スコア

金庫破りこの道２５年のベテラン。昼間の顔はモントリオールのジャズクラブのオーナー。いい年で恋人もおり、そろそろ足を洗おうかなと思っている。これがデニーロ。そこに長年の相棒、マーロン・ブランドから大きなヤマを持ちかけられる。言い出しっぺは一癖ありそうな若造。そりゃそうだ、これがノートン君ですから。自分のセオリーには反するのだが、これが最後と乗り出すことにした。押し込むまでの入念な準備。泥棒さんも大変だ。さて、このヤマは成功するのか、それとも・・・。

泥棒さんの準備同様に、非常に丁寧に作られている。奇をてらったつくりではなく、堅実な話の運び方は、最近の無茶苦茶なストーリーで「ラストは絶対に教えないで」と高飛車な映画が多い中で、私は好感が持てた。これもラストは見た人のお楽しみですが。

絶対に地元では押し込まないとか、入念な下準備、一番大事なことは自分を抑えること、冒険はしないと言い切る泥棒。なんとも真面目な公務員のような泥棒だが、どんな役でもできるデニーロが抑えの効いた演技で真骨頂を発揮している。そこに絡んでくるのが、ノートン君。今度はどんな役柄を見せてくれるのか、楽しみでしょうがないノートン君だが、今回はちょっと変り種。障害のある振りをしているが、これもなかなかうまい布石だ。マーロン・ブランドの不気味さをもっと出してもらってもよかったが、前半の抑えの効いたシーンから、後半の手に汗握るところまでとってもうまくできてます。

「スコア」

原題「Ｔｈｅ　Ｓｃｏｒｅ」　
監督　フランク・オズ　
出演　ロバート・デ・ニーロ マーロン・ブランド　エドワード・ノートン　２００１年　アメリカ作品