頑固爺の言いたい放題

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岩波書店の偏向思想

2018-02-06 14:12:24 | メモ帳

1月から発売されている広辞苑の新版(第7版)にいくつかの誤りが見つかり、出版社の岩波書店が謝罪して重版で修正すると発表した。それで一件落着と思いきや、台湾に関する記述は謝罪の対象外だった。

その問題点は、新版の広辞苑に台湾が中国の一部であることを示す地図が掲載されていること。

https://www.youtube.com/watch?v=zhjftE0_JUQ

これに台湾が反発し修正を求めたが、岩波書店は「間違ってはいない」と突っぱねた。

日本政府は中立の立場に立って「中国の立場を十分理解し、尊重し・・・」と言ったが(1972年)、「承認する」とは言っていない。したがって、広辞苑はその立場からは逸脱している。広辞苑は日本の辞書なんだから、日本政府の見解に沿って記述すべきではないのか。だが、中国の視点に立つなら、台湾が中国に帰属するという主張は正しい。これが岩波の視点なのだろう。

なぜ岩波が中国の代弁者になるのか不思議に思っていたところ、雑誌「選択」にその答えが見つかった。その2月号に掲載された記事“中国に傾倒する岩波書店”に次の記述がある。

 波書店は中国共産党宣伝部が実施する「中国を認識する」という宣伝プロジェクトの日本側パートナーに選ばれた。これは中国側が資金を拠出し、中国文化・社会を紹介する書籍を出版したり、イベントを開催するもので、今年春以降に正式にスタートする。日本では岩波以外に、東京大学出版会と東方書店が選ばれている。・・・東方書店は日中国交正常化以前から、中国共産党政権の主張を日本に紹介してきた出版社。奇しくも岩波の馬場公彦編集局部長はかつて東方書店に勤めていた。

さらに、この「選択」の記事は、岩波が経営的に苦境にあることを報じている。

岩波は、その雑誌「世界」で朝日新聞的な左翼的論調をウリにしているが、中国から金銭的サポートを受けて、今後はさらに中国に「傾倒」することになるだろう。これで、岩波がなぜ広辞苑の記述を修正しないのか、よくわかった。

ここまで書いてから、Hanada 3月号に掲載されている記事「広辞苑は偏向、有害辞典」を読んだ。執筆者は近現代史研究家の水野靖氏で、2013年に「広辞苑の罠」(祥伝社)を上梓し、広辞苑の思想的偏向を指摘したが、大きな話題とはならなかったらしい。

記事「広辞苑は偏向、有害辞典」によれば、広辞苑には数々の偏向記述があるが、その際たるものは「朝鮮人強制連行」に関する部分である。

日中戦争・太平洋戦争期に多数の朝鮮人を日本内地・樺太・沖縄・東南アジアなどに連行し、工場・鉱山の労務者や戦地の軍夫・慰安婦などとして強制就労・服務させたこと。

この記述において事実と異なる点は

(1)   当時「徴用」はあったが、「強制連行」はなかった。「徴用」とは国の命令で労働に従事する国民の義務で、その対象は日本人ばかりでなく、当時日本人だった台湾人・朝鮮人もこの義務を負っていた。「朝鮮人」に限定するのは誤り。

(2)   「慰安婦として強制就労・服務させた」は真っ赤な嘘で、朝日新聞が誤報を謝罪している。

理解に苦しむのは、版を重ねるごとに記述が日本に不利なように変化していること。例えば、

●「南京事件」の記述では、第一版・第二版では「日本軍が南京攻略の際に行った暴行事件」だったが、第三版以降は大虐殺に変更されている。

●伊藤博文を暗殺した「安重根」については、最初は「伊藤博文」の項に登場するだけだったが、第四版から独立した見出しとなり、「韓国・北朝鮮では義士と称えられる」として、まるで英雄扱いである。

理解に苦しむのは、広辞苑は記述内容もさることながら、年々親中・親韓の度合いを強めていること。

執筆者の水野氏は「広辞苑は有害図書であり、学校の場に置くべきではない」と述べているが、まったく同感である。広辞苑がこんなにひどい辞典とは知らなかった。不勉強を恥ずるのみである。