ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

鶏頭

2009年09月30日 | 俳句雑考

ひさしぶりの雨に植物は生色を戻し、民家の鉢植えの鶏頭は、桜島の降灰が洗われていた。
画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。

   鶏頭は終始を花の盛り哉    徳 野

いわれてみると、枯れた鶏頭をみたことがない。


平和

2009年09月29日 | 俳句雑考

巨大な松林のある公園では、老人が鳩に餌をやっていたが、薩英戦争のとき砲台が据えられた場所だそうだ。
画像は26日、鹿児島市浜町で写す。

   戦争の世紀よさらば除夜の鐘     康 美

願いをこめて。


稲架

2009年09月28日 | 俳句雑考

稲架に稲穂が懸けてあった。画像は26日、鹿児島市中山で写す。

   野に出れば稲架の日向もかんばしや     たかし

こちらでは昔のままのように、稲をねんごろに干している。


列車

2009年09月27日 | 俳句雑考

山と海のあいだに列車が現れた。JR指宿枕崎線だった。
画像は26日、鹿児島市の瀬々串あたりで撮影。

   なれそめは帰省列車の手弁当      定 行

いまは職場で愛妻弁当をひろげているのだろうか。


沢蟹

2009年09月26日 | 俳句雑考

男が渓流に入って籠をひき揚げていた。画像は22日、錦江町で撮影。

籠には沢蟹がどっさり入っていた。

男は傍観していた女と引きあげた。

   沢蟹のあらがふことを愛しとす    風 生

愛しんでから、沢蟹を放したのだろうか。


薩摩揚げ

2009年09月25日 | 俳句雑考

宿舎で食べた薩摩揚げの卸元を訪ねた。
広辞苑によると、江戸で初め「薩摩のつけ揚げ」と称し、上方では「てんぷら」と呼んだそうだ。いま、こちらではツケアゲといっている。画像は23日、肝付町で写す。

   揚物をからりと揚げて大暑なり      真砂女

作者は生前、銀座で小料理屋を営んでいたそうだ。

 曼珠沙華

ベランダの曼珠沙華が満開になった。画像は今朝、鹿児島市谷山中央で写す。

   曼珠沙華一村一寺一如来      昇

ベランダの曼珠沙華は一茎のみ。


滝と万歳

2009年09月24日 | 俳句雑考

大きな瀑布を背にして、娘はカメラにむかって万歳をした。画像は22日、大隅半島の錦江町で写す。 

大瀑布にすこし離れたところを、連れだって散策していた娘たちは滝のうらで立ちどまって万歳をした。

   純白な女滝乙女ら万歳す     豊 水

滝の名を訊かなかったのは失敗だったが、「女滝」ではないだろうか。


極楽鳥花

2009年09月21日 | 俳句雑考

当時は名前を知らなかったので、「妖花」と題して日記に載せた極楽鳥花が民家の庭先に咲いていた。桜島の灰で白っぽくなっていた。
画像は20日、鹿児島市谷山中央で写す。

    日向ぼこ死後の極楽疑はず      政 子

極楽は火山のはるか上空にあるような気がしないでもない。


曼珠沙華再び

2009年09月20日 | 俳句雑考

民家の裏隅に淡い色の曼珠沙華が咲いていた。画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。

    さみどりの直き茎よし曼珠沙華    波 郷

薩摩ではいろんな色の曼珠沙華が咲くが、どれも茎の色は同じのようだ。


糸瓜

2009年09月18日 | 俳句雑考

1メートルはゆうに超える糸瓜が棚にぶら下がっていた。画像は16日、鹿児島市郡山で写す。

   糸瓜より糸瓜の影の長きかな     無事庵

郡山の朝の糸瓜は、影は3メートルくらいだろうか。


田園幻想曲

2009年09月17日 | 俳句雑考

山がひとつ立っていた。地元のひとに名前を訊ねると、名前があるのかどうか知らないが、頂上にAさんの家と田があるといった。
画像は16日、鹿児島市雪元で写す。

 頂上

鹿二頭と出会いもして、車で山を登った。頂上に到ると家が二棟あり、田園が稔りの秋を迎えようとしていた。

   ポピー揺れはじめ田園幻想曲        まり子

頂上の光景に接して、目をこすりたくなった。


ぎんなん

2009年09月16日 | 俳句雑考

小学校の裏庭の公孫樹にぎっしりと実が生っていた。画像は14日、鹿児島市谷山中央で写す。

    切株やあるくぎんなんぎんのよる    郁 乎

歳時記では公孫樹の葉も実も銀杏。区別するために実の方はひたがな表記がすくなくないようだ。


唐辛子

2009年09月15日 | 俳句雑考

民家の石垣の上のプランターに、唐辛子が色づいていた。
画像は13日、鹿児島市谷山中央で写す。

   吊されてより赤さ増す唐辛子    峠 

プランターの唐辛子は、これ以上赤くならないような色をしていたが。