男が渓流に入って籠をひき揚げていた。画像は22日、錦江町で撮影。
籠には沢蟹がどっさり入っていた。
男は傍観していた女と引きあげた。
沢蟹のあらがふことを愛しとす 風 生
愛しんでから、沢蟹を放したのだろうか。
宿舎で食べた薩摩揚げの卸元を訪ねた。
広辞苑によると、江戸で初め「薩摩のつけ揚げ」と称し、上方では「てんぷら」と呼んだそうだ。いま、こちらではツケアゲといっている。画像は23日、肝付町で写す。
揚物をからりと揚げて大暑なり 真砂女
作者は生前、銀座で小料理屋を営んでいたそうだ。
曼珠沙華
ベランダの曼珠沙華が満開になった。画像は今朝、鹿児島市谷山中央で写す。
曼珠沙華一村一寺一如来 昇
ベランダの曼珠沙華は一茎のみ。
大きな瀑布を背にして、娘はカメラにむかって万歳をした。画像は22日、大隅半島の錦江町で写す。
大瀑布にすこし離れたところを、連れだって散策していた娘たちは滝のうらで立ちどまって万歳をした。
純白な女滝乙女ら万歳す 豊 水
滝の名を訊かなかったのは失敗だったが、「女滝」ではないだろうか。
当時は名前を知らなかったので、「妖花」と題して日記に載せた極楽鳥花が民家の庭先に咲いていた。桜島の灰で白っぽくなっていた。
画像は20日、鹿児島市谷山中央で写す。
日向ぼこ死後の極楽疑はず 政 子
極楽は火山のはるか上空にあるような気がしないでもない。
山がひとつ立っていた。地元のひとに名前を訊ねると、名前があるのかどうか知らないが、頂上にAさんの家と田があるといった。
画像は16日、鹿児島市雪元で写す。
頂上
鹿二頭と出会いもして、車で山を登った。頂上に到ると家が二棟あり、田園が稔りの秋を迎えようとしていた。
ポピー揺れはじめ田園幻想曲 まり子
頂上の光景に接して、目をこすりたくなった。
小学校の裏庭の公孫樹にぎっしりと実が生っていた。画像は14日、鹿児島市谷山中央で写す。
切株やあるくぎんなんぎんのよる 郁 乎
歳時記では公孫樹の葉も実も銀杏。区別するために実の方はひたがな表記がすくなくないようだ。