りりあんのめーぷるしろっぷ

季節感あふれる身辺雑記。

落ち葉を踏んで

2007-11-11 | Weblog
街路樹の下を歩くと、うっすら敷き詰めた落ち葉がザクザクと音を立てる――晩秋から初冬にかけての短いこの時期が一年の中でもとくに好きです。
近くの神社の境内に某相撲部屋の稽古場があります。何かと世間を騒がせている相撲界ですが、九州場所が始まるとともに、近所のスーパーに力士が姿を見せるようになります。力士が近くにいると、鬢付け油の匂いですぐにわかります。鬢付け油って、ちょっとびっくりするくらいに甘い匂いがします。長くかいでいると、胸焼けがしそうなほど甘い匂い。
昨日、山登りのお誘いを受けました。最初の発掘現場で知り合った仲間数人で、古跡見学を兼ねた山登りをしようという話です。じつは、今回のは第二弾のお誘いで、先月、基山という山に登りました。この山の山頂には、天智天皇の築いた山城の跡が残されています。白村江の戦いで敗れた後、唐・新羅の連合軍に攻められるのを警戒して築いた城砦だそうです。日ごろの不摂生が祟って、深い谷底から杉木立の間の急傾斜の山道を登るのは、想像以上に辛かったですが、玄界灘、筑紫平野、佐賀平野、有明海までを一望する山頂からの景色は足腰の痛みを補ってあまりありました。基山の詳しい説明は下のリンクから。杉木立の合間に大きな礎石が突如あらわれたときは、かなり興奮しました。礎石は高床式の倉庫を建てた跡だそうです。

http://www.town.kiyama.saga.jp/web/kankou/kiijyou.htm

山登りのあとは駅近くのラジウム温泉で疲れを癒し、博多駅まで戻って居酒屋で飲み語らい。楽しい一日でした。この日(10月14日)は後から知ったのですが、山南さんこと堺さんの誕生日。大河は「新選組!」以来、まともに見ていないけど、来年はとりあえず、堺さん目当てで見てみようかと思います。ジョン・万次郎という興味深い役で勝地くんも出るし。

秋深し・・・

2007-11-11 | Weblog
更新が滞りがちで、申し訳ありません。ともかく、先週、書いて放置していた記事をアップいたします。

「声はすれども」ならぬ「香りはすれども」姿は見えずの日が2、3日続いたあとの昨日、歯医者帰りに何気なく曲がった路地で、ようやく姿を見つけました。
いつまでも夏が居座って、秋のくる気配のなかった今年も、町に金木犀の香りが漂う季節が来たんだなぁと妙な感慨にひたったりして。

タイの少数民族モン族の村、イスラエルのキブツ、山峡ダムの底に沈んだ中国の山村、モンゴルの草原・・・最近観た映画(自宅鑑賞ですが)の舞台です。いずれも途中で寝てしまうかも、とか、とりあえず観てみるか、などと思いつつ、観始めた映画でしたが、描かれた人びとの生がみずみずしく、力強く迫ってきて、ずしりと見応えのある作品群でした。

早々と『かもめ』読み始めたのですが、トレーブレフの台詞の語尾に妙な違和感があって、中断しています。この翻訳が出た40年前には、「おっかさん」も別段、変でもなかったのでしょうか。もっと新しい訳本を探してみよう。

個人的にドラマ離れに拍車がかかってきて、一時間集中してドラマを観ることもほとんどなくなりました。このあいだ観たドキュメンタリーは面白かった。失踪した天才数学者の行方を追うという番組でした。フィールズ賞の授賞式をすっぽかしたまま行方をくらましたこの数学者の友人の言葉が印象的でした。「数学には永遠の真理がある。それを理解できる人間だけが数学の美しさを知ることができる」私は理数系は大の苦手で、微分・積分あたりから、ちんぷんかんぷんな人間ですから、数学の美しさなどは理解すべくもありません。それでも、誰も解いたことのない問題の証明に取り憑かれていく数学者の心理はわかるような気がします。たまたま、直前に映画「博士の愛した数式」を観ていたこともあって、しばし数学の美しさに憧れました。そういえば、「博士の・・・」の最後にウィリアム・ブレイクの詩が引用してありました。書きとめておきたい詩だったのですが、手がかりにできる語句が記憶のどこにも引っかかっていない・・・情けない。ブレイクの絵は好きで、ロンドンのテイト・ギャラリーに行くと、ブレイクの展示室でしばらく遊んでいたんですよね。ブレイクの詩集は昔、買ったような気がする。本箱の奥を探したら、見つかるかな・・・。

と、そんなこんなで秋は深まっていきます。