頑固爺の言いたい放題

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国産のコメは米国産よりも安い!

2015-03-30 14:13:45 | メモ帳

円安が進行して、輸入品が高くなった。では米国産のコメを今の為替レートで輸入したらどうなるか。ロサンゼルス在住の友人にコメの小売価格を調べてもらって、1ドル120円で換算したら下の表のごとくになった。

 

本論に入る前に、表の説明をしておきたい。

「田牧」はわれわれが日常食べている短粒種の銘柄の一つで(ほかに「玉錦」という銘柄がある)、超特選米(Super premium rice)と呼ばれている。値段が高いので需要は限定的であり、超高級寿司店や日本企業の駐在員の家庭が主なユーザー。

「国宝」と「錦」は中粒種の人気銘柄で、特選米(Premium rice)と呼ばれ、一般の日本食レストランや日本人・日系人家庭で使用される。米国在住時、私の家庭でもこの品種を食べていた。よくよく見較べれば短粒種より多少長いことはわかるが、食味での差は感じられない。

「白菊」はCalrose riceという品種で、標準米と呼ばれる。炊いてから時間が経つと水分がなくなりパサつく欠点があり、これを改良したのが特選米。日系人や一部の日本食ファーストフード店が主なユーザーで、そのほかビールの原料にかなり使用される。

米国のスーパーで販売されるコメは通常15ポンド入り(6.8キロ)で売られており、表のドル表示も15ポンド入りの袋の価格である。2013年3月にも同じ調査を実施しており、左側はその当時の価格で、右側が現在の価格。銘柄によってかなりバラつきがあるが、2-3割上がっていることがわかる。その右の≪円換算キロ当たり≫とは、現在のドル価格を1ドル120円で換算したキロ当たり価格であり、その右の≪円換算5キロ当たり≫とは日本では通常5キロ入りの袋に入って販売されているので、キロ当たり価格を5倍したもの。その右の≪1.1倍≫とは、米国産を輸入すると運賃などの経費がかかるので、それを10%として加算したもの。

以上の諸点を理解していただいて、本論に入る。

日本で販売されているコメの小売価格はほとんどが、5キロ当たり1,500円から3,300円の価格帯に収まる。高いものは新潟県魚沼産で、安いものは国内ブレンド米と称されるもの。≪コメ小売価格≫で検索すると、いろいろなサイトが出てくるが、たまたま目についた西友の価格(いずれも5キロ入り)は次のようになっている。

秋田こまち                    1,390円        

新潟県産こしひかり                1,750円

新潟県魚沼産こしひかり         2,850円

国内ブレンド米                      1,190円

この価格を表に記載された価格と比較すると、総じて日本産の方が安いことがわかる。かりに錦ブランドが1,577円で、秋田こまちが1,390円で売り場に並んでいれば、ほとんどの人が秋田こまちを選ぶのではないか。

そして、上記の日米のコメ価格に関する考察には、キロ341円(玄米ベース)の輸入関税を考慮していない。つまり、関税がゼロでも国産米の方が安い!

どうしてこんなことになったのか。一つには円安であり、もう一つの要素は米国での値上りである。去年の日本の作柄は平年並みだったから、日本の小売価格が下がったということではない。

結論として言えることは、コメはTPP交渉における争点ではないということである。

 

 

 

 

 


エッ、湯河原が消滅?

2015-03-28 11:57:11 | メモ帳

本屋で「地方消滅」(元総務大臣・元岩手県知事、増田寛也著、中公新書)を立ち読みして驚いた。いま私が住んでいる湯河原を含む896の市町村が消滅すると書いてあるからだ。早速購入してじっくり読んだ。

増田氏の提案を一言でいえば、地方の人口が減り、東京・大阪などの巨大都市で増加しているが、この流れを止めるには地方の中核都市をダムのような存在にして、そこに人を集めるべきだという国家戦略であり、そのキーワードは「選択と集中」である。

湯河原でも飲食店・商店の閉店が相次ぎ、そのあとが埋まらないでいるのを目の当たりにしている。しかし、今のところ湯河原の生活インフラは整っており、まったく日常生活に不便はない。むしろ、車の交通量が少なく、緑や美しい海岸に恵まれ、私のような引退者にとっては以前住んでいた都内よりも快適ですらある。交通機関の便数が少ないことは不便だが、日常生活をそれに合わせればなんとかなる。それでも、消滅を待つしかないのか。

こうした疑問に答えたのが「地方消滅の罠」(山下裕介著、筑摩書房刊)である。山下氏は地方から中央へ人が過剰に流失したことが原因なのだから、これを逆流させる方策を考えるべきで、現実に「ふるさと回帰」が進行しているから、そうした流れを太くしようと主張する。そして、その「ふるさと回帰」には、地方出身者が出身地に戻るUターンと途中の中核都市に戻るJターンがあり、そのほかにも中央に生まれ育った若者が地方に移るIターンもあって(私は若者ではないが、Iターンの一員である)、これらの流れが活発化していると説く。 

増田氏のキーワードが経済原理を基盤とする「選択と集中」であるのに対し、山下氏のキーワードは多様な価値観を基盤とする「多様性の共生」である。そして、山下氏はこの二つの概念は対立するものではなく、多重に包含し合うものだと述べる。

私は自分が「消滅する」側の湯河原に住んでいることもあって、山下氏の主張に共感するが、「地方消滅の罠」にはいかにして地方に産業を興すかについての処方箋にはあまり触れてはいない(そこまで論じるには、紙数が足りなかったこともあるだろうが)。

たまたま3月28日の読売新聞(朝日新聞にも掲載されたと推測する)に総務省による≪地域おこし協力隊≫の広告が掲載され、≪移住・交流情報ガーデン≫が東京駅八重洲口に開設されたと書いてある。総務省の施策は、地方への人の流れを加速させることを狙いとしており、安倍内閣の目玉政策「地域創生」を具体化したものといえよう。このプロジェクトが成功することを祈る。

 


維新の党に拍手

2015-03-02 17:00:07 | メモ帳

国会議員は歳費(公務員の給与に相当)以外に文書通信交通滞在費(文通費)として、年間1200万円を支給される。これには領収書の添付は義務付けられていないし、報告書も一切必要ない。

2月27日たまたまTVの国会中継を見ていたら、維新の党の江田憲司代表が質問に立ち、この文通費を取り上げ、安倍首相に意見を求めた。維新の党だけは、各議員は文通費の明細をネットに掲げているという事情がその質問の背景にある。

首相は「各会派で議論してください」と答えるのみで、自分の意見は述べなかった。つまり、安倍政権はこの問題は取り上げないというわけだ。翌日の主要各紙には、この江田代表の質問に関する報道は一切なかった。

ところで、野々村竜太郎兵庫県会議員の号泣事件はまだ記憶に新しいが、「号泣」の原因は国会議員の「文通費」に相当する政務活動費をカラ出張でごまかし、着服したことがばれたことだった。県会議員は支出の明細を報告する義務があるが、国会議員は報告義務がないとは不公平ではないのか。

一方、メディアの報道はなかったが、国会議員の歳費(月額)は最近25万円増額されたらしい。国会議員は、消費税を増額して国民に負担を強いながら、自分たちは好き勝手なことをやっているのは許せない。

私は安倍首相を基本的には支持するが、この件では江田賢司代表に軍配を上げる。