サイババが帰って来るよ

Count down to the Golden age

クリシュナ物語(35)

2016-08-03 00:00:22 | 日記
ポニョ:前回で面白かったのは、「アルジュナはクリシュナに何を見たのでしよう? クリシュナの姿の中に、アルジュナは、すべての海洋と、すべての山々と、すべての生き物と、そして全宇宙を見ることができたのです。宇宙万物が神のみの中に存在しているために、宇宙は本質的には、神と同じものであるということになります。」という下りや。

ヨシオ:なんでこの下りが面白かったんや?

ポニョ:いろんな本や挿絵に、アルジュナが見たものは、クリシュナの上にいろんな神様が勢ぞろいしている絵やけれど、ババの話によると、戦場でアルジュナが見たのは海とか山、全ての生き物や全宇宙やっていっておられるぜよ。

ヨシオ:だからと言って神々を見ていないって言っておられないやろ。その後、神々も見たんや。ポニョは思い込みが激しいから、すぐに短絡的になんでも信じ込んでしまうからな。俺はその次の「宇宙万物が神のみの中に存在しているために、宇宙は本質的には、神と同じものである」というところの方が興味あるな。というのも、世界は元々「私」という一つの存在だけがあって、それが多数に分かれて宇宙を創造し、それらがまた元の一つの「私」に戻って行くわけやろ。人が神を信じるって事は、つまり自分も含めて全てのこの世界にあるものは自分だと悟る事であって、ただ「私」だけしか存在していないという事が分かれば、私が「私」やからこの世界は愛で包まれている事になるんや。

ポニョ:あんたが説明し始めると余計に分かりにくいんやけれど、つまり全ては自分で、自分が自分を愛するから、全ては自己愛って事やぜよ。だからババは、自分を愛せない人は他人を愛せないって言われたんやぜよ。

ヨシオ:ババは、「もしあなたが、クリシュナ神はあなたのものであると感じるとすれば、あなたは、神を自分の心の範囲内に閉じこめようとしているのであり、それは賢いことでもなければ、正しいことでもありません。正しい態度とは、あなたが神のものであると感じることです。」って言われたけれど、聖者ラーマクリシュナのように神の両手に抱かれる事が出来る赤ちゃんのように、自分を小さくしていかなけれいけないんやろな。

ポニョ:そうすれば同時にエゴも小さくなっていくもんな。これ以上話すと本題に入れなくなるので前に進みましょう。今日はマハーバーラタの大戦争が勃発し、正義のパンダヴァ兄弟達が苦境に陥っている時のお話から始めますね。

ヨシオ:戦争の状況が良くないから、兄弟喧嘩を始めるんやろ。そしてそれをクリシュナが止めるんや。

ポニョ:あのね、ネタバレはそこまでにして貰えませんかね。これ以上言うと面白くなくなるぜよ。

ヨシオ:俺は、ダルマジャやアルジュナのような神に近い人でも喧嘩するんやなって驚いたんや。そんな事も、アルジュナやな。

ポニョ:なんでっかそのダジャレは。あんたと付き合ってたら、いつまで経っても次に進まないので無視して始めるぜよ。

アルジュナは、行為者は自分であり、行為の結果を味わう者であると信じていたときは、不幸でした。しかし、クリシュナ神がアルジュナに、アルジュナは道具であり、アルジュナの義務はただ神の意志に全託することだけであり、アルジュナが殺そうとしている者たちは既に神によって殺されているのだということを教え、証明した時、アルジュナは悲しみから解放され、言葉にできない平安に満たされました。

マハーバーラタの大戦争が勃発し、パーンダヴァ兄弟は、それぞれ個別に敵と対戦しました。長男のダルマジャはカルナとの壮絶な攻防劇を繰り広げました。パーンダヴァ軍の勢力は、カルナが放つ飛び道具に持ちこたえることができませんでした。ダルマジャは大変な緊張の下にありました。パーンダヴァ軍は敗走していました。ダルマジャは戦いを逆転させることができず、大きな苦悩を抱えて陣幕に戻りました。

ちょうどそのとき、アルジュナがダルマジャの陣幕に入って来ました。アルジュナを見た途端、ダルマジャは猛烈に怒りました。怒りに燃えたダルマジャは、アルジュナのどんな技も、強力な弓ガーンディーヴァの力も、まるで役に立たっていないと、絶叫しました。ダルマジャはアルジュナを罵倒しました。その非難に耐え切れず、アルジュナはガーンディーヴァを持ち上げると、ダルマジャを襲おうとしました。そのとき、その場にクリシュナが現れました。

クリシュナはアルジュナをなだめようと試みました。クリシュナは言いました。

「アルジュナ! 長兄に対して手を上げるとは、一線を越えている。兄弟というものは、まず兄に対して敬意を払い、兄の好意を得るものだ。君は自分の義務を忘れ、言葉に誘発されて間違った行為をしようとしている。」

クリシュナはこうしてアルジュナに強く忠告しました。クリシュナは、ダルマジャには身を引くよう求め、アルジュナにはどのように身を処するべきか正しい助言を与えました。クリシュナの訴えに怒りを鎮め、アルジュナはその賢明な勧告を受け入れて自分の陣幕に帰りました。
隣接するダルマジャの陣幕に行って、ダルマジャの苦悩を見てとったクリシュナは、身をかがめてダルマジャの両足をつかみました。クリシュナは言いました。

「ダルマジャよ! 長兄がそのような振舞いをするのは適切なことではない。弟のアルジュナをあのような激しい言葉で責めるのは正しいことではない。君は発作的な怒りから、あんな言葉を使ったのだろう。兄弟愛において世の手本となってきたパーンダヴァ兄弟たるものが、その団結を損なうような不和を許すべきではない。パーンダヴァ兄弟は世の人々から理想と見られている。評判に背かない生き方をすべきだ。それゆえ、今すぐアルジュナのところへ行って許しを請いたまえ。」

クリシュナの愛に満ちた言葉を聞いて、ダルマジャは涙ぐみました。

「スワミ」と、ダルマジャは言いました。

「あなたのような、世界の支え、維持者であられる御方に私の足をつかまれると、私は恥ずかしくなります。」

クリシュナに許しを請うと、ダルマジャは直ちにアルジュナのところへ行って、許してほしいと嘆願しました。

これらの行動を神の行為として見る者には、神が引き受けるには、これらはあまりにも小さく、取るに足りないことに思えるかもしれません。「なぜ全能の神であるクリシュナが、このようなやり方で品格を下げるのか?」と尋ねる批評家たちもいるかもしれません。しかし、神が人類のために示したいと願う理想は、こういった取るに足りない出来事を通してのみ明らかにされるのです。

信者たちへの溢れんばかりの愛により、主は多くのことを行いますが、そのうちのいくつかは正しいこととは思われないかもしれません。そのすべては、ひとえに世界の安寧のために行われます。それらは社会への指針として役立つよう意図されているのです。

世に手本を示すため、神は明らかに取るに足りない活動に従事して、そこから学ぶべき教訓を説きます。神は謙虚さと尊敬の手本を示します。時として、神は厳しく、容赦もありません。神は気取らない言葉で真理を宣言します。この点において、再びクリシュナは手本を与えています。

ダルマジャは、国民と大臣と僧侶らの承認を得てラージャスーヤ ヤグニャ(最高権力者が行う供犠)を執り行いたいと願いました。ダルマジャはそのヤグニャを執り行うためにクリシュナの承認を求めました。ダルマジャの申し出を聞くと、クリシュナは微笑んで言いました。

「国のすべての君主たちから宗主権を認められた最高の皇帝だけが、その種のヤグニャを執り行うことができるのだ。君はそのような至高の皇帝ではない。シシュパーラ、ジャラーサンダ、ダンタヴァクラのように、君の権力を認めない支配者たちがかなりいる。そうした王がいる限り、君にはラージャスーヤ ヤグニャを執り行う資格はない」

こうして、クリシュナはダルマジャが計画を遂行するのを思いとどまらせました。クリシュナは常に、相手が誰であれ、場所や状況がどうあれ、真実を述べることを決してためらいませんでした。クリシュナは、もしダルマジャがラージャスーヤ ヤグニャを執り行いたいのであれば、まず強力な支配者たちを征服すべきであると言いました。

クリシュナの助言の意図を誤解して、クリシュナを戦争の扇動者と見なす人々がいます。クリシュナはダルマジャに戦争へ行くよう求めたのではありません。クリシュナがダルマジャに語ったことは、もっぱらラージャスーヤ ヤグニャを執り行う資格についてでした。

その後、ダルマジャは弟たちと相談して、シシュパーラやジャラーサンダ、他の者たちを武力で征しました。国政の分野におけるクリシュナの行動は、正しく理解されるべきです。

https://m.youtube.com/watch?v=lb47U1r9_AQ

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