平等は車の両輪で、片方が欠けたらどちらも成り立たない。だから時代環境に応じて具体的な形は変わっても、自由と平等は維持しなければならない。
 しかし、自由と平等は単純に並立するものではないし、同時進行するものでもない。
―中略―
平等を目指すスローガンは高尚な響きを持つが、平等に対する願望の心底には自尊心が欠如している。自由を求めるスローガンは体裁が悪い。しかし自由に対する願望の底には、自尊心がある。






コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 接待タクシー!!ああ、深夜... | トップ | とぼけたことを考えて・・・(... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (glimi)
2008-06-09 13:51:51
下記の文には異議を唱えたいですね!

>平等を目指すスローガンは高尚な響きを持つが、平等に対する願望の心底には自尊心が欠如している。

たとえば、差別される人あるいは階層を見て彼等は私と同じ権利があると叫ぶ時、そこには叫ぶ側の自尊心があると思うのですが…。
返信する
そうですね。 (街中の案山子)
2008-06-09 15:00:32
おっしゃること、了解、です。
「往々にして」という文節を入れた方がいいかも知れません。


返信する

コメントを投稿

本・映画・テレビドラマ・絵・音楽」カテゴリの最新記事