Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

2017/8/23//ドラム発表会 雑記的後記 

2017-08-23 | ギターの栄養



今日は1年に1回
板垣正美氏のドラム教室の発表会でした



会場は埼玉県南浦和
うちは神奈川の真ん中

平日なので通勤ラッシュに巻き込まれる手前に到着したい
ということでまだ暗いうちに出発


玄関開けたら
この夏の生を終わろうとしている蝉

そしてまだ暗い中
蝉とコオロギが混じって鳴いている




車を出して1時間ほどでオレンジ色の朝日が登って来る





車で行く遠い会場だと
到着時間が読めないので毎度早く出て
早く着きすぎるのも毎度の事

もう慣れっこで
無事、通勤ラッシュに巻き込まれる事も無く
入り時間の2時間半前に到着

路肩駐車で仮眠


入り時間来て会場入り
搬入
セッティング





RH開始





本番開始










今回、難しい曲が沢山だったので
年甲斐も無くかなり沢山仕込みました
1ヶ月くらい前から長期記憶させるべくコツコツと

今年は他のライブや製作と重なってしまい
この発表会の曲がなかなか身体に入ってくれなかったのを
何度も何度も仕込んで
もうやれるだけやった、という自己納得状態で今日やってきました


なんでそんなに仕込むかっていうと
譜面を追ってると
音での会話が出来ないで終わっちゃうから


そうなんです
僕がしたかった事は
音で会話する事


テンポキープなんて気にせず
その人が出して来る「その人のビート」をキャッチして
自分のリズムをそれに同期させるよう集中するんです

そうすると面白くて素敵なことが起きる


生徒さんは無意識か意識してるかわかりませんが
向こうからもこちらに合わせて来るようになる

来たな、、、
と思って
またこちらもリンクを強めるようにする


例えば
生徒さんがドラムフィルのところでちょっと躓く

その躓きにも合わせる

そうするとまた復活して来てぴったり合ったりする

小さな子でも
お母さんでもお父さんでも
血気盛んな青年でも障害をお持ちのお子さんでも
音を合わせるということにふと気付くと

合わせずにはいられなくなる

そしてそれが
どんなにハッピーな事か
一度体験したら忘れられなくなる


その悦びを共有したくて
出来うる限り曲を身体に入れるのです




あと

楽器の演奏って
その人自身の心の現れだから
今日はずいぶん沢山の人の心の声を聞かせて頂きました


ちっちゃな子からお父さんお母さんまで
皆さん
ちゃんと心を奏でてました



僕は
自分の演奏にいっぱいいっぱいの場面も多々ありましたが
出来得る限り
ビートを共有し音で会話するようにしました

自分が演奏してない曲の時も
ステージ袖で
生徒さんのドラムのビートに心を寄せてました


自分の出番以外でもステージ袖で
そんな風に音楽してる人が僕以外にも居ました


直音くんなんかは
自分の演奏も昨年のクオリティを遥かに上回ってたけど
お母さんの演奏の時は
袖から母ドラムをガン見しながら
無心にビートに乗って体を動かしてました

RHん時は
彼のお兄ちゃんがドラムで登場して来た時
両手を天に挙げて拍手してた

そしてその曲では彼はギターを担当するのですが
おったまげるようなボルテージの高い演奏をしました


この思春期まっただ中のシャイな青年は
現実の日常ではもしかしたら無口だったりするかもしれないけど
音楽を介して
こんなにも家族と会話をし
時を共有している

僕はこういうの
泣けちゃうんです








あと
障害のお子さんとお父様が一緒に曲を演奏した場面でも
袖で感動してました

お子さんの表情からギリギリまで自分を追い込み
必死に叩いてるのが読み取れる

その後ろで
譜面は見ず
息子さんを見続けながら
息子さんと同じリズムを叩いてるお父さんの厳しくも温かい表情が
神々しく観えて
涙腺が緩みました

誤解無きよう書き足しておきますと
決して同情心ではありません

多くのものを背負った人間が
覚悟を決めて凛と前を向いた姿が
神々しく眩しかったから
泣けてしまうのです





もちろん他の方々とも音での会話をしました


生徒さんにその自覚がお有りか否かは僕には分かりませんが
音で呼応したのだから
心の真の部分で会話した事は分かってるはず


それがその人の未来に何らかの(多分良いことの)影響をもたらすのだと思うのです
それが音楽の共有や合奏の素晴らしいところ








終演後
汗かいて機材バラして
積み込んでから
会場で打ち上げをして頂きましたが
僕はこう思ってました


今日の事
何か気の利いた良い話でも皆としたいものだけど
さっきまで音楽を共有してた者同士
音楽での悦びを越える言葉での会話なんて無いよな



だから僕は
バカ話に終始して
帰り際に皆と写真撮りました


まず若者たちと


榊原先生を囲む会
という感じでね
そして肩に手を置いて

などとリクエストすると
写真真ん中に写ってるショウゴくんが
「わぁ〜嫌だな」と言うので

撮り終わって
「嫌だった?」と聞くと

ショウゴくん
「僕、遠慮しちゃうんですよ」と言うのを聞いて
一瞬で全部分かった

彼のドラムが熱い訳も
プレイが完璧な訳も
物言いが少しぶっきらぼうなとこも
遠慮がちな性格の裏返しなんだ

そっかそっか

でも音楽やってる奴らなんて
皆不器用だから音楽やってるんだよ

もし喋りが得意なら音楽じゃなく喋る仕事してるでしょ
絵が得意なら画家になってる

音楽やってる人等は
皆ショウゴ君みたいなもんだ

榊原くんはちょっと暑苦しいおじさんかもしれないが
この真ん中の固い表情の
ショウゴ君の不器用さを愛するよ


右は直人君
左は実直な岳也くん
岳也くんは目瞑っちゃったね



この教室を卒業して
今日遊びに来てくれた
今30歳だというりょうくん

「榊原くんが大好きだという顔をしてね」
とリクエストしたのがこれ







なんだか今日はとても心が温まったよ


板さん
ありがとね

板さん
たまには一緒に写ろうよ



たまには皆で写ろっか









帰りの車の中で
理由も分からず何度も涙腺が緩んだ


もちろん悲しい訳じゃない

切ない訳でもない




今日の発表会での音楽の共有で
僕の心が解放されたからだと思う




乱筆な後記だけど
今書き留めないと忘れちゃうから
書き殴りました






ホントに今日
参加出来て良かった


心よりお礼申し上げます


















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