ホーチミンに来る前から、行ってみたいと思っていたビアホイ。
席につくと、おしぼりと茹でピーナッツを運んでくる店員さんに、ビアホイ?と聞かれる。たいてい、サイゴンを注文します。
飲み始めると、店員さんが、何かいらないかと、日本語のガイドブックの料理のページをめくりながら見せる。ここはしっかりと、いらないと身ぶりで伝える。
しばらくすると、今度はおつまみ売りの女性たちが猛烈にアピールしてくる。鶉のたまごかマンゴースライス、またはソーセージ盛合せか。それくらいなら食べられる、という時にはお願いします。
夕食前の中途半端な時間に寄ることが多いため、茹でピーナッツだけのこともあるし、ビールも瓶なら一人2、3本、ビアホイなら二人で大1本くらいしか飲めないので、長居はできない。
他のテーブルでは、空き瓶がどんどん増えていく。酔ったおじさんたちの話し声は、喧嘩しているのかと思うくらいに大きい。その横で、平然と飲んでいるおじいさんがいる。
店の女性たちは、ただ座っているようにみえて、きちんと客に気を配っている。
東京の昔ながらの居酒屋についても思うこと。いつまでも、このままで続いてほしい。
すっかり出来上がったおじいさんに、「さようなら。また明日」と日本語で声をかけられることもある。「また来週に」と応えて店を出た。