大分のさだまさしファンの独り言

大分に住んでいるさだまさしさんのファンです。所有のアルバムなどを紹介しながら不定期に思い出などを書いていこうと思います。

Sada Pedia 24 夢の吹く頃

2013-10-23 01:07:22 | SADAPEDIA

いや、さだペディアは久しぶりだなあ!
調べたら前回の「風待ち通りの人々」は6月!
今は10月…
間にMy天晴企画を挟んだとはいえこりゃあやばい。年末にかけて頑張ろう!と思ったことは何度かあったなあ(遠い目)。

まあとりあえず、気を取り直して、このさだペディアはさだまさし初心者の方にベスト盤ではなくオリジナルアルバムのどれがお勧めか!を伝えていくつかの分野でランク付けをして好みを調べるようにした企画です。よって私の個人的好み+自分は好きだけどお勧めすることを考えてベスト10形式にしてあります。意見には個人差がありますよ。好みにも個人差があります。

さて第四シーズン最後のアルバムはこちらになります。

夢の吹く頃    (89.1.25)



1、ETERNALLY 2、雨の夜と淋しい午後は 3、昨日・京・奈良、飛鳥・明後日。 4、理・不・尽 5、夢の吹く頃 
6、二軍選手 7、マグリットの石 8、紫野 9、あなたを愛したいくつかの理由 10、天狼星に

①ヒット:B
シングル曲があり、ヒットしていればA、していなければB(ただしほぼ知名度なしならC)、シングル無しならC

②コミカル:B
関白宣言、関白失脚、雨やどり、私は犬になりたいなどのコミカル系があるか?
③国風:B
飛梅、まほろば、修二会などの日本の文化、建造物などの曲があるか?
④恋愛ソング:B
いわゆる恋愛ソングが多いかどうか?ちなみにさださんの場合皆無のアルバムは無いです。
⑤社会性:C
前夜、空き缶と白鷺、遥かなるクリスマスなどの社会的な曲があるか?またその程度により分類

平成になってすぐに発売されたこのアルバムは私にとって昭和の色を濃く残すアルバムであり、さらに就職した年(この年の4月に就職)のアルバムなので様々なところで私を励まし続けてきたアルバムです。そう言う意味では非常に個人的な思い入れは強いアルバムですがそれと他人に勧める優先順位は別物ですから、ここはしっかり冷静にやります。

まずはヒットですが、一応日テレの年末時代劇「五稜郭」のテーマソングでありこのアルバムのタイトルソングでもある「夢の吹く頃」。これはシングルになりましたから一応他の曲に比べて知名度はあるかなあ、ということでB判定。
コミカル系としては三曲目の「昨日・京・奈良、飛鳥・明後日」。修学旅行をテーマにして、当時のバンドメンバーの実名を入れながら、舟木一夫の大ヒット曲「高校三年生」をオマージュしたような曲。ただし関白宣言、関白失脚などのフォーマットである1、2番で笑わして3番でホロリという形では無い。純粋にほんわかとしたユーモア、あるいはノスタルジーにとんだ曲。よってこれもB。
国風系の曲では「紫野」でしょうか。京都の同名の地区を場面にして文語体で書かれたしっとりとした曲。
恋愛ソングは大体さださんの曲には入っていますが、このアルバムはむしろ少なめの部類。
直接的には妹の玲子さんと一緒に歌った「あなたを愛したいくつかの理由」が強烈です。

さてこのアルバムは初めて服部隆之さんがアレンジをしているという意味でまずは特別な物です。これ以降同氏は様々なところで活躍していきますが、パリの学校から88年の帰国していますので事実上このアルバムが初めてのしっかりとした仕事とも言えるでしょう。いつもの渡辺俊幸さんや、お父さんの服部克久さんのアレンジとの違いを意識してみると面白いかも知れません。

さてこのアルバムはとても印象的な曲が多いのでそれに触れないわけにいきません。まさに80年台のさださんの全盛期の(個人的思いこみ)魅力がたくさん出ています。売れてないですが(笑)。

まずはディズニーを意識したかのような「ETERNALLY」で私たちを驚かせます。そして一転しっとりとした大人のノスタルジーを表したような曲「雨の夜と淋しい午後は」。三曲目の「昨日~」でいつものさださんらしさを出しておいて、四曲目に一気に冷や水をかけるような名曲「理・不・尽」へと続きます。この「理・不・尽」こそ当時のバブルの終焉を迎えた日本人、とりわけ若者の心理とシンクロしたような曲で、世の中の現実を受け止めなければという想いとそれに抗うかのような自分の気持ちが歌詞に出ています。この詩のよさが際立っている、と私は思っています。五曲目の「夢の吹く頃」はTVドラマで有名になりましたがやはり「さださんらしい曲」でドラマにも合っていますし、当時のバブルの終焉から未来を見つめたような、極めて前向きな曲になっています。ただし90年台の日本がまさかあんなに経済的にも社会的にも失速していくとはだれも想像できないのですが…
さてその後の曲がまた素晴らしい。「二軍選手」はテーマとしてはありふれていて、若者の夢や現実などを歌った曲ですが、これは服部さんの編曲が素晴らしい。とりわけ主人公の友人が一軍デビューした後の間奏部分は今聴いても感動します。

そして個人的にこのアルバムの最大の挑戦曲「マグリットの石」が続きます。「あいそ笑いで生きるより ののしりの中で死にたい」という強烈なメッセージから始まるこの曲からは、極めて強いチャレンジスピリットと不屈の精神の塊のような「硬さ」を感じられるのですが、しかし特に男であれば皆が一度はあこがれる像を提示してるようでいつ聴いても「かっこよく」感じます。是非若い人、今現在壁にぶち当たっている人に聴いてほしい曲ではあります。

「紫野」「あなたを愛したいくつかの理由」と続き最後の「天狼星に」に続きます。
この曲は駆け落ちする(あるいはそれに近い)女性の旅立ちの時の姿を描いた曲なのですが、何がすごいってタイトルに「天狼星(シリウス)に」と書いてあるのに、主人公の女性はこの星の名前を知らずに重要な決心している。それどころか歌詞の中に星の名前は一度も出てこない。なのにタイトルになっている。私の大好きなさださんの傍観性が極めて良く出ています。「父さんよりも愛する人ができるなんて思わなかった」と閉めるこの曲、父が大好きでありながらそれを上回るほど愛する男性ができて一人立ちするという、切ないほどの「想い」の重なり、さらにはそれがギター一本だけで演奏することでより強く表されています。


このアルバムは80年代のさださんの集大成とも言える出来だと思っていて、かつ、これだけ素晴らしい曲の数々なのに、先に発売された「天晴」に1曲も収録されていないというレアなアルバムでもあります。だからこそ、ベストアルバムでさださんに興味を持った方は是非聴いてほしいアルバムでもあります。

さて、ランキング。
一応この企画のテーマ確認。ファン歴の浅い人に勧めるアルバムランキング。

1位「風見鶏」
2位「夢ばかりみていた」
3位「夢の吹く頃」
4位「ADVANTAGE」
5位「夢回帰線Ⅱ」
6位「私花集」
7位「風待ち通りの人々」
8位「自分症候群」
9位「おもひで泥棒」
10位「あの頃について」

ご覧の様な結果となりました。聴いて損なし!ただしクレームは受け付けません(逃)。

では、また!


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