ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

御柳梅

2012年01月31日 | 俳句雑考

山麓の民家の生垣に御柳梅が咲いていた。画像は30日、鹿児島市野頭地区で撮影。

   紅梅や撫で牛にある日のぬくみ      ひろ子

東京・隅田川河畔の牛島神社の撫で牛だろうか。

 


栴檀の実

2012年01月30日 | 俳句雑考

山腹を拓いて造られた霊園のてっぺんから眺めると、眼下の栴檀の大木がぎっしりと実をつけていた。画像は29日、鹿児島市草牟田で撮影。

   栴檀の万の実揺るる戦没碑          し づ


栴檀の実がなかなか減らないのは、この冬は小鳥がすくないせいと思っている。

 

 


骨董品の価値

2012年01月29日 | 俳句雑考

骨董屋の店外に古そうな商品、店内に新しそうな商品が陳列してあった。
広辞苑によると、年代物は「長い年月を経て高い価値を持つ物」という意味であり、骨董品は古いほど価値があると思っていたが,
最近は価値観が変わったのだろうか。画像は27日、鹿児島市谷山中央で撮影。

    竹すだれのみ新しき骨董屋           紀 代


建物も老舗といった感じなのであろう。


 


市電

2012年01月27日 | 俳句雑考

市電が終着駅に到着し、客が降りてきた。画像は26日、鹿児島市東谷山で撮影。

       草いろの市電のむかし雲の峯         子 郷

いまの鹿児島市は色はいろいろ。桜島の灰に汚染された車両はみたことがない。


竜の落とし子

2012年01月26日 | 俳句雑考

漢方の薬舗に竜の落とし子が掲げてあった。画像は24日、鹿児島市東谷山で写す。

   漢方の主治医を信じ薬の日       静 夫

歳時記によると薬の日または薬猟は旧暦五月五日。「茜さす紫野行きー」の額田王の和歌は薬猟の吟詠だそうだ。


現代の恐竜

2012年01月25日 | 俳句雑考

駅前のそんなに古くはない家屋をクレーンが壊していた。画像は24日、鹿児島市谷山中央で写す。
   
    恐竜はかくや枯野のクレーン群         豊 水

駅前のクレーンも恐竜に似ていた。


水仙

2012年01月24日 | 俳句雑考

「供花の冷やし場」の上に水仙が咲いていた。画像は22日、鹿児島市慈眼寺地区で写す。

   水仙花耳遠くなるまで生きました        政 雄

「女に嘘をついていると、崖上の水仙が耳を傾けていた」という内容の俳句に接した記憶がある。

 


干大根

2012年01月23日 | 俳句雑考

枯れきった木によく肥えた大根が干されていた。
枯木はいのちを失っても、ちからが漲っており、猫から仰がれていた。画像は22日、鹿児島市上福元で写す。

   大根をどこかに干せりどの家も       暮 石

重石代わりに置いてある大根を見たことがある。

 


川鵜

2012年01月22日 | 俳句雑考

永田川の礁に乗って、いつもはほっそりと佇んでいる鷺が翼を広げていた。
珍しかったので、いろんな角度から撮っていると、ジョギング中の女人が興味深そうに寄ってきた。カメラの液晶をみせると、後ろから撮った写真がよいと断言した。念のため鳥の名前を聞くと、
「鵜よ。いつもは羽根を閉じているんだけど」
と断言した。画像は22日、鹿児島市の中山あたりで写す。

   鵜の礁に鵜がきていつも冬初め       一 穂

北総に住んでいたころ、よく見に行った利根川の鵜の群を思い出した。

 

 


黄梅紅梅

2012年01月21日 | 俳句雑考

山麓の蝋梅が満開だった。画像は20日、鹿児島市中山で写す。

    一患者黄梅ひらきたるを言ふ        咲 子

黄梅は蝋梅の別名かと思い込んでいたが、念のため歳時記で調べると迎春花の別名だった。句意は春を迎えた患者の喜びであろう。

   寒紅梅

民家の庭先に紅梅が咲いていた。画像は今朝、鹿児島市和田で写す。

   寒紅梅はなびらよせてむつまじき       占 魚

これまでこの日記に寒紅梅の画像をもっとも早く載せたのは北総では1月23日、薩摩では1月24日だったので、ことしその記録を更新した。
 

 


色鳥

2012年01月20日 | 俳句雑考

小鳥が括目し、小げらのような姿勢で幹を啄んでいた。ウィキペディアで調べると、四十雀の近縁種に似ていた。
近縁種とは亜種より位が高いようだ。画像は17日、鹿児島市下福元町で写す。

   日毎来る色鳥の名を問はれしも         大 愚

歳時記をひらくと、色鳥の例句はきわめて多い。

 


冬霞

2012年01月19日 | 俳句雑考

野頭は山が霞んでいた。枯葉が落ちないで木についていたが、山が北風を遮る温暖な土地なのであろう。画像は17日に写す。

   ねんねこから片手出てゐる冬霞        晴 子

春の季語の「地虫穴を出づ」といった感じだろうか。


蕪のような大根

2012年01月18日 | 俳句雑考

写真の件で紹介された篤農を訪ねると、野良仕事をしていた。桜島大根を穫りいれているのかと聞くと、聖護院大根という品種だそうだ。京都原産でもともとは大根のかたちをしていたが、改良して桜島大根のような蕪のかたちに変えたそうだ。
帰宅してから写真を現像すると、篤農は桜島大根に関係のある前垂れを締めていたことに気がついた。画像は17日、鹿児島市野頭地区で写す。

   島大根引くや背に降る熱き火山灰           護

桜島での嘱目吟。火山灰はヨナと読むのであろう。

 


多情の花

2012年01月17日 | 俳句雑考

春爛漫深山霧島が咲いたと、書きたくなるような景色に出会ったが、うすむらさきの花はブーゲンビリアとすぐに判った。
冬のブーゲンビリアは生色を失って
いないが枯れていると、薩摩に来たばかりの頃に聞いたことがある。触ってみると乾いている。画像は14日、鹿児島市和田で写す。

   枯菊と言ひ捨てんには情あり       たかし

ブーゲンビリアは多情だと思う。